南アWeekly 6月CPI次第では、雲上限の8.4円水準までの調整の可能性も(24/7/22)

先週のランドは、南アフリカ準備銀行(南ア中銀、SARB)が開催した会合で、主要政策金利8.25%を据え置いた。

南アWeekly  6月CPI次第では、雲上限の8.4円水準までの調整の可能性も(24/7/22)

6月CPI次第では、雲上限の8.4円水準までの調整の可能性も

先週のランドは、南アフリカ準備銀行(南ア中銀、SARB)が開催した会合で、主要政策金利8.25%を据え置いたものの、利下げを主張するメンバーが2人いたことが意識されて、売り優勢の地合いとなった。

18日のSARB会合で、主要政策金利のレポ金利を7会合連続で8.25%に据え置いたが、政策決定は昨年9月以降で初めて全会一致とならなかった。金融政策委員会メンバーのうち4人が金利据え置きを支持したが、2人は0.25%の利下げを主張した。

クガニャゴSARB総裁は、「メンバー2人が利下げを望んでいるものの、インフレ見通しに対するリスクは上振れ傾向にある」と引き続きタカ派な姿勢を維持した。クガニャゴSARB総裁は、「利下げを実施する前に数回にわたるインフレ率の低下を望んでいる」とした上で、「過去の数値のみで判断せず、インフレ見通しを確認し、それに基づいてリスクを認識した上で決定を下す必要がある」と言及。インフレ期待も中銀目標の中間値である4.5%を「不快なほど上回っている」とした。

この結果を受けて、早期の利下げ観測が浮上したことでランド売り優勢となった。また、暗殺未遂事件後に発言力が増したトランプ前大統領が「円安ドル高批判」を行ったことから、投機筋の円売りポジションのアンワインド(巻き戻し)が進行。円が主要通貨に対して上昇したことも影響し、円高ランド安の地合いとなった。

ランド・円(東京時間:7月15日―7月19日)※Investing.comの日足を参照
始値:8.7940円
高値:8.8073円
安値:8.5331円
終値:8.6132円 

【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間

7月17日
20時00分、5月小売売上高(前年比)、前回:0.7%、市場予想:0.7%、結果:0.8%

7月18日
22時00分、南ア中銀政策金利、前回:8.25%、市場予想:8.25%、結果:8.25%

7月24日
17時00分、6月消費者物価指数(前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.1%
17時00分、6月消費者物価指数(前年比)、前回:5.2%、市場予想:5.1%

7月25日
18時30分、6月生産者物価指数(前月比)、前回:0.1%、市場予想:−0.3%
18時30分、6月生産者物価指数(前年比)、前回:4.6%、市場予想:4.5%

※予定は変更することがございます。

【今週の見通し】

今週のランドは、トランプ前米大統領の言動にドルや円が翻弄されるなか、6月消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)を見極める地合いとなろう。連立政権樹立を受けたご祝儀的なランド買いは完全に終了した。

CPI、PPIはともに鈍化が見込まれているが、SARB目標の中間値である4.5%を上回っているため、早期の利下げ観測はさほど強まらないと考える。ただ、市場予想である前年比5.1%増を下回り中間地に近づいた場合、先週のSARB会合の結果も蒸し返されて、早期の利下げ観測が強まりランド売りが優勢となろう。

テクニカルでは、7月1日高値を上回った後、心理的な節目の9円を前に利益確定の流れが強まり、日足の一目均衡表の転換線を下回った。基準線は引き続き上向きだが、転換線が基準線を下回る公算が大きいことからトレンドが今後弱まる可能性もあろう。足元、50日移動平均線でのもみ合いが続いているが、雲上限が位置する8.4円水準まで調整する展開も意識しておきたい。

6月CPI次第では、雲上限の8.4円水準までの調整の可能性も

南アフリカランド円日足

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