豪ドルWeekly 100円を割り込む急落、国内経済指標をきっかけにリバウンドか(24/7/26)

オーストラリア経済情勢よりも外部環境に大きく影響される週となり、豪ドルが一時100円を割り込むなど急落する展開となった。

豪ドルWeekly 100円を割り込む急落、国内経済指標をきっかけにリバウンドか(24/7/26)

100円を割り込む急落、国内経済指標をきっかけにリバウンドか

【今週の豪ドル】

今週は、目立った経済指標の発表がなかったことで、オーストラリア経済情勢よりも外部環境に大きく影響される週となり、豪ドルが一時100円を割り込むなど急落する展開となった。

7月11日の米6月消費者物価指数発表以降、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ実施観測が強まった一方、日本当局は11日と12日に連続で円買い米ドル売り介入を実施したもよう。円買いのトレンドが強まっていたなか、日本の与党政治家から相次いで「早期の金融政策正常化を実施すべき」といった発言があったことから、7月30−31日開催の日銀金融政策決定会合での利上げ実施への思惑が徐々に強まった。

日本の長期金利の指標となる10年物国債利回りは1.10%と足元の高値水準まで上昇したことで、日米金利差縮小が意識されて、投機筋の円売りポジション解消が加速。日米株の急落も影響し、円は主要通貨に対して全面高の展開に。25日、豪ドルは一時100円を割り込むきつい下げとなった。

豪ドル・円(東京時間:7月22日―7月26日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照

始値: 105円41銭
高値: 105円41銭
安値: 99円22銭
終値: 100円77銭 

【来週の重要指標】

※時間は東京時間

7月30日
10時30分、6月住宅建設許可(前月比)、前回:5.5%
7月31日
10時30分、6月小売売上高(前月比)、前回:0.6%
10時30分、第2四半期小売売上高(前期比)、前回:−0.4%
10時30分、6月消費者物価指数(前年比)、前回:4.0%
10時30分、第2四半期消費者物価指数(前期比)、前回:1.0%
10時30分、第2四半期消費者物価指数(前年比)、前回:3.6%
8月1日
10時30分、6月貿易収支、前回:57.73億豪ドル
8月2日
10時30分、第2四半期生産者物価指数(前期比)、前回:0.9%
10時30分、第2四半期生産者物価指数(前年比)、前回:4.3%

※予定は変更することがございます。

【今週末から来週の見通し】

今週末から来週の豪ドルは、11日以降の急落に対する短期的な反発が入りそうな状況だ。11日から5日連続陰線、1日陽線、5日連続陰線とめったに見られないチャート形状となっており、11日高値109円71銭からの下落幅は10円49銭。月間チャートでも2020年3月のコロナショック以来の上下の値幅(高値71円53銭、安値59円87銭)となりそうだ。

今週は猛烈な円全面高の展開に押されたが、来週は6月の小売売上高、消費者物価指数(CPI)、第2四半期の小売売上高、CPI、生産者物価指数(PPI)と重要な経済指標発表が相次ぐことから、オーストラリア経済への評価が豪ドルの売買材料となろう。経済指標の結果次第ではあるが、外部環境のみにスポットが当たった今週より落ち着く可能性はある。

利上げを検討するオーストラリア準備銀行(RBA、豪中銀)と、利下げ実施に動いた欧州中央銀行(ECB)、利下げに動く米連邦準備制度理事会(FRB)と明確な金融政策の違いが再確認されるような良好な経済指標となれば、豪ドル反発のきっかっけとなるだろう。一方、中国経済情勢を横目に見る必要もあることで中国経済指標発表は確認しておきたい。

日足の一目均衡表では、雲下限を明確に下回っているほか、遅行スパンも実線を下回っておりトレンドは悪化したと考える。50日移動平均線が下向きに変化したほか、100日移動平均線も下回ったことから、中期的な円安豪ドル高トレンドは終了と考えるしかない状況だ。そのため、一気に下落幅を取り戻すような強い反発は難しいだろう。短期的な急落に対する反発が入った場合、雲下限や100日移動平均線が戻りのメドとして意識されると考える。

100円を割り込む急落、国内経済指標をきっかけにリバウンドか

豪ドル円日足

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