トルコリラ円見通し ドル円の反落を追いかけて下落、9月16日以降の戻り一巡感(24/9/25)

トルコリラ円の9月24日は概ね4.24円から4.19円の取引レンジ、25日早朝の終値は4.20円で先週末終値と同水準だった。

トルコリラ円見通し ドル円の反落を追いかけて下落、9月16日以降の戻り一巡感(24/9/25)

ドル円の反落を追いかけて下落、9月16日以降の戻り一巡感

〇トルコリラ円、ドル円追いかけ9/24夕に4.24まで高値伸ばすも、9/25朝は4.18台へ下落
〇9/20深夜から繰り返し4.24を試したところ売られ失速、戻り一巡による下落再開感強まりつつある
〇対ドル、9/24は概ね34.17から33.87の取引レンジ、34リラ挟んだ持ち合い続く
〇トルコ9月製造業信頼感指数は98.8、下げ渋るも低調、設備稼働率は2023年11月以降の最低値
〇8月海外観光客数は前年同月比2.47%増と着実に向上、7月の2.6%増からは若干下回る
〇4.20から4.22にかけては戻り売り有利とするが、4.22超えからは強気転換注意
〇4.18割れからは9/16からの上昇一巡による下落期入りとして4.15前後試しとする

【概況】

トルコリラ円の9月24日は概ね4.24円から4.19円の取引レンジ、25日早朝の終値は4.20円で先週末終値と同水準だったが、小数点下四桁では23日終値4.2045円から24日終値4.1964円へ下落した。
ドル円は9月16日安値139.57円からの反騰を続け、米FOMCと日銀会合を通過して144円台へ到達し、23日に143円台序盤へ下げたところを買われて24日夕刻に144.67円まで高値を伸ばしてきたが、144円台を繰り返し売られて上値が重くなる中で24日夜の米CB消費者信頼感指数が予想外に大幅悪化したことによる米長期債利回り低下とドル全面安により25日朝には143円を割り込んだ。
トルコリラ円はドル円を追いかけて9月16日安値4.11円から戻しに入り、24日夕に4.24円まで高値を伸ばしてきたものの、25日朝にかけてドル円が下落したために25日朝には4.18円台へ下落して24日未明安値4.19円を割り込んだ。

ドル円は23日安値143.16円を割り込み、トルコリラ円も24日未明安値を割り込んだため、9月16日からの底上げ基調が共に崩れており、ドル円の140円割れからの修正高が一巡した可能性と共にトルコリラ円も20日深夜から繰り返し4.24円を試したところを売られて失速したために戻り一巡による下落再開感が強まりつつある印象だ。
ドル円はFOMC後のパウエルFRB議長会見が連続的な大幅利下げに消極姿勢とされ、日銀が追加利上げを急がない姿勢を強調したことで上昇してきたが、米経済指標悪化により次回FOMCでの連続大幅利下げの可能性が高まったことと日銀の姿勢についても織り込んだことで一段高へ進むきっかけを得ず、ポンドや豪ドル、南アランド等の上昇によりドル安優勢の流れとなってきたことで下落に転じ始めている。
トルコリラ円としてもドル円の下落再開感が強まるようだと9月16日安値を再び試しに向かうことも警戒される局面と考える。

【ドル/トルコリラは終値ベースの最安値近辺】

ドル/トルコリラの9月24日は概ね34.17リラから33.87リラの取引レンジ、25日早朝の終値は34.11リラで前日終値の34.12リラからは0.01リラのドル安リラ高だった。
8月28日に34.41リラを付けて取引時間中の史上最安値とした後は34リラを挟んだ持ち合いを続けているが、終値ベースの最安値としては8月30日終値34.07リラを9月17日終値34.08リラ、20日終値34.09リラ、23日終値34.12リラで連日更新し、24日はわずかに上昇したものの最安値近辺を維持しており、一時34.17リラを付けて9月16日高値33.58リラ以降の安値を更新しており、徐々に8月28日の史上最安値への距離を詰めてきている。

【トルコ製造業は低調、観光客数は着実に向上】

9月24日に発表されたトルコ中銀による9月製造業信頼感指数は98.8となり8月の98.5から若干上昇したが、設備稼働率は74.9%となり8月の75.4%を下回った。
製造業信頼感指数は今年4月の106.1をピークに低下へ転じ、4か月連続低下で8月の98.5まで悪化したところで下げ渋りの様相だが、2か月連続で100を割り込んだままだ。設備稼働率は今年4月の76.7%から低下傾向が続いて9月は75%を割り込み2023年11月の78.0%以降の最低とした。鉱工業生産が2か月連続で前年同月比マイナスだったこと等を含め、トルコの実体経済の低迷感が続いていることがリラ売りの背景にあると思われる。
8月の海外観光客数は前年同月比2.47%増となったが7月の2.6%増を若干下回った。観光客数の増加とリラ安による割安感での売り上げ増を招き経常収支の改善に寄与するが、世界全体の景気鈍化により輸出が伸びずに貿易赤字が続く内は構造的な改善にまでは至らないと思われる。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラの概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、9月20日午後へ下落したところから一段高したため、24日午前時点では直近のサイクルボトムを20日午後安値とした強気サイクル入りとし、4.18円を上回るうちは24日の日中から26日午前にかけての間への上昇余地ありとしたが、4.18円割れからは弱気サイクル入りとした。
4.24円を繰り返し試してから25日朝に4.18円台へ下落したため、24日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして25日午後から27日午後にかけての間への下落を想定するが、4.22円超えからは新たな強気サイクル入りの可能性ありとして24日夕高値試しとする。

60分足の一目均衡表では25日朝への下落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落した。25日午前序盤はやや戻しているものの先行スパンを上抜き返せないうちは一段安警戒として遅行スパン悪化中の安値試し優先とし、先行スパンを上抜き返すところからは上昇再開とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は9月24日夕に60ポイント台へ上昇してから25日朝に30ポイント台へ低下したため、50ポイント以下での推移中は一段安余地ありとみて20ポイント前後への低下を想定する。45ポイントから50ポイント手前は売られやすいとみるが、50ポイント超えからは上昇再開とみて60ポイントを試す上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.18円を下値支持線、4.22円を上値抵抗線とする。
(2)4.20円から4.22円にかけては戻り売り有利とするが、4.22円超えからは強気転換注意として4.24円試しとし、4.21円を上回っての推移なら26日も高値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)4.18円割れからは9月16日からの上昇一巡による下落期入りとして4.15円前後試しとする。4.15円前後は買い戻しも入りやすいとみるが、4.18円を割り込んだ後も4.20円以下での推移なら26日も安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な予定】

9月26日
 20:30 週次 外貨準備高・グロス 9月20日時点 (9月13日時点 921.6億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高・ネット 9月20日時点 (9月13日時点 487.8億ドル)
9月27日
 16:00 8月 貿易収支確報 (7月 -73億ドル)
 16:00 9月 経済信頼感指数 (8月 93.1)
10月1日
 16:00 9月 イスタンブール製造業PMI (8月 47.8)
10月3日
 16:00 9月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (8月 2.47%)
 16:00 9月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (8月 51.97%)
 16:00 9月 コアCPI(食品エネルギー等除く) 前月比 (8月 3.0%)
 16:00 9月 コアCPI(食品エネルギー等除く) 前年同月比 (8月 51.6%)
 16:00 9月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (8月 1.68%)
 16:00 9月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (8月 35.75%)



注:ポイント要約は編集部

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