4.70円割れからやや持ち直したがドル円の右肩下がりの展開に付き合う流れか
〇トルコリラ円、7/22午後にドル円が一時急落した場面で4.73まで反落
〇その後にドル円が戻した流れで、7/23未明に4.78まで戻り高値を切り上げる
〇対ドル、7/22は概ね33.10から32.65の取引レンジ、上値の重い展開
〇本日トルコ中銀政策金利発表、据え置き予想だが、利下げのタイミングを探る姿勢を示すか注目される
〇トルコ中銀の月次調査、年末レート予想は1ドル37.3667リラ
〇4.74を上回るうちは一段高余地ありとし、4.78超えからは4.79、4.80を順次試す上昇を想定する
〇4.74割れからは下向きとし、4.73割れからは4.71前後への下落を想定する
【概況】
トルコリラ円の7月22日は概ね4.78円から4.73円の取引レンジ、23日早朝の終値は4.75円で先週末終値の4.77円からは0.02円の円高リラ安だった。
7月11日と12日の市場介入を挟んでドル円が大幅下落したためにトルコリラ円も7月3日高値4.98円から7月18日午前安値4.68円まで大幅下落したが、ドル円が持ち直しに入ったことで20日未明に4.77円へ戻し、22日午後にドル円が一時急落した場面で4.73円まで反落したもののその後にドル円が戻した流れで23日未明に4.78円まで戻り高値を切り上げた。
ドル円は7月3日高値161.94円と7月11日未明高値161.80円をダブルトップとし、7月11日夜と12日夜の市場介入による急落と日米要人の円安けん制及びドル高けん制発言をきっかけとして7月18日午前安値155.37円まで大幅続落した。7月18日午後に157.86円まで戻したものの7月12日以降の戻り高値切り下がり基調の範囲に留まり、22日午後の反落からいったん戻したものの23日午前に再び失速気味となり上値の重い展開が続いている。このためトルコリラ円としてはドル円が急落後に戻すところに合わせて上昇しても、ドル円と共に戻り一巡から一段安を繰り返す展開を続けやすいと思われる。
今夜はトルコ中銀の政策金利発表があるが据え置き予想のため中銀声明でサプライズがなければ大きく動きづらいと思われる。今週後半は7月25日の米GDP速報、26日の6月米PCEデフレーターが焦点となるが、それらを通過してドル円と共に一段安へ向かうか、いったん反騰期に入るのか試される。
【対ドルでのリラ安一服】
ドル/トルコリラの7月22日は概ね33.10リラから32.65リラの取引レンジ、23日早朝の終値は32.91リラで先週末終値の33.06リラからは0.15リラのドル安リラ高だった。
6月28日安値33.04リラからのドル安リラ高が7月3日高値32.30リラまでで一巡してリラ売り再開となり、7月17日に33.17リラ(ベンダーによっては33.29リラ等)へ取引時間中の史上最安値を更新し、17日終値33.05リラで終値ベースの最安値としたが、19日は一時33.16リラを付けて17日安値に迫ったものの安値更新を回避し、ムーディーズのトルコ格付けの引き上げによるリラ買いで20日早朝へ反発した。週明けの22日は32.65リラまでドル安リラ高が進んだもののリラの先安感が払拭できないとして33リラ台へ一時下落するなど上値の重い展開となった。
7月22日に発表された6月のトルコ中央政府債務は7兆8845億リラとなり5月の7兆6413億リラから増加して過去最大を更新した。リラ安基調が続く内はリラ建て債務残高の増加傾向にも歯止めがかかりづらい。
今夜はトルコ中銀の政策金利発表があり、高インフレが続いているために週間レポレートが50.0%で据え置かれると思われるが、中銀が年末にかけてのインフレ低下を見込んで利下げのタイミングを探る姿勢を示すのかどうか注目される。
【トルコ中銀の月次調査 年末レート予想は1ドル37.3667リラ】
7月22日にトルコ中銀は月次のビジネスサーベイ(エコノミストや企業トップに対する市況予想調査)結果を公表した。
調査対象の予想中央値では、2024年末のCPI上昇率は42.95%で6月調査時の43.52%から低下、12か月先CPI上昇率は30.02%で同31.79%から低下した。7月のCPI予想は前月比2.77%上昇と見込まれているが、年後半から来年にかけて着実にインフレが鈍化してゆくとのコンセンサスとなっている。
2024年のGDPは前年比3.4%(6月時点は3.3%)、経常赤字は27.6億ドル(同29億ドル)と改善傾向への期待がみられる。
2024年末時点の為替レート予想は1ドル37.3667リラで6月時点の37.7463リラから低下したが、今年3月時点の40リラ強の水準からはかなり低下してきている。
政策金利の週間レポレートについての予想は3か月後が50.0%で現状からの据え置きが続くと予想されているが、12か月後は34.57%(6月時点は35.90%、3月時点は36.62%)へ利下げされてゆくと予想されている。
【60分足 一目均衡表・サイクル分析】
トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、7月19日早朝への上昇で強気転換目安とした4.73円を超えて4.76円まで戻したために19日午前時点では18日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして19日午後から23日午後にかけての間への上昇を想定した。
7月22日午後に4.73円までいったん下げたものの23日早朝へ高値を切り上げているのでまだ上昇余地ありとするが、次の4.73円割れからは弱気サイクル入りとして23日の日中から25日午前にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では7月22日午後の下落時に遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落しかけたもののその後の上昇で両スパンともに好転した。23日午前への反落で遅行スパンは悪化しつつあるため、先行スパンからの転落を回避する内は遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから転落する場合は下落再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は7月19日から23日早朝への高値切り上げに際して指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられるため反落注意とし、55ポイント超えからは上昇継続とするが、45ポイント割れを下向きとし、40ポイント割れからは下落期入りとみて20ポイント台への低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.73円を下値支持線、4.78円を上値抵抗線とする。
(2)4.74円を上回るうちは一段高余地ありとし、4.78円超えからは4.79円、4.80円を順次試す上昇を想定する。4.79円以上は反落警戒とするが、4.75円を上回っての推移なら24日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.74円割れからは下向きとし、4.73円割れからは4.71円前後への下落を想定する。4.71円前後は反発注意とするが4.73円を下回っての推移なら24日も安値試しへ向かいやすいとる。また急落商状の場合は4.70円割れを試す可能性もあるとみる。
【当面の主な予定】
7月23日
16:00 7月 消費者信頼感指数 (6月 78.30)
20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 50.0%)
7月25日
16:00 7月 製造業信頼感指数 (6月 102.8)
20:30 週次 外貨準備高 7月19日時点
7月30日
16:00 7月 経済信頼感指数 (6月 95.8)
注:ポイント要約は編集部
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