テクニカル重視の地合いで戻り基調強い地合いに
【先週の南アフリカ・ランド】
先週のランドは、3月21日高値8.0979円を上回り、昨年11月21日以来となる8.1円台まで上昇した。
2日に発表された3月製造業PMIは49.2と市場予想の51.3、前回の51.7をともに大きく下回る結果となったが、ファンダメンタルズの弱さよりもテクニカルの強さが優先され、ランドは対円でじりじりと上昇する展開となった。
4日に8.1716円と昨年11月20日以来の水準まで上昇。下値を切り上げる上昇は継続し、昨年11月16日高値8.3404円を意識した地合いとなっている。
ランド・円(東京時間:4月1日―4月5日)※Investing.comの日足を参照
始値:8.0175円
高値:8.1716円
安値:7.9748円
終値:8.1073円
【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間
4月2日
18時00分、3月製造業PMI、前回:51.7、市場予想:51.3、結果:49.2
4月11日
20時00分、2月製造業生産高、前回:0.8%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、目立った売買材料に乏しいながらも、下値を切り上げる上昇が続いており、昨年11月高値の8.3円台回復を意識した展開を迎えている。
日本当局による円買い介入観測が高まっていることから、対ドルでは円の動きは重くなっているが、ランドは対円でじりじりとした上昇が継続。5月末の選挙に対する不透明感は変わっていないほか、予算に対する不透明感も残っているが、テクニカル的なランド買いが継続しているもよう。
日足の一目均衡表では、切り上がる転換線に沿った上昇が見られ、戻り基調の強い地合いとなっている。戻り待ちの売りを吸収する強いトレンドが継続していることから、8.2円台をターゲットした格好に。
ファンダメンタルズでは、ランド買いには慎重な状況は多々存在する。足元発生しているヨハネスブルク近郊で頻発している断水については「水危機が今後数カ月で拡大し、企業活動にさらなる影響を与える可能性があるとの懸念が高まっている」いった指摘が聞かれるほか、選挙によって政権が変わる可能性もある。また、日本当局による円買い介入への警戒感も本来はランド買いを抑える材料となるが、影響は感じられない状況だ。
3月の戻り高値を更新していることから、ファンダメンタルズよりもトレンド優先の地合いと考える。目立った上値抵抗ラインが存在しないことから、ランドは8.2円台を意識した展開を想定する。
一方、テクニカル優先の地合いとなっていることから、サポートラインである日足の一目均衡表の転換線を下回ると短期的には調整色を強める可能性があろう。その際は、基準線が位置する7.98円水準もしくは、50日移動平均線が位置する7.91円水準が意識されると想定する。
南アフリカランド円日足
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