史上最安値更新中、下値メドが無いため短期リバウンド狙いはほぼ無理な状況
【先週のトルコリラ】
先週のトルコリラは、2月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上振れたことから、インフレ再加速が嫌気されて4.5760円と史上最安値を更新した。
4日に発表された2月CPIは前月比+4.53%と市場予想同+3.85%を大幅に上回る結果となったほか、コアCPIは前年比+72.89%と前回の同+70.48%、市場予想同+71.90%をともに上回った。
また、同日に発表された2月生産者物価指数も前年比+47.29%と前回の同+44.20%を大幅に上回ったことから、インフレ再加速が意識され、トルコリラは売り優勢の地合いとなった。
3月4日の経済指標発表後、トルコリラは1月3日につけた史上最安値4.7396円をあっさり更新。週を通して下値模索の展開が続き、8日は4.5760円まで下落した。
トルコ・円(東京時間:3月4日―3月8日)※Investing.comの日足を参照
始値:4.7878円
高値:4.8015円
安値:4.5760円
終値:4.6060円
【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間
3月4日
16時00分、2月CPI(前月比)、前回:6.70%、市場予想:3.85%、結果:4.53%
16時00分、2月CPI(前年比)、前回:64.86%、市場予想:66.00%、結果:67.07%
16時00分、2月CPI(コア)(前年比)、前回:70.48%、市場予想:71.90%、結果:72.89%
16時00分、2月PPI(前月比)、前回:4.14%、結果:3.74%
16時00分、2月PPI(前年比)、前回:44.20%、結果:47.29%
3月11日
16時00分、1月失業率、前回:8.8%
16時00分、1月小売売上高(前年比)、前回:11.4%
3月12日
16時00分、1月鉱工業生産(前月比)、前回:2.4%
16時00分、1月鉱工業生産(前年比)、前回:1.6%、市場予想:1.5%
16時00分、1月経常収支、前回:−20.9億ドル、市場予想:−29.1億ドル
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のトルコリラは、引き続き史上最安値更新を試す展開となりそうだ。じりじりとした下落が続いていることからリバウンドが入りにくい状況となっており、トルコ中央銀行(トルコ中銀)から明確なメッセージが出ない限り厳しいと言えよう。
今のトルコリラの下げ基調は、トルコ中銀に対して「利上げ再開」を強く促すメッセージとも捉えられる。カラハン新総裁は、昨年11月時点のインフレ見通し(2024年末に+36.0%まで低下)を継続しているが、2月CPI前年比+67.07%と前回の同+64.86%を大幅に上回った。市場ではインフレ再加速に対するトルコ中銀の対応策を待っており厳しい状況が続いている。
日足チャートでは、2月23日以降、陰線が11営業日連続で示現しており珍しい状況だ。12営業日の騰落でモメンタムを判断するサイコロジカルラインでは、3月11日も陰線となれば12営業日連続陰線という世にも珍しい状況となる。0勝12敗の確率は4096分の1である。日経平均では2017年10月に記録して以来で、為替市場ではほとんど見たことがない。
一目均衡表でも、雲下限を明確に下放れており、遅行スパンは当然ながら実線を下抜いており、トレンドは悪化中。下値メドが存在しないことから短期リバウンドを狙うのはほぼ不可能という状況だ。
11日に発表される1月失業率及び1月小売売上高などの経済指標が少し改善しただけでは止まらないほど下げトレンドは強い。明確なカラハン・トルコ中銀総裁のコメントが出てこない限り下値模索の地合いを想定する。
トルコリラ円日足
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