トルコリラ円見通し FOMC通過で一段高、今夜のトルコ中銀金融政策、明日の日銀会合へ向かう(24/9/19)

トルコリラ円の9月18日は概ね4.19円から4.12円の取引レンジ、19日早朝の終値は4.18円で前日終値と同値とした。

トルコリラ円見通し FOMC通過で一段高、今夜のトルコ中銀金融政策、明日の日銀会合へ向かう(24/9/19)

FOMC通過で一段高、今夜のトルコ中銀金融政策、明日の日銀会合へ向かう

〇トルコ円、FOMC発表後のドル円急落で4.16近辺から4.12へ下落
〇その後ドル円反騰を受けて4.19へ切り返し、9/19午前は4.20を超す
〇9/19-20 日銀会合後のドル円の展開に要注目
〇対ドル、9/18は概ね34.12から33.87の取引レンジ、2日連続で終値34リラ台
〇今夜のトルコ中銀MPC、週間レポレート50.0%(据え置き)で一致
〇第4四半期における利下げの可能性が焦点
〇4.17を上回るうちは上昇余地あり、4.21超えからは4.22、4.23を順次試す上昇を想定
〇4.15割れから続落する場合は下落再開とみて4.12前後への下落を想定

トルコリラ円の9月18日は概ね4.19円から4.12円の取引レンジ、19日早朝の終値は4.18円で前日終値と同値とした。
米FOMCが0.50%利下げを決定して年内追加利下げ見通しを示したことで発表当初のドル全面安でドル円は142円近辺だったところから140.44円へ急落したためトルコリラ円も4.16円近辺から4.12円へ急落したが、目先のドル売りイベント通過感と今後の追加利下げが緩やかとの見方で米長期債利回りが上昇してドル高がぶり返したためにドル円が142.69円へ反騰して9月16日夕安値139.57円以降の高値を更新すると、トルコリラ円も4.19円へ切り返した。
ドル円は19日午前に143円台へ高値を伸ばし、トルコリラ円も早朝高値を上抜いて4.20円を超え始めている。

ドル円は7月3日高値161.94円を天井として9月16日安値139.57円まで20.25円の下げ幅となり、2022年10月21日高値151.94円から2023年1月16日安値127.22円までの下げ幅24.72円に迫る下落規模となったが、140円を割り込んだことによる売られ過ぎ警戒感からいったん持ち直してもよいところに来ている印象だ。

現状はFOMC通過により円買いドル売りイベント通過として買い戻し優勢の流れとなっているところだが、9月20日の日銀金融政策決定会合で追加利上げへ姿勢が緩い場合は日米金融政策姿勢の差による円高一巡として上昇を継続する可能性がある。しかし日銀が年末までに追加利上げを追求する前傾姿勢がみられる場合は円高再燃となり、今後の米経済指標が一段と悪化する場合には次回FOMCで連続の0.50%利下げとなる可能性も浮上してドル安円高感が優勢となることも考えられる。
トルコリラ円としてはドル円の反騰を慎重に追いかけつつ、日銀会合を通過して円安が勢い付く場合はやや積極的な押し目買い有利の展開と考え、日銀会合から円高がぶり返す場合は戻り売り有利の展開と見方を変えてゆきたい。

【ドル/トルコリラは2日連続で終値34リラ台】

ドル/トルコリラの9月18日は概ね34.12リラから33.87リラの取引レンジ、19日早朝の終値は34.07リラで前日終値からは0.01リラのドル安だった。
9月19日03時の米FOMCによる0.50%利下げ決定から為替市場全般が乱高下したが、トルコリラの反応は鈍かった。
8月28日に34.41リラへ取引時間中の最安値を大幅に更新し、8月30日終値34.07リラを終値としての最安値とした後は34リラを挟んだ持ち合いを続けているが、9月16日に一時33.58リラへ上昇して8月28日以降の高値としたところからリラ安が再燃しており、16日から17日への2連騰で17日終値34.08リラで8月30日終値を超えて日足終値としての史上最安値を更新した。
19日は一時34.12リラへ続落していたが、終値での最安値更新には至らなかった。19日午前序盤は34.08リラから33.83リラのレンジで推移して9月16日以降の安値更新を伺う位置に付けている。

【今夜トルコ中銀MPC】

今夜8時にトルコ中銀MPC(金融政策委員会)での政策金利発表がある。市場の事前予想は6会合連続で政策金利の週間レポレートを50.0%で据え置くとの見方が一致しているが、焦点は第4四半期における利下げの可能性が高まるかどうかだろう。
9月13日に公表されたロイター社調査では10月、11月、12月のいずれかの会合で利下げが決定されると予想されており、年末の政策金利予想中央値は47%とされて2.5%ないし5.0%の利下げとなる可能性が見込まれている。トルコ中銀の月次ビジネスサーベイにおける市況予想調査においてはエコノミストの政策金利見通し予想中央値が3か月後で46.48%、12か月後で31.66%とされており、遅くとも年末までには利下げサイクルに入ると見込まれている。
異常な高インフレが低下して異常な高金利も引き下げられればトルコ景気の浮揚に寄与するとして海外勢の投資意欲を増す可能性もあるが、足元の景気は低迷していることと年末の市場予想では1ドル37リラ台へ下落が続くとの見方が有力のため、中銀の利下げが近いとの判断がリラ売り反応を招くケースも警戒される。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラの概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、9月16日夕刻へ史上最安値を更新してから戻したために17日午前時点では16日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして17日の日中から19日午後にかけての間への上昇を想定した。
18日早朝に4.18円へ続伸してから反落して19日未明へ一段安したもののその後の反騰で18日早朝高値を上抜いているため、19日未明安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして21日早朝から25日朝にかけての間への上昇を想定する。ただし、乱高下も警戒され、明日の日銀会合後に波乱含みとなる可能性もあると注意し、4.15円割れからは弱気転換注意として19日未明安値4.12円試しとする。

60分足の一目均衡表では19日未明安値からの反騰で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜いたため、遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、乱高下も警戒されるので遅行スパン悪化からは下落再開とみて安値試し優先とし、先行スパンから転落する場合は下げ足が速まる可能性もあると注意する。

60分足の相対力指数は9月19日未明の反落からきりかえして70ポイントに迫っているので50ポイント以上を維持する内は一段高余地ありとするが、相場が高値を更新する際に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられる場合は反落注意とし、45ポイント割れからは下落期入りとして20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.15円を下値支持線、4.21円を上値抵抗線とする。
(2)4.17円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.21円超えからは4.22円、4.23円を順次試す上昇を想定する。4.2円以上は反落警戒とし、20日昼前後の日銀会合後に波乱含みとなる可能性に注意する。
(3)4.17円割れからは4.15円試しとする。4.15円前後は買い戻しも入りやすいとみるが、4.15円割れから続落する場合は下落再開とみて4.12円前後への下落を想定する。ドル円が明朝にかけて失速している場合は日銀会合を通過して一段安へ進む可能性もあると注意する。

【当面の主な予定】

9月19日
 20:00 トルコ中銀 政策金利・週間レポレート (現行 50.0%、予想 50.0%)
 20:30 週次 外貨準備高・グロス 9月13日時点 (9月6日時点、865.7億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高・ネット 9月13日時点 (9月6日時点、397.4億ドル)
9月20日
 16:00 9月 消費者信頼感指数 (8月 76.4)
 23:30 8月 中央政府債務 (7月 8兆1060億リラ)
9月24日
 16:00 9月 製造業信頼感指数 (8月 98.5)
 16:00 9月 設備稼働率 (8月 75.4%)
 17:00 8月 海外観光客数 前年同月比 (7月 2.6%)


注:ポイント要約は編集部

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