トルコリラ円見通し 3営業日連続でドル安リラ高、トルコリラ円も3連騰で4.70円台中盤を回復(24/4/4)

トルコリラ円の4月3日は概ね4.76円から4.70円の取引レンジ、4日早朝の終値は4.75円で前日終値の4.73円からは0.02円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し 3営業日連続でドル安リラ高、トルコリラ円も3連騰で4.70円台中盤を回復(24/4/4)

3営業日連続でドル安リラ高、トルコリラ円も3連騰で4.70円台中盤を回復

〇トルコ円、ドル安リラ高基調とドル円の上昇で、4/3夜4.76まで切り返すも4/1高値4.77超えに至らず
〇その後ドル円が4/4朝に151.50近辺へ反落したためジリ安となり、4/4午前序盤には4.73まで下げる
〇対ドル、4/3は概ね32.11から31.75の取引レンジ、3営業日連続でドル安リラ高となる
〇トルコ3月CPI上昇率は予想を下回るも、コア指数前年比は大幅に伸びる
〇4.72を上回るうちは上昇余地ありとし、4.76超えからは4.77、4.78を順次試す上昇を想定する
〇4.70割れからは下落期入りとみて、4.67前後への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の4月3日は概ね4.76円から4.70円の取引レンジ、4日早朝の終値は4.75円で前日終値の4.73円からは0.02円の円安リラ高だった。
3月31日のトルコ統一地方選でエルドアン大統領率いる与党AKPが野党CHPに大敗したことをきっかけにドル安リラ高となり、トルコリラ円は4月1日夕刻のトルコ市場時間入りからのドル安リラ高が勢い付いたことにより1日夜高値4.77円へ急騰した。当初のドル売りリラ買いが一巡したことで2日午前に4.69円まで反落したが、ドル安リラ高基調が2日、3日と続いたことと、ドル円が4月3日夜高値で151.95円まで上昇したことで3日夜には4.76円まで切り返した。しかし4月1日夜高値超えには至らず、ドル円が3日夜の米ISMサービス業景況指数の2か月連続悪化により4日朝には151.50円近辺へ反落したために1日深夜以降はジリ安となり、4日午前序盤には4.73円まで下げている。

ドル/トルコリラが3営業日連続でドル安リラ高となり、3月21日のトルコ中銀による予想外の利上げと3月31日の統一地方選挙での与党敗北を受けてドル/トルコリラにおける史上最安値更新がストップしており、トルコリラ円としてはドル円が151円台の持ち合いから上放れへ進めば上昇に弾みがつく可能性のあるところだが、ドル円が市場介入を警戒して持ち合い下放れに入る場合は円高に押し負けて下落再開となる可能性も抱えているところだ。

【ドル/トルコリラ 3営業日連続でドル安リラ高】

ドル/トルコリラの4月3日は概ね32.11リラから31.75リラの取引レンジ、4日早朝の終値は31.95リラで前日終値の32.04リラから0.09リラのドル安リラ高だった。
3月31日のトルコ統一地方選挙でエルドアン政権の与党AKPが大敗し、最大都市イスタンブールや首都アンカラ等の首長選で野党CHPが圧勝したことにより、エルドアン政権が民衆の支持を回復させるために金融・経済政策の正常化を継続してインフレ抑制を進めるとの期待感から歴史的なリラ安にブレーキがかかり、4月1日に32.48リラから一時31.36リラへドル安リラ高となり、1日終値は32.08リラと32リラ台へ戻したものの3月29日終値32.35リラから大幅なリラ高となり、2日終値32.04リラ、3日終値31.95リラと3営業日連続でドル安リラ高とした。
3月19日に32.50リラを付けて史上最安値とした後、3月21日のトルコ中銀による予想外の利上げと統一地方選での与党敗北で昨年9月から続いてきた毎月の史上最安値更新による歴史的リラ安に歯止めがかかり始めた印象だ。

【トルコ3月CPI上昇率は予想を下回るもコア指数前年比は75.2%に】

4月3日16時に発表されたトルコの3月CPI(消費者物価指数)上昇率は全体の前月比が3.16%となり2月の4.53%から伸びが鈍化して市場予想の3.50%も下回った。前年同月比は68.50%で2月の67.07%から伸びが加速したものの市場予想の69.10%を下回り、一部で70%超えとみられていたことと比較すると穏やかな伸びだった。ただし、食料品やエネルギーを除いたコア指数の上昇率は前月比3.5%で2月の3.6%からわずかな鈍化に留まり高水準を維持し、前年同月比は75.2%で2月の72.9%から大幅に伸びており、インフレ高進がまだ収まっていないことが再認識された。
同時に発表された3月PPI(生産者物価指数)の上昇率も前月比が3.29%で2月の3.74%から若干鈍化したものの前年同月比は51.47%で2月の47.29%から加速している。

統一地方選で敗北を喫したエルドアン政権としては高インフレが民衆の政府批判の背景であることを認識してインフレ抑制へより積極的姿勢を示して行かざるを得ないと思われる。トルコ中銀は2月にインフレ対策としての利上げを終了したと宣言したものの3月21日に5%の追加利上げをしており、4月と5月も連続利上げで政策金利を60%まで引き上げてインフレ抑制を目指すのではないかとの見方も強まっている。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、3月30日早朝へ続落したところから戻し、統一地方選での与党敗北をきっかけに4月1日夜へ急伸したことにより、4月2日朝時点では3月30日早朝安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとした。
4月2日午前へいったん反落してから戻したためまだ上昇余地ありとするが、4月1日夜高値を超えられずに4日午前に反落しているため、4.72円割れを弱気転換注意とし、4.70円割れからは弱気サイクル入りとして4日の日中から6日早朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では4月3日夜への戻り一巡で失速しているため先行スパンからの転落は回避しているものの遅行スパンは悪化しやすい位置にある。先行スパンからの転落を回避するうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とするが、先行スパンから転落する場合は下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は4月1日夜の急伸時に80ポイントを超えてから50ポイント台まで急低下し、3日夜の上昇時は70ポイントを超えたものの1日夜急伸時の水準には届かずにいる。50ポイント以上を維持する内は次の60ポイントを超えから上昇再開とするが、50ポイント割れを下向きとし、45ポイント割れからは下落期入りとみて30ポイント以下への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.70円を下値支持線、4.76円を上値抵抗線とする。
(2)4.72円を上回るか一時的に割り込んでも回復するうちは上昇余地ありとし、4.76円超えからは4.77円、4.78円を順次試す上昇を想定する。4.77円以上は反落警戒とするが、4.72円を上回っての推移なら5日も高値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)4.70円割れからは下落期入りとみて4.67円前後への下落を想定する。4.67円以下は反騰注意とするが、4.70円を下回っての推移なら5日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

4月4日
 20:30 週次 外貨準備高 3月29日時点 グロス (3月22日時点 706.8億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 3月29日時点 ネット (3月22日時点 152.1億ドル)
4月8日
 16:00 2月 鉱工業生産 前月比 (1月 0.0%)
 16:00 2月 鉱工業生産 前年同月比 (1月 1.1%)


注:ポイント要約は編集部

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