豪ドルにつられ買われるも疑心暗鬼、10日の中銀会合に注目
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、強い動きを見せた豪ドルにつられる展開となり一時3月22日以来の水準である91円71銭まで買われた。
堅調なオーストラリア経済や回復基調が確認できた中国経済などを材料に豪ドルは上昇。2014年12月以来の100円39銭まで豪ドルが買われたことから、経済的なつながりが強いNZドルもつられる展開となった。
ただ、東京時間5日未明、ドルが対円でやや円高に振れた場面では、豪ドル、NZドルともに対円で円高に振れたことから、日足ベースではやや長い上影(上ヒゲ)を残す格好となった。
NZドル・円(東京時間:4月1日―4月5日(終値は9時台終値を参照))※Investing.comの日足を参照
始値:90円52銭
高値:91円71銭
安値:90円10銭
終値:91円00銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
4月4日
6時45分、2月住宅建設許可、前回:−8.6%、結果:14.9%
4月10日
11時00分、NZ中銀政策金利、前回:5.50%、市場予想:5.50%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、豪ドルの展開に左右されるなか、10日のニュージーランド準備銀行(NZ中銀)の金融政策決定会合に注目が集まろう。
前回2月28日の会合で、オアNZ中銀総裁は政策決定発表後の会見で、「国内の物価圧力が予想通り和らぎつつある」としながらも、「市場予想より高い水準に金利を維持する必要があるかもしれない」と認識を示し、「もちろん利下げでなく利上げをわれわれは検討した」と総裁は語った。
NZ中銀は、声明で「今年の利上げ可能性は若干の低下が見込まれる一方、2025年になるまで利下げはないとの見通しが最新予測で示された」と説明したが、ニュージーランド経済は、第4四半期GDPが第3四半期に次ぐマイナス成長となったことで、テクニカルリセッション(景気後退)に入っており、前回会合以降、ニュージーランド経済の状況はネガティブとなっている。
主要国中銀と比較すると、2月会合の声明は「タカ派」な内容だったが、市場は利上げを期待していた分、「5会合連続の金利据え置き」を受けてNZドルは売り優勢となった。足元の経済情勢を踏まえて、2月会合よりも利下げに対する議論は多くなると想定する。「ややハト派」な声明内容となった場合、NZドルは売りの反応を示すだろう。
長期的なトレンドは、一目均衡表にて「三役好転」が示現していることから、14年12月以来の94円台をターゲットとした強いトレンドは継続したままと考えるが、短期的には2月26日高値93円56銭をつけた後は、上値、下値ともにじりじりと切り下げておりトレンドは弱い。
日足の一目均衡表では、雲下限を回復しているが、4日の長い上ヒゲが疑心暗鬼の地合いを示している。上げ幅縮小後は、ちょうど100日移動平均線(91円水準)で推移しており、今後、この水準が下値支持線となるか上値抵抗線となるかは注目だ。
なお、日本当局による円買い介入への警戒感が高まっている点は当然ながらNZドルの重しとなる。日本当局は、既に為替介入の「スタンバイ」ができており、実施の有無は、市場で言われている「前日比1.2%の円安加速」といった「スピード感」次第と考える。
2022年10月21日と24日に政府・日銀が円買い介入を行った際、NZドルはいずれの日も2円超乱高下した過去がある。短期投資家からするとボラタイルな展開なので仕掛けたいところだが、「往復ビンタ」には気を付けてほしい。
2月26日の高値93円56銭をつけた後の調整局面が終了したかどうかは微妙なところだ。短期的なトレンドとしては、90円台を割り込むと2月1日の安値89円14銭水準が意識されよう。
NZドル円日足
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