豪ドルWeekly 堅調な自国経済に中国経済回復が追い風、懸念は日本当局の円買い介入への警戒感(24/4/5)

今週の豪ドルは上昇し、3月21日につけた高値100円22銭を上回り100円39銭まで上昇した。

豪ドルWeekly 堅調な自国経済に中国経済回復が追い風、懸念は日本当局の円買い介入への警戒感(24/4/5)

堅調な自国経済に中国経済回復が追い風、懸念は日本当局の円買い介入への警戒感

【今週の豪ドル】

今週の豪ドルは上昇し、3月21日につけた高値100円22銭を上回り100円39銭まで上昇した。堅調なオーストラリア経済が確認できたことや、回復が確認できた中国経済などを材料視した展開となった。

オーストラリア最大の貿易相手国である中国の 3 月製造業 PMIは 50.8 と好不況の分かれ目となる 50 を 6 ヵ月ぶりに上回り、中国経済に対する復調期待の高まりが示唆された。また、中国政府はオーストラリア産ワインに対する反ダンピング関税と補助金相殺関税を 3 月 29 日から撤廃。大麦や石炭の輸入制限は既に解除されており、豪中関係の改善は豪ドル上昇の材料となった。

また、4日に発表された3月の豪サービス業PMIは54.4と2月の53.1から改善し、2022年4月以来の高水準となった。3月に発表された雇用統計、小売売上高などの市場予想上振れに続いて、オーストラリア経済の堅調な経済が確認できたことで豪ドルは買い優勢となった。

そして、米国では3日に発表された米3月ADP雇用統計で雇用者数の伸びが予想以上に拡大し、昨年7月以来で最大となったため利下げ観測後退で金利上昇に伴うドル買いが優勢になる場面も見られたが、3月ISM非製造業景況指数が改善予想に反して悪化。

消費への楽観的見方が後退したほか、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演で利下げも除外せず、今後のデータ次第との姿勢を維持したため、米10年債利回りの拡大も一服。ドルインデックスは、2日の105.10をピークに103.92まで低下したことも豪ドル高につながった。豪ドルは、ドル安に対する上昇が強まり、対円でも円安豪ドル高が進み、2014年12月以来の水準まで上昇した。

豪ドル・円(東京時間:4月1日―4月5日(終値は9時台終値を参照))※Investing.comの日足を参照
始値: 98円54銭
高値: 100円39銭
安値: 98円25銭
終値: 99円44銭 

【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間

4月4日
9時30分、2月住宅建設許可、前回:−2.5%、市場予想:3.1%、結果:−1.9%
4月5日
9時30分、2月貿易収支、前回:110.27億豪ドル、市場予想:105.0億豪ドル、結果:72.8億豪ドル
4月9日
9時30分、4月消費者信頼感指数、前回:−1.8%
10時30分、3月NAB企業景況感、前回:10.0

※予定は変更することがございます。

【今週末から来週の見通し】

今週末から来週の豪ドルは、目立った経済指標発表を控えていないことから、中国経済やドル、そして、円といった外部環境次第の展開となりそうだ。東京時間4日夜から5日未明にかけては、99円台半ばまで押し下げられていることから、100円台では利益確定売りが出やすい状況だ。

ドルインデックスの下落トレンドはさほど強まっていないことから、円以外の主要通貨に対するドル安は一服となりそうだ。ただ、6月利下げを期待する市場と利下げに慎重なFRB関係者とのせめぎあいが今しばらく続くことから、ドルインデックスは神経質な動きを見せるだろう。ドルの動向は、豪ドルにとって、追い風、逆風どちらにもなるので注意したい。

一方、日本当局の円買い介入警戒感は非常に高まっており、対円での重しとなろう。ドル円が1日に2円近い円安ドル高がスピード感を伴って進んだタイミングで、政府・日銀が介入を実施する可能性は高く、介入実施のタイミングで豪ドルは乱高下する公算が大きい。

そして、回復傾向がみられた中国経済も豪ドルへの影響は水物と考えた方がいいだろう。上海総合指数や香港ハンセン指数など株価動向や、人民元の動向、12日に発表される3月貿易収支を注意しておきたい。

このように外部環境をにらんだ展開となっているが、3月高値100円22銭を上回ったことから、テクニカル的には豪ドルは対円で上昇しやすい状況にある。50日移動平均線、100日移動平均線が引き続きサポートラインとして機能しているほか、月足チャートでは、20年3月の59.87円を起点とした下値支持線が機能しており、長期的なトレンドはしっかりだ。3月21日に長い上ヒゲ(上影)を吸収したことで、豪ドルは対円で上へのバイアスを強めやすいと考える。

ファンダメンタルズでは、オーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)は、2月消費者物価指数(CPI)の予想下振れを受けて、早期利下げのタイミングを計るとの見方が強まっており豪ドルは買いにくい状況にある。また、RBAが 2 日に公表した3 月理事会の議事録では、3 月理事会では利上げを検討しなかったことが判明している。ただ、ドル、そして、円にそれぞれ動きが見られる状況下、豪ドルは上下に2−3円ほどは軽く動く可能性がある。今週末から来週にかけては、ボラタイルな展開を迎えそうだ。

堅調な自国経済に中国経済回復が追い風、懸念は日本当局の円買い介入への警戒感

豪ドル円日足

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