ドル円見通し 大幅下落一服だが戻り高値切り下がり基調から抜け出せず(24/7/23)

午後に一時156.25円まで下落したところを買われて23日未明に157.17円まで戻したもののその後は伸びず、23日午前序盤にかけては157円を挟んだ揉み合いで推移した。

ドル円見通し 大幅下落一服だが戻り高値切り下がり基調から抜け出せず(24/7/23)

ドル円見通し 大幅下落一服だが戻り高値切り下がり基調から抜け出せず

〇ドル円、7/22午前にかけて157円台中盤で小動き、午後に一時156.25まで下落するも買われる
〇7/23未明157.17まで戻したがその後は伸びず、7/23午前序盤にかけては157円挟みの揉み合い推移
〇市場介入による急落は落ち着いているものの、戻り高値は切り下がり基調
〇米10年債・30年債利回りは3連騰、NYダウは反発、ナスダックも上昇
〇157.86を超えないうちは一段安警戒とし、156.25割れからは7/18午前安値155.37試しへ向かうとみる
〇157.86手前は戻り売りにつかまりやすいとみるが、157.86超えからは158円台前半への上昇を想定する

【概況】

ドル円は7月11日夜と12日夜の市場介入を挟んで7月3日高値161.94円から7月18日午前安値155.37円まで大幅下落したが、155円割れをひとまず回避して19日午後に157.86円まで戻し、その後の157円割れを買われて157.50円近辺で先週を終えた。
7月22日午前にかけては157円台中盤で小動きとなり、日経平均の大幅下落等を見て午後に一時156.25円まで下落したところを買われて23日未明に157.17円まで戻したもののその後は伸びず、23日午前序盤にかけては157円を挟んだ揉み合いで推移した。

市場介入による急落は落ち着いているものの、7月12日午前高値159.44円から16日夜高値158.85円、19日午後高値157.86円と一段安した後の戻り高値は切り下がり基調にある。7月17日に河野デジタル相が日銀への利上げ要請との見出しで一部メディアが円安けん制発言を報じたことが一段安のきっかけとなったが22日には自民党の茂木幹事長が「段階的な利上げの検討も含め、正常化する方向で着実に進める方針をもっと明確に打ち出すことが必要だ」と述べるなど日銀に対する政治的圧力が増している印象もある。

バイデン大統領が次期大統領選から撤退してハリス副大統領が名乗りを上げたことによりトランプ氏圧勝確率がやや低下したものの、ブックメーカーでの掛け率は6対4でトランプ氏優勢は変わらず、金融市場全般は大統領選挙後の政治的な混乱や外交経済政策の軌道修正に対する懸念やトランプ氏のドル高けん制姿勢を意識した動きを続けやすい状況と思われる。今週後半には7月25日の米4-6月期GDP速報と26日の6月PCE(個人消費支出)デフレーターを控えているため23日と24日は大きなポジション取りを仕掛けづらいところ思われる。

【米10年債利回りは小幅ながら3連騰、NYダウは反発】

7月22日の米長期債利回りは10年債と30年債が小幅上昇、2年債利回りは先週末と変わらずだった。米大統領選挙を巡る混迷を意識しつつ、今週後半の米GDP速報とPCEデフレーターの発表を待つ状況だが、7月17日への大幅低下後は総じて持ち直しの動きを見せている。
長期金利指標の10年債利回りは先週末比0.01%上昇の4.25%となった。7月17日に一時4.14%をつけて4月25日に付けた年初来ピークである4.74%以降の最低としたが、18日に前日比0.04%上昇、19日に0.04%上昇とし、22日は一時4.28%まで続伸してから上昇幅を削ったものの3連騰とした。
30年債利回りも先週末比0.02%上昇の4.47%となり、18日の0.04%上昇、19日の0.03%上昇から3連騰とした。

政策金利動向に敏感な2年債利回りは先週末終値と変わらず4.52%で終了したが、4月30日の5.05%をピークとして三段下げ型の低下に入り7月16日に一時4.41%をつけてこの間の最低としたが、7月17日から19日へと3連騰し、22日も一時4.54%まで続伸してから上げ幅を削ったものの反騰継続感を示した。
今週は7月23日に2年債(690億ドル)、24日に5年債(700億ドル)の入札を控えている。

一方で先週末にかけて大幅下落したNYダウは先週末比127.91ドル高と上昇、ナスダック総合指数も同280.63ポイント高と上昇した。米大統領選からバイデン大統領が撤退したことで大統領選の混迷がさらに深まる懸念が後退し、トランプ氏優勢の状況は変わらないもののハリス副大統領の出馬表明でトランプ氏圧勝感がやや後退したことで売られ過ぎに対する買い戻しが優勢となったようだ。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は7月18日午前安値155.37円を起点としてリバウンドに入ったが、19日午後高値157.86円で目先のピークを付けて下落に転じている印象だ。7月22日午後安値156.25円からやや戻しているものの157円を挟んだ揉み合いにとどまっているので22日午後安値割れから下落継続として23日午後から25日午前にかけての間への下落を想定する。ただし、7月19日午後高値を上抜き返す場合は7月18日午前安値を起点とした上昇継続として24日から26日にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では7月22日午後の下落時に遅行スパンが悪化して先行スパンから転落したが、その後の反発で先行スパンへ潜り込んでいるため、先行スパンから再び転落する場合は下落継続として遅行スパン悪化中の安値試し優先とするが、先行スパンを上抜き返すところからは上昇継続とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は7月22日午後の下落時に30ポイントを割り込んでから戻したが、50ポイント台を維持できずにいるため、次に40ポイントを割り込むところからは下落再開として20ポイント前後への低下を想定するが、55ポイント超えからは上昇継続とみて60ポイント台前半への上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7月22日午後安値156.25円を下値支持線、7月19日午後高値157.86円を上値抵抗線とする。
(2)157.86円を超えないうちは一段安警戒とし、156.25円割れからは7月18日午前安値155.37円試しへ向かうとみる。155.50円以下は反騰注意とするが、157円以下での推移が続く場合及び直前安値から1円を大きく超える反騰がみられないうちは24日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)157.86円手前は戻り売りにつかまりやすいとみるが、157.86円超えからは158円台前半への上昇を想定し、157.86円を超えた後も157.20円以上での推移なら24日も高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の予定】

7/23(火)
14:00 日銀、基調的なインフレ率を捕捉するための指標
23:00 (欧) 7月 消費者信頼感・速報値 (6月 -14.0、予想 -13.4)
23:00 (米) 7月 リッチモンド連銀製造業景況指数 (6月 -10、予想 -6)
23:00 (米) 6月 中古住宅販売件数・年率換算 (5月 411万件、予想 400万件)
23:00 (米) 6月 中古住宅販売件数 前月比 (5月 -0.7%、予想 -2.8%)
26:00 米財務省2年債入札

7/24(水)
15:00 (独) 8月 GFK消費者信頼感 (7月 -21.8、予想 -21.0)
16:30 (独) 7月 HOCB製造業PMI・速報値 (6月 43.5、予想 44.0)
16:30 (独) 7月 HOCBサービス業PMI・速報値 (6月 53.1、予想 53.3)
17:00 (欧) 7月 HOCB製造業PMI・速報値 (6月 45.8、予想 46.0)
17:00 (欧) 7月 S&PGサービス業PMI・速報値 (6月 52.8、予想 52.9)
17:30 (英) 7月 S&PG製造業PMI・速報値 (6月 50.9、予想 51.2)
17:30 (英) 7月 S&PGサービス業PMI・速報値 (6月 52.1、予想 52.5)
21:30 (米) 6月 卸売在庫 前月比 (5月 0.6%)
22:45 (加) カナダ中銀 政策金利 (現行 4.75%、予想 4.50%)

22:45 (米) 7月 S&PG製造業PMI・速報値 (6月 51.6、予想 51.5)
22:45 (米) 7月 S&PGサービス業PMI・速報値 (6月 55.3、予想 54.5)
23:00 (米) 6月 新築住宅販売件数・年率換算 (5月 61.9万件、予想 64.5万件)
23:00 (米) 6月 新築住宅販売件数 前月比 (5月 -11.3%、予想 4.2%)
23:30 EIA週間石油在庫統計
26:00 米財務省5年債入札
29:05 ボウマンFRB理事、ローガン・ダラス連銀総裁、イベントで開会の挨拶


注:ポイント要約は編集部

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