FOMC(7月開催)のポイント:「無風通過の公算大、発表前後でドル・インデックスは動意無しと想定」(7/29)

今回のFOMCは無風での通過となる公算が大きい。

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FOMC(7月開催)のポイント:「無風通過の公算大、発表前後でドル・インデックスは動意無しと想定」(7/29)

無風通過の公算大、発表前後でドル・インデックスは動意無しと想定

【今回のポイント】

〇 政策金利は8会合連続で据え置き
〇 利下げ実施のタイミングはデータ次第
〇 ほぼ無風での通過の見込み

【市場コンセンサスは何?】

米連邦準備制度理事会(FRB)による米連邦公開市場委員会(FOMC)が、7月30日‐31日に開催され、東京時間8月1日未明に結果が伝わる。東京時間7月28日17時時点のFOMCコンセンサスは下記の通りである。


・8回合連続で政策金利5.25%(下限)−5.50%(上限)据え置き
・利下げ実施のタイミングはデータ次第

【何がサプライズになる?】

市場は、同日に開催される日銀金融政策決定会合での利上げ実施の有無に関心が向かっており、今回のFOMCは無風での通過となる公算が大きい。為替市場では、投機筋の円売りポジションが減少しており、円全面安の地合いは転換を迎えた様子。日米中銀会合を前にポジション調整が進んだことで、結果発表後も静かな為替市場となりそうだ。

なお、トランプ前大統領とハリス副大統領による米大統領選挙戦(ハリス氏は8月1日に民主党大統領候補指名を受ける予定)は混迷を極めているが、利下げ実施のタイミングには影響しないだろう。トランプ前大統領が、大統領選挙前に利下げを実施しないようにプレッシャーをかけているが、FRBはこの発言をさほど重要視しないと考える。

【では、ドルはどう動く?】

今回は、数時間前に発表される日銀会合の結果と植田日銀総裁の記者会見次第となりそうだが、FOMC単体ではノーサプライズの無風通過を想定する。つまり日銀会合の結果で、円は上下に動きく可能性はあるが、FOMC声明及びパウエルFRB議長は「9月利下げはデータ次第」とこれまで通りのスタンスを崩さないことで、ドルは凪相場となろう。

今週末の8月2日には、7月の雇用統計発表を控えていることから、FOMC直前に発表される7月のADP雇用者数の方が影響を与えるかもしれない。それだけ今回のFOMCは無風通過が見込まれているということだ。ドル・円は直前の日銀会合で動く可能性はあるが、ドル・インデックスはFOMC発表前後でほぼ横ばいとなろう。

【最近のFOMC関係者の発言は?】

7月上旬から直近にかけてのFOMC関係者の発言を拾ってみた。基本的には、これまでの発言でも多き見られた通り、利下げは「データ次第」と捉える関係者が多い。

※ブラックアウト期間とは、主に中央銀行会合の前々週の土曜日から開始される。例えば FOMCが火曜日と水曜日に開催される場合は、会合翌日の木曜日まで計13日間続くこととなる 。


7月26日、イエレン米財務長官
「我々は市場が決定する為替レートを信じる」
「時間の経過とともにファンダメンタルズは為替レートに反映される」
「(金利によるドル高について)それが仕組みだ」

7月19日、ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁
「中央銀行はインフレ抑制の使命を担うべき」
「FRBは2%のインフレ目標達成に引き続き注力している」
「物価安定は金融安定の鍵」

7月19日、トランプ前米大統領
「インフレ危機を終わらせ、金利を引き下げる」
「エネルギーコストを引き下げる計画」
「攻撃にもかかわらず、我々はこれまで以上に団結を強めている」
「物価を押し下げ、再び購入できる価格にする」

7月17日、バーキン・リッチモンド連銀総裁
「消費者支出が依然として堅調であることは注目に値する」
「企業は従業員の解雇に消極的であり、一部の業界では依然として労働力が不足している」
「前四半期のインフレ率は低下した」

7月17日、ウォラーFRB理事
「データが不均衡な場合、近い将来の利下げはより不確実」
「シナリオではそう遠くない将来に利下げが行われる可能性がある」
「6月のCPIデータは2カ月連続で非常に良いニュースとなった」
「今後2カ月、データを注視する」
「最近のデータで2%の物価目標達成にさらに自信が持つことができた」
「利下げが正当化される時期に近づいている」
「情報にはもう少し証拠が必要。進展は続いている」

7月17日、トランプ前米大統領
「パウエルFRB議長を解任する予定はない」
「トランプノミクスは低金利と関税」
「FRBは11月の選挙前に金利を引き下げるべきではない」

7月17日、クーグラーFRB理事
「状況が好転すれば、今年後半に緩和するのが適切」
「インフレ上昇リスクと雇用下降リスクはより均衡している」
「労働市場が冷え込みすぎれば、早めに金利を引き下げるのが適切」
「金利をもう少し据え置くのが適切かもしれない」
「インフレ率は今年初めにいくつかの波があったにもかかわらず、引き続き低下傾向にある」
「労働市場の継続的な再調整は、インフレが2%の目標に向かって動き続けることを示唆している」

7月16日、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁
「金利の決定を行う前に、より多くの情報が必要」
「インフレ率を2%にするという持続可能なペースに近づいているという自信が高まっている」
「米国経済は減速している」
「インフレは低下しているが、まだそこ(政策変更)までには至っていない」
「目標達成の日は近づいている」

7月16日
パウエルFRB議長
「ここ数年の米国経済は目覚ましく好調だった」
「過去3回のインフレ指標は信頼感を高める」
「第2四半期のインフレ率はさらに改善」
「労働市場はますます均衡が取れている」

7月12日、グールズビー・シカゴ連銀総裁
「最近のインフレ指標は順調に低下している」

7月12日、ムサレム・セントルイス連銀総裁
「米労働市場は力強い」
「金融政策は制限的だが、過剰に制限的というわけではない」

7月12日、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁
「何らかの政策調整が正当化されるだろう」
「経済は今年1-2回の利下げが適切な軌道に乗っているようだ」

7月11日、クックFRB理事
「失業率の状況が急変すれば対応策を取る」
「失業率の動向に非常に注意を払っている」
「政策は2%のインフレ目標に向けて良い位置にある」

7月10日、パウエルFRB議長
「完全雇用の実現には物価の安定が不可欠」

7月9日、パウエルFRB議長
「労働市場は完全にバランスを取り戻したようだ」
「次の動きが利上げとなる可能性は低い」
「我々が直面するリスクはインフレの上昇だけではない」
「より良いデータが増えればインフレに対する確信が強まるだろう」
「労働市場は強いが過熱してはいない」
「インフレが持続的に2%に向かうという確信をさらに高めるまでは利下げは適切ではない」
「1-3月期のデータはより高い信頼性を裏付けるものではなかった」

【2024年スケジュール】

※米国は現地時間を記載しているので、金利発表及び記者会見は日本時間翌日未明

日銀金融政策決定会合(日銀会合)
1月22日−23日(経済・物価情勢の展望)・・・現状の金融政策を維持
3月18日−19日・・・マイナス金利の解除、YCC終了、ETF等の買い入れ終了
4月25日−26日(経済・物価情勢の展望)・・・現状の金融政策を維持、展望レポート見通し引き上げ、記者会見後は円全面安の展開
6月13日−14日・・・国債買い入れ額を引き下げる方針を決定、詳細は7月に公表
7月30日−31日(経済・物価情勢の展望)
9月19日−20日
10月30日−31日(経済・物価情勢の展望)
12月18日−19日

米連邦公開市場委員会(FOMC)
1月30日−31日・・・4会合連続で金利据え置き
3月19日−20日・・・5会合連続で金利据え置き、パウエルFRB議長は、年内利下げの可能性を再表明
4月30日−5月1日・・・6会合連続で金利据え置き、パウエルFRB議長はややハト派な発言
6月11日−12日・・・7会合連続で金利据え置き、24年利下げ回数は3回から1回に修正
☆7月30日−31日・・・8会合連続で金利据え置き見通し
9月17日−18日
11月 6日− 7日
12月17日−18日

欧州中央銀行理事会(ECB理事会)
1月25日・・・現状の金融政策を維持、利下げの議論は時期尚早
3月 7日・・・現状の金融政策を維持、6月利下げ開始を示唆する発言
4月11日・・・現状の金融政策を維持、大きなサプライズが無い限り6月利下げ開始か
6月 6日・・・想定通り政策金利を0.25%引き下げ、追加利下げは明言せず
7月18日・・・現状の金融政策を維持、追加利下げは明言せず
9月12日
10月17日
12月12日

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