23日のトルコ中銀会合に注目だが、調整局面(トレンドレス)の地合い続くか
【先週のトルコリラ】
先週のトルコリラは、日本当局とみられる円買いドル売り介入に伴うトルコリラ安に対する反発が期待されたものの、日足の一目均衡表の雲下限を下放れる展開に。売り一巡後は、雲上限水準に頭を抑えられた格好となった。
暗殺未遂事件後のトランプ前大統領の発言力が増したことから、為替市場、株式市場ともにトランプ前大統領の言動に翻弄される地合いに。株式市場では、世界の半導体株やテック株が下落。為替市場では、トランプ前大統領の「円安ドル高批判」を受けて、投機筋の円売りポジションのアンワインド(巻き戻し)が進行した。
6月住宅販売や財政収支がさえなかったこともあり、トルコリラは対ドルでは史上最安値を更新し、対円でも4.6円台まで下落した。下方圧力はさほど強まらなかったが、反発も限定的となった。
トルコリラ・円(東京時間:7月15日―7月19日)※Investing.comの日足を参照
始値:4.7803円
高値:4.8199円
安値:4.6925円
終値:4.7653円
【今週の重要指標】※時間は東京時間
7月23日
16時00分、7月消費者信頼感指数、前回:78.30
20時00分、トルコ中銀政策金利、前回:50.00%、市場予想:50.00%
7月25日
16時00分、7月設備稼働率、前回:76.3%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のトルコリラは、トランプ前大統領の一挙手一投足に注視するなか、23日のトルコ中央銀行(トルコ中銀)の金融政策決定会合に注目が集まる。政策金利50.00%を据え置くとの公算が大きく、インフレ鈍化を再確認する一方、早期の利下げ観測をけん制する中銀声明となりそうだ。
6月の消費者物価指数と生産者物価指数の鈍化を受けて、カラハン・トルコ中銀総裁とシムシェキ財務相は、「トルコ経済の持続的なディスインフレ」「インフレ率は2024年末には40%を下回る予定」と発言しており、トルコ経済が順調に回復していることを対外的にアピールしている。現在の政策金利を今しばらく維持したのち、段階的に引き下げていくといった流れだろう。トルコ中銀金融政策決定会合は毎月月末に開催されることから、他の主要中銀よりもフレキシブルな対応がとれることはメリットと言えよう。
テクニカル面は、日足の一目均衡表の雲上限に頭を抑えられている。この水準は100日移動平均線も位置していることから上値抵抗線として意識されそうだ。3月13日の史上最安値4.5227円を起点とした上昇トレンドラインも明確に下回ったことから、トルコリラは方向感に乏しい状況。まずは、23日トルコ中銀声明やカラハン・トルコ中銀総裁の発言の確認待ちといったところだが、トレンドレスの状況下、4.7円水準でのもみ合い相場となりそうだ。
トルコリラ円日足
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