トルコリラ円見通し ドル円の反騰で戻したが、ドル/トルコリラは終値ベースの最安値を連日更新(24/8/30)

トルコリラ円の8月29日は概ね4.27円から4.22円の取引レンジ、30日早朝の終値は4.25円で前日終値の4.23円から0.02円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の反騰で戻したが、ドル/トルコリラは終値ベースの最安値を連日更新(24/8/30)

ドル円の反騰で戻したが、ドル/トルコリラは終値ベースの最安値を連日更新

〇トルコ円、ドル円が米GDP上方修正によるドル高で上昇したことに押し上げられ、8/29夜4.27まで戻す
〇8/30はトルコ休場、9/2は米国休場となるため、8/30夜は大きく動きやすいか
〇対ドル、8/29は概ね34.27から33.76の取引レンジ、取引時間中の最安値更新には至らず
〇終値ベースでは連日の最安値更新
〇昨日発表の8月経済信頼感指数は悪化、外貨準備高は減少したものの外貨準備高増強姿勢は継続中か
〇4.23を上回るうちは上昇余地ありとし、4.27超えからは4.28、4.29を順次試す上昇を想定する
〇4.23割れからは下向きとし、4.21割れからは下落期入りとして4.18前後への低下を想定する

【概況】

トルコリラ円の8月29日は概ね4.27円から4.22円の取引レンジ、30日早朝の終値は4.25円で前日終値の4.23円から0.02円の円安リラ高だった。
8月28日にドル/トルコリラが取引時間中の最安値を大幅に更新したところで4.16円(ベンダーによっては4.18円や4.05円等の極端な安値も見られた)を付けて取引時間中の最安値を更新してから持ち直し、29日はドル/トルコリラが取引時間中の最安値更新に至らなかったものの終値ベースで最安値を更新する中、ドル円が米GDP上方修正によるドル高で上昇したことに押し上げられて夜に4.27円まで戻した。

ドル円は30日早朝に144.73円へ反落してから145円を挟んだ揉み合いで推移しており、8月26日安値143.45円以降の高値を更新してやや右肩上がりの展開だが、米国の9月利下げ開始見通しと日銀の追加利上げ模索姿勢により米GDP上方修正に対する反応も慎重だった。
今夜はFRBがインフレ指標として最重視する米7月PCE(個人消費支出)デフレーターの発表があり内容次第では一段高もありえるもののインフレ鈍化が顕著となり他の米経済指標が弱い場合は8月26日以降の戻り一巡による下落再開となる可能性もあると注意したい。
トルコリラ円はドル円の騰落を追いかけつつ、ドル高リラ安が徐々に勢いを増して1ドル34リラ台に突入してからも最安値更新を繰り返していることでドル円の反騰に対する反応が鈍りやすく、ドル円が下落再開に入りドル高リラ安が加速する場合は下げが厳しくなることもあり得るところだ。
8月30日はトルコが戦勝記念日で休場、9月2日は米国がレーバーデーで休場となるため30日夜は大きく動きやすいと注意する。

【ドル/トルコリラは終値の史上最安値を連日更新】

ドル/トルコリラの8月29日は概ね34.27リラから33.76リラの取引レンジ、30日早朝の終値は34.07リラで前日終値の34.03リラから0.03リラのドル高リラ安だった。
8月23日に34.01リラを付けて初めて1ドル34リラ台に到達して8月28日には34.41リラへ取引時間中の史上最安値を更新し、29日は安値更新に至らなかったものの終値ベースでは8月27日終値を34.00リラとしてから連日の最安値更新としている。

8月29日夕刻発表のトルコ8月経済信頼感指数は93.1となり7月の94.4から悪化した。今年3月の100.0をピークとして5か月連続低下で2023年5月の103.8以降の最低で2020年8月以来の低水準となった。8月26日発表の製造業信頼感指数や設備稼働率の悪化など実体経済面では指標の弱さが目立っている。
来週の9月2日に4-6月期GDPの発表があるが、前年同期比は1-3月の5.7%から3.2%へ鈍化するとみられており、予想レンジは1.6%から4.2%と幅広いものの総じて鈍化するとされている。
8月29日夜にトルコ中銀が発表した週次の外貨準備高は8月23日時点のグロスで907.2億ドルとなり8月16日時点の941.5億ドルから減少し、ネットでは436.9億ドルとなり8月16日時点の477.8億ドルから減少した。増減を繰り返しつつも中銀による外貨準備高増強姿勢は継続していると思われる。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、8月26日午前と28日午前に一時的な急落で4.16円を付けてから戻して8月29日夜へ高値を切り上げているため、28日午前安値を起点とした強気サイクルとして30日の日中から9月3日への上昇余地ありとするが、今夜の米経済指標から円高となる場合は戻り一巡による下落期に入りかねないため4.23円割れからは下向きとし、4.21円割れからは弱気サイクル入りとして9月2日午前から4日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では8月29日夜への上昇で遅行スパンの好転と先行スパンを上回る状況が概ね維持されているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、先行スパンへ潜り込むところを弱気転換注意とし、先行スパンから転落する場合は下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は8月29日夜に60ポイント台へ上昇してから50ポイント近辺へ低下しているので、60ポイント台回復からは70ポイントへ迫る上昇を想定するが、45ポイント割れからは下落期入りとみて30ポイント前後への低下を想定し、下げ足が速まる場合は20ポイント台前半へ低下する可能性もあるとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.23円を下値支持線、4.27円を上値抵抗線とする。
(2)4.23円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.27円超えからは4.28円、4.29円を順次試す上昇を想定する。4.28円以上は反落注意とするが、4.23円を上回っての推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.23円割れからは下向きとし、4.21円割れからは下落期入りとして4.18円前後への低下を想定する。4.18円前後は買われやすいとみるが、下げ足が速まる場合は4.16円前後へ下値目途を引き下げ、4.21円を割り込んでの推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

9月2日
 16:00 4-6月 GDP 前期比 (1-3月 2.4%)
 16:00 4-6月 GDP 前年同期比 (1-3月 5.7%、予想 3.2% 予想レンジ 1.6%〜4.2%)
 16:00 8月 イスタンブール製造業PMI (7月 47.2)
9月3日
 16:00 8月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (7月 3.23%)
 16:00 8月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (7月 61.78%)
 16:00 8月 コアCPI(食品エネルギー等除く) 前月比 (7月 2.4%)
 16:00 8月 コアCPI(食品エネルギー等除く) 前年同月比 (7月 60.2%)
 16:00 8月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (7月 1.94%)
 16:00 8月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (7月 41.37%)
9月5日
 20:30 週次 外貨準備高 8月30日時点 グロス (8月23日時点 907.2億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8月30日時点 ネット (8月23日時点 436.9億ドル)



注:ポイント要約は編集部

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