トルコリラ円見通し ドル円の乱調さを見ながらの騰落、最安値近辺での推移続く(24/9/10)

トルコリラ円の9月9日は概ね4.22円から4.16円の取引レンジ、10日早朝の終値は4.20円で先週末終値の4.22円からは0.02円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円の乱調さを見ながらの騰落、最安値近辺での推移続く(24/9/10)

トルコリラ円見通し ドル円の乱調さを見ながらの騰落、最安値近辺での推移続く

〇トルコリラ円、9/9はドル円が朝に下落したところで4.16を付けて、取引時間中の史上最安値と並ぶ
〇夜にかけてドル円の上昇を見て4.22へ上昇、深夜4.18まで下げたところから9/10早朝4.20へ持ち直す
〇対ドル、9/9は概ね34.08から33.72の取引レンジ、終値は1ドル34リラ台をつける
〇現状は8/28の史上最安値34.41から9/2高値33.62までのレンジ内で持ち合い
〇トルコ円は概ね1年から1年3か月周期で底打ち、現状は7/3高値起点の新たな下落サイクルに入ったか
〇4.22手前は戻り売り有利とするが、4.22超えからは4.24前後への上昇を想定する
〇4.16割れからは、4.14、4.12を順次試して行く下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の9月9日は概ね4.22円から4.16円の取引レンジ、10日早朝の終値は4.20円で先週末終値の4.22円からは0.02円の円高リラ安だった。
ドル円が9月3日から6日へ4営業日続落となり、9月6日の乱高下でドル円が下げた局面でトルコリラ円も4.17円へ下落して8月28日午前の一時的急落時に付けた取引時間中の史上最安値4.16円に迫ったものの安値更新を回避した。
9月9日はドル円が朝に下落したところで4.16円を付けて最安値と並んだものの夜にかけてドル円が上昇したのを見て4.22円へ上昇し、深夜に4.18円まで下げたところから10日早朝に4.20円へ持ち直した。(※ベンダーによっては9日朝に4.12円や4.14円を付けて史上最安値を更新しているところも見られる。)

9月6日の米雇用統計で非農業部門就業者増加数が顕著に鈍化する一方で失業率が改善してインフレ指標の平均時給伸び率も7月から上昇したため、市場の受け止め方が分かれてドル円は乱高下したが、9月5日夜から6日夜、9日夜と高値ラインは切り下がっており、トルコリラ円も同様に5日夜から6日夜、9日夜と戻り高値を切り下げている。ドル円が高値切り上げヘ進めばトルコリラ円もそれを追いかけて下落一巡により反騰期に入る可能性も考えられるが、高値切り上げヘ進めないうちは一段安懸念が残るところだ。

【ドル/トルコリラは1ドル34リラを挟んだ持ち合い続く】

ドル/トルコリラの9月9日は概ね34.08リラから33.72リラの取引レンジ、10日早朝の終値は34.04リラで先週末終値の33.95リラからは0.09リラのドル高リラ安だった。
8月28日に34.41リラへ取引時間中の最安値を大幅に更新した後は最安値更新を回避し、終値ベースでは8月30日終値34.07リラを最安値としたが、9月2日以降は安値で繰り返し安値で34リラ台を付けながら終値で34リラを下回っての推移を続け、週間では8月30日終値34.07リラから0.12リラのドル安リラ高で前週までの5週連続での史上最安値更新が途切れた。
9月9日はユーロやポンドが6日夜の乱高下時安値を割り込んで下落したためにドル高感が優勢となり、ドル/トルコリラも終値でふたたび1ドル34リラ台をつけた。
現状は8月28日の史上最安値34.41リラから9月2日高値33.62リラまでのレンジ内で持ち合いであり、史上最安値を繰り返してきた下落が一服したものの中勢としては下げ渋り程度の持ち合いに留まり、先週末から連騰したことと終値の34リラ台を回復したことで最安値更新へ挑戦しやすくなってきたのではないかと思われる。

【概ね1年から1年3か月周期の底打ちサイクルにおける底割れ】

トルコリラ円は長期的下落基調を続けて史上最安値を繰り返し更新してきたが、2018年8月13日底以降の主要な安値は55週目の2019年8月26日安値(2019年5月9日安値とのダブル底)、63週目の2020年11月6日底、60週目の2021年12月20日底、57週目の2023年1月16日底、61週目の2024年3月13日底と続けてきた。

概ね1年から1年3か月程度の周期で主要な底を付けてきたのだが、今年7月3日からの円高とドル高リラ安の継続により8月5日への急落時に3月底を割り込んで一段安に入っているため、現状は7月3日高値を起点とした新たな下落サイクルに入ったところと考えられる。
この周期における次の安値形成期は来年3月から6月あたりにかけての間と想定され、9月から11月にかけて中間的な安値を付けていったん反騰した後にもう一段安へ進んでようやく大底形成となるシナリオも描ける。
ドル円の7月3日高値を起点とした下落規模は今のところは2022年10月21日高値151.94円から2023年1月16日安値127.22円まで下げ幅24.72円とした時に近いレベルだが、当時を超える下落規模へ発展する場合には円高の長期化によりトルコリラ円の下落も長引いてゆく可能性がある。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラの概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、9月6日夕刻に5日午前安値を割り込み、6日夜の乱高下では5日夜高値に届かずに一段安したために9日午前時点では5日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとしたが、9日朝に安値を更新してから6日夜高値へ迫ったため、9日朝安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りと仮定して10日の日中から12日夜にかけての間への上昇を想定する。
ただし、6日夜高値を超えずに4.18円を割り込む場合は下落再開を警戒し、9日朝安値割れからは弱気サイクル入りとして12日朝から16日朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では9月9日夜の上昇時には先行スパンを突破しきれずに反落したため先行スパンを上抜き返せないうちは一段安余地ありとして遅行スパン悪化中の安値試し優先とするが、先行スパンを上抜き返すところからは上昇継続とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は9月5日夜から7日朝への下落時に指数のボトムが切り上がる強気逆行を見せていったん60ポイントまで戻しているので、40ポイントを上回るうちは上昇余地ありとして60ポイント台後半への上昇を想定するが、40ポイント割れからは下落再開とみて20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.16円を下値支持線、4.22円を上値抵抗線とする。
(2)4.22円手前は戻り売り有利とするが、4.22円超えからは4.24円前後への上昇を想定する。4.24円以上は反落注意とするが、4.22円を上回っての推移なら11日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.16円割れからは4.14円、4.12円を順次試して行く下落を想定する。4.14円以下は買い戻しも入りやすいとみるが、4.18円以下での推移が続く内は10日も安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な予定】

9月10日
 16:00 7月 鉱工業生産 前月比 (6月 -2.1%)
 16:00 7月 鉱工業生産 前年同月比 (6月 -4.7%)
 16:00 7月 失業率 (6月 9.2%)
9月11日
 16:00 7月 小売売上高 前月比 (6月 1.7%)
 16:00 7月 小売売上高 前年同月比 (6月 8.6%)
9月12日
 16:00 7月 経常収支 (6月 +4.1億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 9月6日時点 グロス (8月30日時点 893.3億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 9月6日時点 ネット (8月30日時点 408.9億ドル)
9月13日
 16:00 9月 トルコ中銀ビジネスサーベイ(年末CPI、ドル/トルコリラ予想集計)
9月16日
 17:00 8月 財政収支 (7月 967.8億リラ)
9月19日
 20:00 トルコ中銀 政策金利・週間レポレート (現行 50.0%、予想 50.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 9月13日時点



注:ポイント要約は編集部

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