米FOMC後に乱高下するも方向感を見出せず。市場の焦点は週末の日銀会合にシフト
〇ドル円、米FOMCにて50bpの大幅利下げが決定されると一時140.45まで急落
〇売り一巡後は、反転し、高値142.72まで急反発
〇金利相場見通しでの先行き金利見通しの下方修正幅が予想に届かず、ハト派との受け止め後退
〇ユーロドル、1.11台是方向感に欠ける動き
〇市場の焦点は本日から明日にかけて開催される日銀金融政策決定会合にシフト
〇政策金利は据え置かれる見込みながら、年内追加利上げに向けた地ならしの可能性
〇イベントを通過するまでは、警戒感からドル円の上値が重たくなるか
〇本日の予想レンジ:141.00ー143.00
海外時間のレビュー
18日(水)のドル円相場は下落後に急反発。アジア時間・欧州時間は141.00ー142.00を中心としたレンジ相場が継続するも、(1)注目された米FOMC(米連邦公開市場委員会)にて50bpの大幅利下げが決定されると、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(3)ロング勢による強制ロスカットが重石となり、米国時間午後にかけて、安値140.45まで急落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)今回の決定が全回一致では無かったこと(ボウマンFRB理事が25bpの利下げを主張→理事による政策決定への反対は2005年以来のレアケース)や、(5)ドットチャートの下方修正幅が市場参加者の織り込み水準に到達しなかったこと(2024年末の中央値は4.40%と市場織り込みの4.00ー4.25%に届かず。2025年末の中央値は3.40%と市場織り込みの2.75ー3.00%に届かず)、
(6)パウエルFRB議長による「FRBが急いでいることを示唆する予測は何もない」「50bpの利下げ幅を新たなペースと見なすべきではない」との慎重な発言、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(8)短期筋のショートカバーが支援材料となり、日本時間早朝5時前に、一転して高値となる142.72まで反発しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/19午前6時00分現在)では、142.30前後で推移しております。
18日(水)のユーロドル相場は上下しつつも方向感を見出せず。アジア時間・欧州時間共に狭いレンジ内での小動きが継続するも、(1)米FOMCにて50bpの大幅利下げが決定されると、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力が支えとなり、米国時間午後にかけて、約3週間ぶり高値となる1.1189(8/27以来)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)パウエルFRB議長による「FRBが急いでいることを示唆する予測は何もない」「0.50%の利下げを新たなペースと見なすべきではない」との慎重な発言や、(4)上記3を背景とした米長期金利の急上昇、(5)短期筋のショートカバーが重石となり、一転して安値1.1097まで反落する荒々しい値動きとなりました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/19午前6時00分現在)では、1.1120前後で推移しております。尚、昨日発表されたユーロ圏8月HICPコア改定値(結果+2.8%、予想+2.8%)は市場予想通りの結果となりました。
本日の見通し
ドル円は米FOMC後に乱高下するも、結局方向感を見出すには至りませんでした。50bpの大幅利下げを決定する一方、ドットチャートやパウエルFRB議長コメントでやや慎重さ(市場参加者の前のめりな姿勢を牽制)を残したことが背景と考えらます。また、量的引き締め終了に関するメッセージが打ち出されなかったことも、ドル売りの流れを躊躇させる一因となりました。こうした中、市場の焦点は本日から明日にかけて開催される日銀金融政策決定会合にシフトしつつあります。同会合では政策金利の据え置きが見込まれているものの、直近で植田日銀総裁・高田日銀審議委員・中川日銀審議委員・田村日銀審議委員が相次いでタカ派的なスタンスを見せているため、外国人投資家を中心に日銀金融政策決定会合に対する注目度が高まっています(植田日銀総裁が記者会見で年内追加利上げに向けた地均しを行うのではないかとの思惑あり)。
従って、同イベントを通過するまでは、警戒感からドル円の上値が重たくなりそうです。尚、本日は米9月フィラデルフィア連銀景況指数や、米新規失業保険申請件数、米8月景気先行指数、米8月中古住宅販売件数などに注目が集まります。
本日の予想レンジ:141.00ー143.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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