円急騰で100日線まで下落、短期リバウンド優勢か
【先週の南アフリカ・ランド】
先週のランドは、6月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)がほぼ市場予想通りだったなか、投機筋の円売りポジションの巻き戻しが強まったことに伴う円買い加速で、一カ月半ぶりの水準まで下落した。
24日に発表された6月CPIは前月比0.1%増と前回(同0.2%増)を下回る市場予想通りの結果となった。前年比も5.1%増と前回(同5.2%増)を下回り市場予想通りの結果。25日の6月PPIは前月比0.3%減と前回(同0.1%)を下回ったが市場予想通りの着地。前年比は4.6%増と市場予想(同4.5%)を上回ったが前回と同じ水準だったことで、ランドへの影響は限定的となった。
一方、7月末の日銀金融政策決定会合での利上げ実施観測が強まったことから、日米金利差縮小への思惑で投機筋が円売りポジションを一気に解消。円が主要通貨に対して全面高となったことからランドも急落する展開となった。25日には連立政権樹立前で先行き不透明感が高まっていた6月7日以来の8.2円台まで下落する場面が見られた。
ランド・円(東京時間:7月22日―7月26日)※Investing.comの日足を参照
始値:8.6096円
高値:8.6495円
安値:8.2085円
終値:8.4101円
【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間
7月24日
17時00分、6月消費者物価指数(前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.1%、結果:0.1%
17時00分、6月消費者物価指数(前年比)、前回:5.2%、市場予想:5.1%、結果:5.1%
7月25日
18時30分、6月生産者物価指数(前月比)、前回:0.1%、市場予想:−0.3%、結果:−0.3%
18時30分、6月生産者物価指数(前年比)、前回:4.6%、市場予想:4.5%、結果:4.6%
7月29日
15時00分、6月マネーサプライ、前回:4.72%
7月31日
21時00分、6月貿易収支、前回:201億ランド、市場予想:228億ランド
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、6月マネーサプライや貿易収支を横目に見つつ、25日に長い下影を残したことからいったんは反発の地合いが強まると想定する。
26日にCFTCが公表した23日時点の投機筋の円売りポジションは、差し引き10.7万枚と16日時点の15.1万枚比では4.4万枚減少した。4月30日から5月7日の3.4万枚減少を超える今年最大のポジション減少幅となった。24日から25日の円急騰を考慮すると、現時点での円売りポジションは7−8万枚まで減少しているだろう。
推測通りであれば、今年1−2月水準まで投資筋の円売りポジションは減少していることから、ランド一段安は回避されると想定。需給面を材料にランドは反発の地合いを強めると考える。
テクニカルでは、100日移動平均線水準まで値を戻しているほか、日足の一目均衡表の雲下限で推移していることから、これらの水準が目先の下値支持として意識されよう。いったんは雲上限が位置する8.6円水準をターゲットとしたリバウンド相場に期待したい。ただ、今週は30−31日日銀会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることから、ドルや円など外部環境には引き続き警戒。
南アフリカランド円日足
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