200日線下回り8円割り込む、一段安警戒で反発狙いにくい状況
【先週の南アフリカ・ランド】
先週のランドは、円が主要通貨に対して全面高となったことから下落基調を強め、4月19日以来となる8円割れとなった。
7月31日に日本銀行が開催していた金融政策決定会合にて、国債買い入れ額の減額スケジュールと利上げ実施を発表した。事前に伝わっていた内容だったものの、その後の記者会見で植田日銀総裁からタカ派な発言が出たことで、日米金利差縮小が強く意識されて投機筋による円売りポジションの解消は加速。円は全面高の展開となり、ドル・円は146円台、ユーロ・円は159円台と6月もしくは7月ピーク時よりも1割円高が進んだ。ランドもこの流れを受けて、4月19日以来の8円台割れとなった。
外部環境に翻弄される地合いを迎え、7月29日以降、5日連続で陰線を残しており短期的なトレンドは非常に弱い。8月2日は大陰線を残し200日移動平均線を割り込むなど、円買いランド売りの強い地合いとなった。
ランド・円(東京時間:7月29日―8月2日)
※Investing.comの日足を参照
始値:8.3933円
高値:8.4656円
安値:7.9869円
終値:8.0162円
【先週と今週の重要指標】
※時間は東京時間
7月29日
15時00分、6月マネーサプライ、前回:4.72%、結果:4.19%
7月31日
21時00分、6月貿易収支、前回:201億ランド、市場予想:190億ランド、結果:242億ランド
8月8日
20時00分、6月製造業生産高(前月比)、前回:−3.2%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、目立った売買材料が予定されていないこともあり、引き続き世界的なリスク回避の流れに右往左往する地合いとなりそうだ。7月25日の長い下影をきっかけに反発期待も高まったが、需給面の悪化でランド反発は難しい状況を迎えている。
米景気減速懸念の高まりから米国金利が低下しており、ドル売り圧力が強まっているほか、日本株の急落で投機筋の円売りポジション解消のほか、リスク回避の円買いなども入るなど、為替市場、株式市場は波乱が続いている。ランドなど新興国通貨は、市場の落着きを確認する必要があり動きにくい。落ちるナイフをつかみにいく投資家も限定的な様子。
テクニカルでは、下値支持線として期待された200日移動平均線を割り込んでおり、下値模索の地合い。長い下影を残すなどきっかけがない限り、短期的な反発を狙うのは難しい。週足の一目均衡表では、雲上限が7.83円水準で推移していることから一段安を警戒したい。
週明け、早い段階で200日移動平均線を回復すれば、日足の一目均衡表の雲下限を意識したリバウンド相場となりそうだが、ドルや円など外部環境次第に左右される地合いのため、今時点では動けない状況か。
南アフリカランド円日足
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