タカ派なRBA声明を背景に105円台を試す展開へ
【今週の豪ドル】
今週は、日米中銀会合待ちで様子見ムードが強まるなか、豪雇用統計が予想以上に強かったことから、オーストラリア準備銀行(豪中銀)による利下げ実施のスケジュールは後退するとの見方が強まり豪ドルは104円台で推移した。
13日に発表された5月豪雇用統計は、失業率は4.0%と市場予想通り、前回の4.1%より改善。新規雇用者数は、3.97万人増と市場予想の2.70万人を大幅に上回る結果となり、前回の3.74万人を上回る高い伸びを見せた。中でも正規雇用者数が大幅に伸びた。
豪ドルはこの発表を受けて上昇。6月3日以来の104円69銭まで値を戻し、4月29日の104円91銭を狙える状況となっている。
豪ドル・円(東京時間:6月10日―6月14日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 103円22銭
高値: 104円69銭
安値: 103円08銭
終値: 104円09銭
【今週と来週の重要指標】
※時間は東京時間
6月11日
10時30分、5月NAB企業景況感、前回:7.0、結果:6.0
6月13日
10時30分、5月雇用者数、前回:3.74万人、市場予想:2.70万人、結果:3.97万人
10時30分、5月失業率、前回:4.1%、市場予想:4.0%、結果:4.0%
6月18日
13時30分、豪中銀政策金利、前回:4.35%、市場予想:4.35%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週の豪ドルは、国内では18日のRBA理事会、国外では17日の中国経済指標を見極める展開となろう。
先にRBA理事会だが、市場では政策金利4.35%の据え置きがコンセンサスとなっている。前回5月6日の理事会では、四半期に1度公表される金融政策報告書にて、足元の想定以上に堅調な労働市場のデータを受けて失業率の予想値を下方修正。一方、インフレ率の想定以上の高止まりや、サービス価格の見通し引き上げなどを背景にCPIの予想値を上方修正した。
前回のRBA理事会後の5月29日に発表された4月CPIは市場予想を上振れ、そして、6月13日の5月雇用統計も強かったことから、前回の理事会よりもデータ上、雇用の強さは確認できたが、インフレ見通しの上振れリスクは高まったと言えよう。
既に、2024年内の利下げ観測はほぼゼロとなっていることから、利下げを実施した欧州中央銀行(ECB)や年内1回の利下げ見通しの米連邦準備制度理事会(FRB)と比べると相対的に豪ドルは強含むと考える。そして、日本は追加の利上げを年内のどこかで実施するとの公算が大きい(14日15時30分からの植田日銀総裁の記者会見には念のため警戒)ものの、0.1%ほどの小さな利上げに留まるとの見通しから、対円でもしっかりの展開は続くだろう。
一方、17日は、中国の5月都市部固定資産投資や鉱工業生産指数、小売売上高などの経済主要統計が発表される。政府関連部門による投資拡大がサポート要因となり、都市部固定資産投資は堅調な伸びが、民間内需の強弱を探る上で重要な小売売上高の動向は注目されよう。また、20日には中国の実質的な政策金利となる1年物および5年物のローンプライムレート(LPR)が発表される。政策金利の引き下げについて、中国当局が政策の効果・影響を検討している段階であるとみられるが、政策金利の引き下げは依然としてハードルは高いと考える。
中国経済情勢が波乱とならなければ、タカ派なRBAの姿勢を材料に豪ドルは4月高値更新を試す展開となろう。月足チャートでは、20年3月安値59円87銭をボトムとした上昇のなか、14年高値102円89銭を上回っており、2013年5月以来の105円台を意識した展開が続いている。短期的には4月の長い上影(上ヒゲ)を吸収しきれていない状況だが、時間の問題と考える。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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