豪ドルWeekly 日本当局の介入警戒が重しとなり98円台でのもみ合いか(24/3/29)

今週の豪ドルは、オーストラリア経済指標がまちまちだったことから、98円台でのもみ合いとなった。

豪ドルWeekly 日本当局の介入警戒が重しとなり98円台でのもみ合いか(24/3/29)

日本当局の介入警戒が重しとなり98円台でのもみ合いか

【今週の豪ドル】

今週の豪ドルは、オーストラリア経済指標がまちまちだったことから、98円台でのもみ合いとなった。

26日に、ウエストパック銀行とメルボルン研究所が発表した3月のオーストラリア消費者信頼感指数は、前月比1.8%低下の84.4となった。2月は1年8カ月ぶりの高水準を記録していたが、景気見通しや家計への不安が再燃。

また、27日に発表された2月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.4%だった。食料・飲料が前回から伸びが大きく鈍化したほか、酒類・タバコ、住居、通信の伸びも鈍化した。一方、衣類・履物は伸びがやや加速。米歌手テイラー・スウィフト氏の公演によって、シドニーとメルボルンの宿泊費は上昇したが、旅行需要が減退したほか、ほかの地域では宿泊費や航空運賃が下落。

そして、オーストラリア統計局が28日に発表した2月小売売上高は、前月比、前年比ともに増加。ここでもテイラー・スウィフト氏効果で、衣料品や外食への支出が拡大したことが背景となった。

ただ、豪ドルはCPIが予想を下回ったことを受けてやや軟調推移。その後、28日に瞬間的に99円50銭まで急伸する場面が見られたものの、この急伸を除くと、98円台でのもみ合いに。政府・日銀による円買い介入への警戒感が高まっていることも豪ドルの重しとなった。

豪ドル・円(東京時間:3月25日―3月29日(終値は9時台終値を参照))※Investing.comの日足を参照

始値: 98円81銭
高値: 99円50銭
安値: 98円17銭
終値: 98円57銭 

【今週と来週の重要指標】

※時間は東京時間
3月26日
8時30分、3月消費者信頼感指数(前月比)、前回:6.2%、結果:−1.8%
3月27日
9時30分、2月消費者物価指数(前年比)、前回:3.4%、市場予想:3.5%、結果:3.4%
3月28日
9時30分、2月小売売上高(前月比)、前回:1.1%、市場予想:0.5%、結果:0.3%
4月4日
9時30分、2月住宅建設許可、前回:−1.0%
4月5日
9時30分、2月貿易収支、前回:110.27億豪ドル


※予定は変更することがございます。

【来週の見通し】

来週の豪ドルは、目立った経済指標の発表が予定されていないことから、98円台でのもみ合いとなりそうだ。ただ、政府・日銀による円買い為替介入を警戒する必要はある。

3月、オーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)は、3会合連続で金利を据え置き、引き締めバイアスを弱めつつある。2月CPIの予想下振れを受けて、タカ派姿勢を軟化させるとの見通しも浮上していることから、100円台回復はやや難しいか。

また、日経通貨インデックスを見ると円は下落基調を強めている。ドルは2022年高値151円96銭を27日に上回る動きが見られたことで、政府・日銀による為替介入警戒感がかなり高まっている。

豪ドルのみならず主要通貨は、政府・日銀関係者の口先介入に降らされやすくなっており、疲れる地合いだ。仮に為替介入が実施された場合、2022年の事例を考慮すると、ドルは4−5円ほど、豪ドルは2−3円ほど円高に振れる展開は頭に入れておきたい。

50日移動平均線、100日移動平均線が引き続きサポートラインとして機能しているほか、月足チャートでは、20年3月の59.87円を起点とした下値支持線が機能しており、長期的なトレンドはしっかりだ。とはいえ、21日に長い上ヒゲを残していることや、ターゲットである100円台をつけたことに伴う達成感は引き続き意識されよう。

介入警戒も高まっていることから、豪ドル買い円売りは進めにくい。来週は99円台前後でのもみ合いを想定するが、円買い介入が行われた際は、サポートラインとして機能している50日移動平均線や100日移動平均線が位置している97円水準を一瞬で下回る急激な豪ドル売り円買いとなることは意識しておきたい。

日本当局の介入警戒が重しとなり98円台でのもみ合いか

豪ドル円日足

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