トルコリラ週報『今週は砂糖祭で方向感を見出せず。来週は連休明けのボラティリティ拡大に警戒』(4/13朝)

トルコリラの対円相場(TRYJPY)は3/13に記録した史上最安値4.52円をボトムに切り返すと、先週・今週と2週続けて底堅い動きが続いています。

トルコリラ週報『今週は砂糖祭で方向感を見出せず。来週は連休明けのボラティリティ拡大に警戒』(4/13朝)

『今週は砂糖祭で方向感を見出せず。来週は連休明けのボラティリティ拡大に警戒』

〇今週のトルコ円、砂糖祭で方向感に欠ける中、米金利上昇等に一時4.62まで下落するも週末4.73に反発
〇日足が21日移動平均線や一目均衡表基準線を上抜け、テクニカル的の地合いは好転
〇ファンダメンタルズもトルコ経済復興期待や、中銀の再利上げ観測がトルコ円を支援
〇トルコリラ円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):4.60ー4.85

今週のレビュー(4/8−4/12)

今週のトルコリラ円相場(TRYJPY)は、砂糖祭で大型連休入りする中(4/9は砂糖祭前日でイスタンブール証券取引所が短縮取引。4/10ー4/12は砂糖祭でトルコの金融市場が休場)、週を通して方向感に欠ける値動きとなりました。週初4.73円で寄り付いたトルコリラ円相場は、米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(米3月消費者物価指数の伸び率加速→米長期金利急上昇→米ドル急伸→新興国から米国への資金流出圧力再燃)を背景に、週末にかけて一時4.62円まで下げ幅を広げましたが、引けにかけては一転持ち直し、本稿執筆時点(日本時間4/13午前1時00分現在)では、4.73円前後まで反発する動きとなっております。尚、今週初に発表されたトルコ2月鉱工業生産(結果+11.5%、予想+8.1%)は市場予想を大幅に上回る好結果となりましたが、リラ買いでの反応は限定的となっております。

来週の見通し(4/15−4/19)

トルコリラの対円相場(TRYJPY)は3/13に記録した史上最安値4.52円をボトムに切り返すと、先週・今週と2週続けて底堅い動きが続いています。日足ローソク足が21日移動平均線や一目均衡表基準線を上抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を印象付けるチャート形状となりつつあります。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)トルコ経済の復調期待(先月以降に発表されたトルコ経済指標は総じて良好な結果。今週発表されたトルコ2月鉱工業生産も力強い結果)や、(2)トルコ中銀による追加利上げ観測(トルコ中銀は先月、市場の据え置き予想に反して政策金利を45.0%から50.0%へ引き上げる措置を決定→機動的な金融政策スタンスを市場が評価→次回4/25会合でも追加利上げに踏み切るとの見方が拡大。事実、東海東京インテリジェンス・ラボは今週、先般発表されたトルコ3月消費者物価指数および同コア指数の伸び率加速を踏まえれば、トルコ中銀が4/25会合で追加利上げに踏み切る可能性は十分あるとの見解を発表)、(3)上記2を背景とした実質金利のマイナス幅縮小期待、(4)トルコアセットに対する再評価(海外投資家によるトルコアセットへの資金流入期待)など、トルコリラ円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(但し、足元では日本政府・日銀による為替介入警戒感が広がっているため、仮に実弾介入が決定される場合には、ドル円急落→トルコリラ円急落の波及経路に要注意。またトルコ中銀の外貨準備減少にフォーカスが当たる場合にも、上記4の逆流でトルコリラに下押し圧力が加わる恐れあり)。尚、来週は砂糖祭明けで市場参加者の回帰が見込まれる他、トルコ2月失業率や、トルコ2月経常収支なども予定されているため、トルコリラ相場のボラティリティ拡大に注意が必要でしょう。

来週の予想レンジ(TRYJPY):4.60ー4.85

注:ポイント要約は編集部

『今週は砂糖祭で方向感を見出せず。来週は連休明けのボラティリティ拡大に警戒』

トルコ円日足

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