07年以来の97円台到達、GDPプラスならば上昇継続へ
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、豪ドルが強い雇用情勢で上昇したことでつられたほか、貿易関係で重要な中国との良好な関係が確認できたことを材料に上昇。5月下旬以来の上値抵抗線だった97円台手前を突破、2007年7月以来の97円台まで買われた。
13日、中国の李強首相は、ニュージーランドを訪問しラクソンNZ首相と会談した。中国首相のニュージーランド訪問は7年ぶりのことで、両国は貿易と気候変動に関する協定に調印した。
ラクソン首相は「両国の重要な経済関係について話し合った。約380億NZドルに上る貿易は双方の国民に利益をもたらしている」と述べた。李首相は「貿易と投資に関する協力を拡大することが重要との考えで一致した。今後10年間で輸出を2倍にするNZの取り組みに中国は加わる用意がある」と表明。
良好な中国との関係が確認できたほか、同日に発表された5月豪雇用統計が市場予想よりも強い結果となったことなどから豪ドルが上昇。NZドルもつられ買われたことから97円台まで上昇した。
NZドル・円(東京時間:6月10日―6月14日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値:95円81銭
高値:97円22銭
安値:95円61銭
終値:96円66銭
【今週と来週の重要指標】
※時間は東京時間
6月19日
7時45分、第1四半期経常収支、前回:−78.37億NZドル
6月20日
7時45分、第1四半期実質GDP(前期比)、前回:−0.1%、市場予想:0.1%
7時45分、第1四半期実質GDP(前年比)、前回:−0.3%、市場予想:0.2%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、20日に発表される第1四半期GDPでリセッション(2四半期連続のマイナス成長)からの回復が確認できるかがポイントとなろう。
第4四半期(23年10-12月)の実質GDPは、前期比−0.1%と2四半期連続(第3四半期は同−0.3%)のマイナス成長となった。外需は堅調さを維持しているが、高い金利が影響し内需は幅広く下振れして景気に急ブレーキが掛かっている。第1四半期GDPの市場予想は同0.1%が見込まれており、想定通り内需回復等でプラス成長が確認できれば、NZドルの買い材料となろう。
17日の中国経済指標や、18日のオーストラリア準備銀行(豪中銀)理事会の結果内容など外部環境を見極める必要はあるが、NZドルは主要通貨に対して総じて強い状況が続いており地合いは良好だ。
テクニカル面は引き続き堅調だ。日足の一目均衡表では、下値を切り上げ、年初来高値を更新していることから短期的なトレンドは強い。上値を意識した地合いはしばらく続くと想定し、2007年7月の史上最高値97円88銭更新も意識されよう。
NZドル円日足
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