トルコリラ円見通し ドル円の上昇で反発するも対ドルでのリラ安基調続き上値重い(24/8/8)

トルコリラ円の8月7日は概ね4.41円から4.28円の取引レンジ、8日早朝の終値は4.38円で前日終値の4.29円から0.09円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の上昇で反発するも対ドルでのリラ安基調続き上値重い(24/8/8)

ドル円の上昇で反発するも対ドルでのリラ安基調続き上値重い

〇昨日のトルコ円、ドル円が147.88まで戻した局面で4.41まで高値を伸ばす
〇その後上値重く、8/8午前はドル円下落とともに4.32まで反落するなど、戻り一巡感も
〇対ドル、8/7は概ね33.70から33.29の取引レンジ
〇史上最安値更新一服だがリラ安基調は変わらず
〇金融市場全般がすっかり落ち着くまでは新興国通貨等への売り圧力も続きやすいか
〇4.32を上回るうちは上昇余地ありとし、4.38超えからは4.41試しとする
〇4.32割れからは4.30、4.27を順次試す下落を想定

【概況】

トルコリラ円の8月7日は概ね4.41円から4.28円の取引レンジ、8日早朝の終値は4.38円で前日終値の4.29円から0.09円の円安リラ高だった。
ドル円が世界連鎖株安により8月5日安値141.69円へ下落して7月3日高値161.94円からの下げ幅が20円を超える下落規模となる中、トルコリラ円も7月3日安値4.99円から大幅下落に入り、7月23日から8月5日まで10営業日続落して8月5日に4.24円を付けて史上最安値を更新したが、8月6日は世界連鎖株安がひとまず落ち着いてドル円が反発したことでトルコリラ円も6日午後に4.39円まで戻し、7日は日銀の内田総裁が金融市場混乱期は追加利上げせずと述べたことでドル円が午後高値147.88円まで戻した局面でトルコリラ円も4.41円まで高値を伸ばした。しかしその後はドル円もトルコリラ円も上値が重くなり、8日午前にドル円が145円台へ下落するとトルコリラ円も4.32円まで反落するなど戻り一巡感も出ている。

日経平均は8月5日に1987年10月のブラックマンデーを超える過去最大の下げ幅となる前日比4451.28円安と急落し、6日に3217.04円高、7日に414.16円高と連騰で戻したものの8日午前序盤に700円安を超える反落となり、世界連鎖株安の継続不安は残っている。8月7日に内田副総裁が当面の追加利上げを否定したものの米国の9月0.50%利上げ見込み等によりドル円の下落基調が続く可能性も警戒される。
トルコリラ円としてはドル高リラ安基調が年末にかけて継続する可能性を踏まえつつドル円の波乱に注意する局面と思われるが、4.30円を割り込む場合は8月5日からの戻り一巡による下落再開も懸念される。

【対ドルでの史上最安値更新一服だがリラ安基調は変わらず】

ドル/トルコリラの8月7日は概ね33.70リラから33.29リラの取引レンジ、8日早朝の終値は33.43リラで前日終値の33.57リラから0.14リラのドル安リラ高だった。
7月23日高値32.57リラから下落に転じて8月2日に取引時間中の史上最安値を33.33リラへ更新して終値33.17リラで終値ベースの史上最安値も更新し、8月5日から6日へ3営業日連続の下落で6日には取引時間中の最安値を33.77リラへ更新し、終値33.57リラで終値ベースでも3日連続の最安値更新となった。
8月6日へのリラ安は8月2日から5日にかけての世界連鎖株安によるリスク回避的なリラ売りの影響も大きかったが、7日は世界連鎖株安の一服感からイスタンブール100株価指数も前日比1.45%高と上昇して4日ぶりの反発となったことでリラ売りがやや落ち着いたようだ。しかし8月7日のNYダウは一時500ドル近い上昇から前日比234.21ドル安へ反落して終了しており世界連鎖株安の継続不安も残る状況であり、金融市場全般がすっかり落ち着くまでは新興国通貨等への売り圧力も続きやすいと思われる。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、8月5日夜安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとして6日の日中から8日夜にかけての間への上昇を想定し、乱高下が続く可能性もあるので4.30円割れからは弱気サイクル入りの可能性ありとしていたが、8月6日夜へ高値を伸ばしてから4.30円をいったん割り込んだために7日午前時点では6日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとし、強気転換は6日夜高値超えからとした。
7日午後に6日夜高値を上抜き返したため、5日夜安値を起点とした強気サイクルの継続と改めるが、8日午前に失速しているためすでにサイクルトップを付けた可能性があると注意し、4.32円割れからは弱気サイクル入りとして8日夜から12日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では8月7日午後への上昇で遅行スパンが好転したものの8日午前序盤への下落で再び悪化しつつあるため、先行スパンからの転落を回避しているのでまだ上昇余地ありとするが、先行スパンから転落する場合は下落期入りとして遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は8月7日午後に70ポイント近辺へ上昇したものの8日午前序盤に50ポイントを割り込んでいるため、55ポイント超えからは上昇再開とするが、戻り一巡から下落期に入っている可能性があると注意して40ポイント割れからは下落継続とみて20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.32円を下値支持線、4.38円を上値抵抗線とする。
(2)4.32円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.38円超えからは4.41円試しとするが、4.40円以上は反落注意としてその後に4.35円を割り込むところからは下落期入りを疑う。
(3)4.32円割れからは4.30円、4.27円を順次試す下落を想定する。4.27円以下は反発注意とするが、4.32円以下での推移なら9日も安値試しへ向かいやすいとみる。下げ足が速まる場合は4.25円前後へ下値目途を引き下げる。

【当面の主な予定】

8月8日
 16:00 4-6月期インフレ見通し
 20:30 週次 外貨準備高 8月2日時点 グロス (7月26日時点 919.1億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8月2日時点 ネット (7月26日時点 475.9億ドル)
8月9日
 16:00 6月 鉱工業生産 前月比 (5月 1.7%)
 16:00 6月 鉱工業生産 前年同月比 (5月 -0.1%)


8月12日
 16:00 6月 失業率 (5月 8.4%)
 16:00 6月 小売売上高 前月比 (5月 -0.2%)
 16:00 6月 小売売上高 前年同月比 (5月 5.8%)
8月13日
 16:00 6月 経常収支 (5月 -12.4億ドル)


注:ポイント要約は編集部

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