トルコリラ円見通し ドル円の反騰で4.20円に迫るがFOMC控えて上値は重い印象(24/9/18)

トルコリラ円の9月17日は概ね4.18円から4.12円の取引レンジ、18日早朝の終値は4.18円で前日終値の4.13円から0.05円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の反騰で4.20円に迫るがFOMC控えて上値は重い印象(24/9/18)

ドル円の反騰で4.20円に迫るがFOMC控えて上値は重い印象

〇トルコリラ円、9/17欧米経済指標きっかけにドル高がぶり返したことで、4.18まで高値を伸ばす
〇9/18午前序盤はドル円が142円割れへ失速したため、4.16近辺へ失速
〇対ドル、9/17は概ね34.11から33.79の取引レンジ、2日連続でドル高リラ安、終値の史上最安値も更新
〇9/19トルコ金融政策委員会、6会合連続の政策金利50.0%で据え置き予想
〇インフレ鈍化傾向顕著となり始め、第4四半期には利下げ開始との声高まる
〇4.15上回るうちは上昇余地あり、4.18超えからは4.19、4.20順次試す上昇を想定
〇4.15割れからは下落再開とみて4.12、4.10前後を順次試す下落想定、4.10前後は買われやすいとみる

【概況】

トルコリラ円の9月17日は概ね4.18円から4.12円の取引レンジ、18日早朝の終値は4.18円で前日終値の4.13円から0.05円の円安リラ高だった。
米FOMCでの大幅利下げ期待や日銀のタカ派姿勢による円買い優勢の流れでドル円が16日夕刻に139.57円へ下落して7月3日高値161.94円以降の最安値を更新した際に、トルコリラ円は4.10円(ベンダーによっては4.09円等)へ下落して取引時間中の史上最安値を更新した。その後はドル円が140円割れに対する突っ込み警戒感とFOMCを控えたポジション調整で反騰したためにトルコリラ円も持ち直していたが、17日夕夜の欧米経済指標をきっかけにドル高がぶり返したことでドル円が18日早朝に142.46円へ続伸したため、トルコリラ円も4.18円まで高値を伸ばした。

9月18日午前序盤はドル円が142円割れへ失速しているためトルコリラ円も4.16円近辺へ失速している。
19日早朝のFOMC次第では為替市場全般が波乱含みとなりかねず、大幅利下げ決定と連続利下げ姿勢が強調されれば円高再開によりトルコリラ円も再び史上最安値更新へ向かう可能性があるが、大幅利下げが回避されて追加利下げに慎重姿勢が示されればドル高反応となりドル円の上昇を追いかけてトルコリラ円も4.20円台回復を試す可能性もあるだろう。

【ドル/トルコリラは2日連続でドル高リラ安、終値の史上最安値を更新】

ドル/トルコリラの9月17日は概ね34.11リラから33.79リラの取引レンジ、18日早朝の終値は34.08リラで前日終値の33.98リラからは0.10リラのドル高リラ安だった。
8月28日に34.41リラへ取引時間中の最安値を大幅に更新し、8月30日終値34.07リラを終値としての最安値とした後は34リラを挟んだ持ち合いでリラ安が一服していたが、9月16日に一時33.58リラへ上昇して8月28日以降の高値としたところからリラ売り再開に入り、16日は前日比0.10リラのドル高リラ安となり、17日も2営業日連続でドル高リラ安となり、日足終値ベースでは8月30日終値を超えて最安値更新とした。

9月17日夕刻の独9月ZEW景況指数が予想以上に悪化する一方で8月の米小売売上高や米鉱工業生産が予想を上回ったことと19日早朝のFOMCを控えた持ち高調整により17日夕刻から18日早朝にかけてドル高がぶり返したため、ドル/トルコリラでもドル高が優勢となった印象だ。
日足終値で史上最安値を更新したため、8月28日以降の持ち合いを放れて取引時間中の最安値更新へ再び挑戦する可能性もあると注意したい。

【トルコ中銀の利下げ、早ければ10月の可能性も】

9月13日に公表されたロイター社の市場調査では、トルコ中銀が第4四半期に利下げを開始するとの予想が優勢だった。
9月19日にトルコ中銀の金融政策委員会があり、6会合連続で政策金利の週間レポレートは50.0%で据え置かれるとの予想で衆目が一致しているが、インフレ鈍化傾向が顕著となり始めたことで第4四半期には利下げ開始との声が高まってきている。
今回の調査では、年末の政策金利予想中央値は47%で予想レンジは45.0%から50.0%とされ、利下げ開始は10月、11月、12月と予想が分かれて一部には年内の利下げ見送り予想もあったが、8月調査時の年末予想が45%だったため、若干利下げ開始が遅れるとの印象も与えた。
トルコ中銀が9月13日に公表した市況予想調査(ビジネスサーベイ)ではエコノミストの政策金利見通し予想中央値は3か月後に46.48%、12か月後に31.66%とされて、2024年末の為替レートは1ドル37.1599リラと予想されていた。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラの概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、9月12日午後高値をサイクルトップとして弱気サイクル入りしたが、16日夕刻へ史上最安値を更新してから戻したために17日午前時点では16日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして17日の日中から19日午後にかけての間への上昇を想定し、4.12円割れからは弱気転換注意とした。
18日早朝に4.18円へ続伸してから小反落しているため、4.15円を上回るうちは一段高余地ありとするが、4.15円割れからは弱気サイクル入りと仮定して19日午後から23日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では16日夕安値からの反騰継続で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜いたが、その後も両スパン揃っての好転を続けているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、遅行スパン悪化からは下落再開とみて安値試し優先とし、先行スパンから転落する場合は下げ足が速まる可能性があると警戒する。

60分足の相対力指数は9月18日早朝に70ポイントを超えてから60ポイント割れへ失速している。65ポイント超えからは上昇再開とするが、相場が高値更新する際に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられる場合は反落警戒とし、45ポイント割れからは下落期入りとして30ポイント以下への低下へ向かうとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.15円を下値支持線、4.18円を上値抵抗線とする。
(2)4.15円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.18円超えからは4.19円、4.20円を順次試す上昇を想定する。4.19円以上は反落警戒とするが、4.15円を上回っての推移なら19日も高値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)4.15円割れからは下落再開とみて4.12円、4.10円前後を順次試す下落を想定する。4.10円前後は買われやすいとみるが、下げ足が速まる場合は4.08円前後へ下値目途を引き下げる。

【当面の主な予定】

9月19日
 20:00 トルコ中銀 政策金利・週間レポレート (現行 50.0%、予想 50.0%)
 20:30 週次 外貨準備高・グロス 9月13日時点 (9月6日時点、865.7億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高・ネット 9月13日時点 (9月6日時点、397.4億ドル)
9月20日
 16:00 9月 消費者信頼感指数 (8月 76.4)
 23:30 8月 中央政府債務 (7月 8兆1060億リラ)
9月24日
 16:00 9月 製造業信頼感指数 (8月 98.5)
 16:00 9月 設備稼働率 (8月 75.4%)
 17:00 8月 海外観光客数 前年同月比 (7月 2.6%)



注:ポイント要約は編集部

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