トルコリラ円見通し 1ドル31リラ台へ下落、ドル円も上値重く2/14早朝からの下落基調続く(24/2/21)

トルコリラ円の2月20日は概ね4.87円から4.84円の取引レンジ、21日早朝の終値は4.85円で前日終値の4.86円から0.01円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し 1ドル31リラ台へ下落、ドル円も上値重く2/14早朝からの下落基調続く(24/2/21)

リラ安収まらずドル円も上値重く2月14日早朝からの下落基調続く

〇トルコ円、2/21未明のドル円下落を追い4.84へ下げ、2/21朝には4.83つける場面入れつつ4.85近辺
〇一時的な飛び値を除けば2/14早朝からジリ安基調、年初からの上昇一巡で下落期入りの印象も
〇対ドル、トルコ金融政策委控えリラ売り加速。1ドル31リラ台到達、取引時間中と終値の史上最安値更新
〇一時的な上昇を除いて4.87下回るうちは一段安警戒、4.82割れからは4.80前後への下落を想定
〇4.87前後は戻り売り有利とみる。4.87超えからは4.89試しとするがその後の反落警戒

【概況】

トルコリラ円の2月20日は概ね4.87円から4.84円の取引レンジ、21日早朝の終値は4.85円で前日終値の4.86円から0.01円の円高リラ安だった。
ドル円は2月13日夜の米CPI発表後に急伸して2月14日早朝に150.88円を付けて昨年12月28日安値140.24円以降の最高値とした後は上昇が頭打ちとなり、その後は150円を挟んだ持ち合いで推移している。2月20日は午後に150.43円まで戻してから失速し、1月の米CB景気先行指数が1年11か月連続で前月比マイナスとなったことで21日未明に149.68円まで下げたが、2月15日夜安値149.55円割れをひとまず回避して再び150円前後へ戻している。

トルコリラ円は20日午後にかけてドル円が上昇したのを見て4.87円まで戻したが、21日未明にかけてのドル円の下落を追い4.84円へ下げ、21日朝には4.83円をつける場面を入れつつ4.85円近辺に付けている。
2月16日未明と2月20日早朝に一時的な飛び値で4.96円近辺を付けているものの、それらを除けば2月14日早朝からジリ安基調にあり、年初からの上昇が一巡して下落期に入ってきている印象もある。ドル/トルコリラは1ドル31リラ台へ史上最安値を更新してリラ安が収まる気配がみられないこと、ドル円も米国の早期利下げ期待後退によるドル高が一巡したことと日銀によるマイナス金利解除への地ならし的な動きを意識して上値が重くなっているため、トルコリラ円はドル高リラ安による圧迫感の継続と円高のぶり返しへの懸念により安値試しへ向かいやすくなっているのではないかと考える。

【ドル/トルコリラは取引時間中及び終値での史上最安値更新】

ドル/トルコリラの2月20日は概ね31.04リラから30.65リラの取引レンジ、21日早朝の終値は30.90リラで前日終値の30.81リラから0.09リラのドル高リラ安だった。
2月22日のトルコ中銀金融政策委員会を控えてリラ売りが加速しており、1ドル31リラ台に初めて到達し、取引時間中及び終値としての史上最安値を更新した。

トルコ中銀は昨年10月に5.0%利上げしたが、11月は2.5%利上げへペースダウンしてインフレ対策としての利上げサイクル終了が近いと示唆し、12月も2.5%利上げにとどめ、今年1月25日には2.5%利上げで政策金利を45%としたものの利上げ終了を宣言した。高インフレが収まらない中での利上げ終了宣言を不服としてリラ売りは続き、2月2日に金融政策正常化と連続利上げを実行してきたエルカン中銀総裁が突然辞任したことによる先行き不透明感、2月5日の1月トルコCPIが前月比で伸びを加速させたこと、2月8日のカラハン中銀新総裁も利上げ終了姿勢を改めて強調したことで史上最安値更新の流れが収まらずにいる。
2月22日のトルコ中銀金融政策委員会では政策金利据え置きとの予想でエコノミストらの意見は一致しており、予想通りなら追加利上げ催促によるリラ売りがさらに勢い付く可能性もあると注意したい。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、2月14日早朝高値をサイクルトップとして15日夜から19日夜にかけての間への下落を想定していたが、2月16日夜に戻してから失速して2月12日夜安値からすでに4日を経過したために19日午前時点では2月16日早朝安値を割り込む場合は新たな弱気サイクル入りとするのを妥当とみて16日早朝安値を直近のサイクルボトムとし、2月19日夕刻への下落で16日早朝安値を割り込んだため、2月20日午前時点では2月16日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして21日早朝から23日早朝にかけての間への下落を想定した。
2月21日午前序盤へ続落しているので引き続きボトム形成中とみるが、2月19日夕安値を直近のサイクルボトムとしてボトム形成期が週明けまで延びる可能性もあると注意する。強気転換は4.89円を超える反騰からとする。

60分足の一目均衡表では2月21日朝への下落で遅行スパンが悪化して先行スパンからの転落も続いているため遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。先行スパンを上抜き返せないうちは一時的に遅行スパンが好転してもその後に悪化するところから下げ再開とし、強気転換は先行スパンを上抜き返すところからとする。

60分足の相対力指数は2月20日午後に60ポイント手前へ上昇してから21日未明に30ポイント割れへ低下した。その後に40ポイント台へ戻しているものの50ポイント以下での推移中は一段安警戒とする。強気転換は55ポイントを超えてからも50ポイント以上を維持する反騰が必要と思われる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.82円を下値支持線、4.87円を上値抵抗線とする。
(2)一時的な上昇を除いて4.87円を下回るうちは一段安警戒とし、4.82円割れからは4.80円前後への下落を想定する。4.80円以下は反発注意とするが、4.85円を下回っての推移なら22日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.87円前後は戻り売り有利とみる。4.87円超えからは4.89円試しとするがその後の反落警戒とする。

【当面の主な予定】

2月21日
 16:00 2月 消費者信頼感指数 (1月 80.4)
2月22日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 45.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 2月16日時点 グロス (2月9日時点 863.7億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 2月16日時点 ネット (2月9日時点 288.0億ドル)
2月23日
 16:00 2月 製造業景況感 (1月 100.9)
 16:00 2月 設備稼働率 (1月 76.2%)
 17:00 1月 海外観光客数 前年同月比 (12月 3.51%)



注:ポイント要約は編集部

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