豪ドルWeekly 上昇一服、豪経済指標の結果に一喜一憂する地合いに(24/4/19)

今週の豪ドルは、中国経済指標が先行き不透明感の強い内容となったことや、オーストラリアの3月雇用統計が市場予想を下振れたこともあり99円前後でのもみ合いとなった。

豪ドルWeekly 上昇一服、豪経済指標の結果に一喜一憂する地合いに(24/4/19)

上昇一服、豪経済指標の結果に一喜一憂する地合いに

【今週の豪ドル】

今週の豪ドルは、中国経済指標が先行き不透明感の強い内容となったことや、オーストラリアの3月雇用統計が市場予想を下振れたこともあり99円前後でのもみ合いとなった。

16日に発表された中国1−3月の国内総生産(GDP)は前年同期比5.3%増加し市場予想の同4.8%増を上回った。昨年10−12月(第4四半期)から若干加速したが、今年1−2月分による寄与が大きいとのこと。同時に発表された3月小売売上高は伸び悩み、鉱工業生産も市場予想を下回ったことから、中国経済は4−6月期以降、状況が厳しくなる可能性を示唆した。

豪ドルはこの発表後、目立った動きは見られなかったが、先々週辺りからは中国経済の底入れ期待感で豪ドルは買われていたこともあり、やや失望感が先行した。

その後、18日にオーストラリア統計局が発表した3月の雇用者数は前月比で6600人減と市場予想の1万人増加に反して減少したほか、失業率は前月の3.7%から3.8%に上昇した。ただ、失業率の市場予想が3.9%だったことから、まちまちの結果となり、豪ドルも小動きとなった。

足元の景気抑制的な高い金利水準を反映した結果となったが、2月は雇用者数が市場予想を大幅に上回っていたことから、今年に入っての雇用者数は上下に振れやすくなっている。

豪ドルは一時100円台を付ける場面も見られたが、週を通して99円前後でのもみ合い推移となった。

豪ドル・円(東京時間:4月15日―4月19日(終値は9時台終値を参照))※Investing.comの日足を参照
始値: 99円11銭
高値: 100円05銭
安値: 98円63銭
終値: 99円06銭 

【今週と来週の重要指標】

※時間は東京時間
4月18日
10時30分、3月雇用者数、前回:11.76万人、市場予想:1.0万、結果:−0.66万人
10時30分、3月失業率、前回:3.7%、市場予想:3.9%、結果:3.8%
4月24日
10時30分、3月消費者物価指数(前年比)、前回:3.4%
10時30分、第1四半期消費者物価指数(前期比)、前回:0.6%
10時30分、第1四半期消費者物価指数(前年比)、前回:4.1%
4月26日
10時30分、第1四半期生産者物価指数(前期比)、前回:0.9%
10時30分、第1四半期生産者物価指数(前年比)、前回:4.1%


※予定は変更することがございます。

【今週末から来週の見通し】

今週末から来週の豪ドルは、24日の第1四半期消費者物価指数(CPI)と26日の第1四半期生産者物価指数(PPI)に関心が集まろう。3月雇用者数が市場予想を下回ったことで、雇用関連の弱さが引き続き豪ドルの重しとなりそうだが、川上のPPI、川下のCPIがともに強い数字となった場合、早期の政策金利引き下げ観測が後退し豪ドル買いが強まる可能性はある。一方、経済指標が弱かった場合は、この反対の地合いが想定されることから関心は高めておきたい。

そもそもPPIは企業同士が物を生産するために仕入れる際の値段の推移を示しており、CPIは消費者(その国で生活している人)が物やサービスを購入する際に支払う値段の推移をそれぞれ示している。つまり川上であるPPIが下りてきて川下のCPIに影響を与えるという関係にある(日本ではPPIに該当するのは卸売物価指数である)ので、PPIが上昇するとCPIも自然と上昇する。一方、PPIが下落するとCPIも自然と下落する関係にある。

そのため、PPIが強かった場合は少し時間をおいてCPIも強まるので、来週はPPIだけ強まっても豪ドル買いの地合いとなるだろう。一方、この逆もあるので注意は必要だ。

テクニカルはしっかりだ。短期的には、50日移動平均線、100日移動平均線が引き続きサポートラインとして機能している。月足チャートでは、20年3月の59.87円を起点とした下値支持線が機能しており、長期的なトレンドも強いままだ。3月21日や4月4日の長い上ヒゲ(上影)を吸収したことで、豪ドルは対円で上へのバイアスを強めやすいと考える。

なお、日本銀行は、25−26日に金融政策決定会合を開催する。9月もしくは10月にも追加の利上げを実施するといった話も聞かれるなか、金融政策の正常化に踏み出した後の日銀会合なだけに、「今後の利上げは慎重に見極める」といった3月会合後のスタンスを維持するか注目されよう。日本の10年国債利回りは0.85%台で推移しており、昨年10月につけた0.975%にすら届いていない。

日本とオーストラリアの金利差を考慮すると、徐々に縮小する、という状況だが、大幅に縮小する地合いではないため、足元の豪ドルの足かせにはならないと考える。

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