下落後に持ち直すなど、バイデン氏撤退に伴うトランプトレード巻き戻しの影響は限定的
〇ドル円、欧州時間朝方156.28まで下落後156.94レベルでの推移
〇大統領選でのハリス氏の台頭、米指標の好調、欧米株の堅調等が支え
〇ユーロドル、1.08台後半中心の方向感に欠ける動き
〇ドル円、一目均衡表雲上限や90日移動平均線に確りとサポートされ地合い強い
〇ファンダメンタルズも円キャリー継続期待、株価の持ち直しがサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:156.00ー158.00
海外時間のレビュー
週明け22日(月)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。アジア時間朝方にかけて、高値157.62まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)バイデン米大統領の選挙戦からの撤退に伴うトランプトレード(財政政策→財政悪化→米金利上昇→米ドル買いと、財政政策→米株上昇→リスク選好の円売りの組み合わせ)の巻き戻し懸念や、(2)日経平均株価の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)、(3)ロング勢のロスカットが重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値156.28まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)一目均衡表雲上限を背にした押し目買い圧力や、
(5)ハリス氏の台頭を受けてトランプ氏の独走を止めることができるのではないか(米国にとって結果として良い方向に向かう)との期待感(上院・下院の政党が異なる「ねじれ議会」継続の可能性が高まったことに対して市場が好感)、(6)米6月シカゴ連銀全米活動指数(結果+0.05、予想▲0.09)の市場予想を上回る結果、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(8)欧米株の堅調推移(リスク選好の円売り再開)が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間7/23午前6時30分現在)では、156.94前後まで持ち直す動きとなっております。
週明け22日(月)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.0903まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)アジア株の冴えない動きや、(2)上記1を背景としたリスク回避のユーロ売り圧力、(3)米6月シカゴ連銀全米活動指数(結果+0.05、予想▲0.09)の市場予想を上回る結果、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0872まで下落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(5)欧州株の堅調推移や、(6)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間7/23午前6時30分現在)では、1.0890前後まで持ち直す動きとなっております。
本日の見通し
ドル円はトランプトレードの巻き戻しを受けて一時156.28まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、すぐに157円台を回復する底堅さを見せました。日足ローソク足が一目均衡表雲上限や90日移動平均線に確りとサポートされていることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」や「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(下値余地は限定的)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金利差に着目した円キャリートレードの継続(日米金利差は当面縮まらないとの見方)や、株式市場の堅調推移(バイデン氏撤退に端を発したトランプトレードの巻き戻し懸念は早くも消化→共和党圧勝シナリオが低下したことは米国にとって却ってポジティブに働くとの期待感)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米7月リッチモンド連銀製造業指数や、米6月中古住宅販売件数、米2年債入札などが予定されております。
本日の予想レンジ:156.00ー158.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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