南アフリカランドWeekly こう着相場入りか、経済と政治の先行き不透明感強まる(24/4/1)

先週のランドは、南アフリカ準備銀行(南ア中銀、SARB)声明を受けて、景気減速でも金利が高止まりする可能性が意識されて、8円前後のもみ合い相場となった。

南アフリカランドWeekly こう着相場入りか、経済と政治の先行き不透明感強まる(24/4/1)

こう着相場入りか、経済と政治の先行き不透明感強まる

【先週の南アフリカ・ランド】

先週のランドは、南アフリカ準備銀行(南ア中銀、SARB)声明を受けて、景気減速でも金利が高止まりする可能性が意識されて、8円前後のもみ合い相場となった。

SARBは27日の会合で、主要政策金利のレポ金利を8.25%に据え置くことを決定した。全体的に見てインフレ見通しに対するリスクが上方に偏っているとの見方を示した。金利据え置きは5会合連続。

南アフリカ統計局が先々週に発表した2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.6%上昇と、前月の同5.3%から伸びが加速。2カ月連続での加速となり、SARBが設定している目標範囲(3−6%)の上限に接近していた。

SARBは声明で、総合インフレ率が目標レンジの中間点に達するのは2025年末と従来予想から後ずれさせた。そして、「その結果、ベースライン見通しにおける政策金利の正常化開始時期も遅れる」とした。

SARB声明を受けて、南アフリカ経済の景気減速リスクが高まっている一方、インフレ長期化に伴い政策金利は高止まりする可能性が高まったことで、政策金利高止まりを素直に好感する動きとはならず、ランドへの影響は限定的。8.0円を挟んでのもみ合いとなった。

ランド・円(東京時間:3月25日―3月29日)
※Investing.comの日足を参照

始値:7.9729円
高値:8.0304円
安値:7.9274円
終値:7.9988円 

【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間

3月25日
17時00分、第1四半期消費者信頼感指数、前回:−17、結果:−15
3月27日
22時00分、SARB政策金利、前回:8.25%、市場予想:8.25%、結果:8.25%
3月28日
18時30分、2月PPI(前年比)、前回:4.7%、市場予想:5.0%、結果:4.5%
18時30分、2月PPI(前月比)、前回:0.1%、市場予想:0.9%、結果:0.5%
21時00分、2月貿易収支、前回:−97億ランド、市場予想:90億ランド、結果:140億ランド
4月3日
18時00分、3月製造業PMI、前回:51.7、市場予想:51.3

※予定は変更することがございます。

【今週の見通し】

今週のランドは、目立った売買材料に乏しいことから、8.0円水準でのもみ合い推移となりそうだ。南アフリカ経済と政治の先行き不透明感が重しとなり、ランドの上値は重いと考える。

日本当局による円買い介入観測が高まっていることも、ランドの上値を抑える材料となっている。主に対ドルでの円買い介入が想定されているが、円全面高の展開となる可能性が高いことからランドも対円で影響を受けると予想する。

22年10月21日と24日に政府・日銀が円買い介入を実施した際は、2日とも0.2円ほどランド安円高に振れたことから、日本当局による円買い介入が入った際はこれぐらいの変化幅が出ることは想定しておきたい。瞬間的な下落に留まる可能性が高いことから、昨年12月28日の7.5595円を起点とした下値支持線は維持すると考える。

一方、心理的な節目である8.0円を上回ったことから上へのバイアスは強まりやすい地合いだが、買いが続かなかったことから、5月29日の選挙まで積極的なランド買いは手控えられる展開をそろそろ考えておきたい。下値は限定的だが、上値も重いことから、ランドはこう着感が強い地合いとなりそうだ。

こう着相場入りか、経済と政治の先行き不透明感強まる

南アフリカランド円日足

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