ドル円見通し 2月14日早朝高値の後は150円を挟んだ持ち合いで方向感探る(24/2/21)

ドル円は2月13日夜の米CPI発表後の急伸で付けた2月14日早朝高値150.88円を当面のピークとして150円を挟んだ持ち合いに入っている。

ドル円見通し 2月14日早朝高値の後は150円を挟んだ持ち合いで方向感探る(24/2/21)

2月14日早朝高値の後は150円を挟んだ持ち合いで方向感探る

〇ドル円、米CPI後の急伸でつけた2/14早朝高値150.88を当面のピークとして150円挟んだ持ち合い
〇2/20深夜の米CB景気先行指数発表直後149.68まで下げるも、2/21朝150円前後の水準へ戻す
〇日銀要人発言、マイナス金利解除への地ならしの印象を与えてドル円の上値を抑えているか
〇米CB景気先行指数、1年11か月連続で低下するも反応は限定的
〇2/22早朝米FOMC議事要旨発表予定、6月利下げ開始への期待度が増すかに注目
〇米長期債利回りはまちまち、米国株式市場は軟調
〇149.68上回るうちは上昇余地あり、150.43超えからは2/14早朝高値150.88及び151.00試す上昇想定
〇149.68割れからは2/13夜安値149.26、2/12夜安値148.90を順次試す下落想定

【概況】

ドル円は2月13日夜の米CPI上昇率が予想を上回ったことによる急伸で2月14日早朝に150.88円を付けて昨年12月28日安値140.24円以降の最高値とした後は150円を挟んだ持ち合いで推移している。
2月14日早朝へ急伸した後の反動安で2月15日夜に149.55円をつけたところから16日夜の米PPI発表後に150.64円まで戻したものの勢いを欠き、米国市場が休場だった19日は手掛かりにかけて150円を挟んで小動きとなり、20日は午後に150.43円まで戻したところで売られて20日深夜の米景気先行指数発表直後に149.68円まで下げたが、21日朝は150円前後の水準へ戻している。
中国人民銀行が住宅ローン金利の基準となる5年物LPR(最優遇貸出金利)を0.25%引き下げたことで上海総合株価指数が春節前からの連騰を伸ばし、景気回復へのテコ入れ効果と新興国市場への波及期待でリスクオン優勢感が強まったこともドル安要因だったとの見方もあるようだ。

日銀の清水理事が「賃金上昇を伴う形で2%物価目標の持続的実現を目指す」「基調的に物価が高まれば大規模緩和継続の是非を検討する」「マイナス金利を解除しても緩和的金融環境は当面続く」等と述べたことに対する市場の反応は鈍かったが、植田総裁、内田副総裁らも含め、徐々にマイナス金利解除への地ならしをしている印象を与えていることがドル円の上値を抑えている印象もある。

【米CB景気先行指数、1年11か月連続で低下】

2月20日深夜に米調査会社コンファレンス・ボード(CB)が発表した1月の景気先行指数は102.7となり12月から0.4%低下して市場予想の0.3%低下を下回った。1年11か月連続で前月比マイナスが続いており、2020年4月以来最低水準となった。
CB担当者は「今年第2四半期と第3四半期の米GDP成長率はゼロに近くなる」と予想したが、「景気先行指数の低下は引き続き経済活動への逆風を示唆しているものの景気後退のシグナルは出ていない」と述べている。発表後に米長期債利回りはいったん低下したがその後に反発、為替市場も一時ドル安が加速したがその後は揺れ返しのドル高がみられ、反応は限定的だった。
2月22日早朝に米FOMC議事要旨(1月30-31日開催分)の発表があり、6月利下げ開始への期待度が増すか注目される。

【連休明けの米長期債利回りはまちまち、ダウは下落】

米国市場休場明けとなった2月20日の米長期債利回りはまちまちの動きだった。
長期金利指標の10年債利回りは先週末と変わらずの4.28%だった。昨年10月23日に付けた5.02%をピークとして早期利下げ期待から昨年12月27日の3.78%まで大幅低下し、その後は早期利下げ期待後退により上昇してきたが、2月13日の米1月CPI発表後に4.33%をつけた後は上げ渋りの様相で、20日は4.326%をつける場面も見られたが一時は4.24%まで低下している。
30年債利回りは先週末比0.01%上昇の4.45%、2年債利回りは先週末比0.03%低下の4.62%となった。
米国の利下げ時期については3月利下げ期待がほぼ解消して5月も5割以下と期待は薄いが6月開始期待度は高いままだ。利下げも時間の問題とすれば米長期債利回りの上昇も頭打ちとなりやすいところか。

一方で2月20日の米国株式市場は軟調だった。NYダウは先週末比64.19ドル安となり2月16日の145.13ドル安から続落したが2月12日に史上最高値を38797.38ドルまで伸ばした後は頭打ちの様相であり、昨年10月末からの上昇も3か月半を経過したことでさらに一段高へ進めるのかいったん仕切り直しの下落期に入るのか試されている印象だ。ナスダック総合指数も先週末比144.87ポイント安と下落して2月16日の130.52ポイント安からの続落に終わった。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は2月13日夜の米CPI発表後の急伸で付けた2月14日早朝高値150.88円を当面のピークとして150円を挟んだ持ち合いに入っている。2月15日夜安値149.55円から2月21日未明安値149.68円へ安値ラインはやや切り上がっているものの、2月16日夜高値150.64円から2月20日午後高値150.43円へ戻り高値は切り下がり気味となっている。
2月20日午後高値150.43円を上抜くところからは持ち合い上放れを試す上昇期として21日夜から23日深夜にかけての間への上昇を想定するが、2月20日午後高値を超えないうちは21日の日中から22日深夜にかけての間への下落余地ありとみる。

60分足の一目均衡表では、2月20夜の下落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落しているため遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下落再開とするが、先行スパンを上抜き返すところからは上昇継続の可能性ありとみて遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は2月20日午後に70ポイントへ到達してから21日未明には30ポイントまで低下した。その後も50ポイント以下での推移が続いているのでまだ下落余地ありとするが、相場が安値を更新する際に指数のボトムが切り上がる強気逆行がみられる場合は反騰注意とし、50から続伸し始める場合は上昇期入りとみて60ポイント台への上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、2月21日未明安値149.68円を下値支持線、2月20日午後高値150.43円を上値抵抗線とする。
(2)149.68円を上回るうちは上昇余地ありとし、150.43円超えからは2月14日早朝高値150.88円及び151.00円を試す上昇を想定する。150.80円以上は反落警戒とし、その後に150.30円を割り込む場合は下落再開を疑うが、150.43円を上回っての推移なら22日も高値試しを続けやすいとみる。
(3)149.68円割れからは2月13日夜安値149.26円、2月12日夜安値148.90円を順次試して行く下落を想定する。149円台序盤ではいったん買われやすいとみるが、149.68円を割り込んでの推移なら22日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の予定】

2/21(水)
22:00 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、会合挨拶
24:00 (欧) 2月 消費者信頼感・速報値 (1月 -16.1、予想 -15.6)
25:30 (米) 財務省2年変動利付債入札
27:00 (米) 財務省20年債入札
28:00 (米) FOMC議事要旨(1月30日-31日開催分)

2/22(木)
06:45 (NZ) 1月 貿易収支 (12月 -3.23億NZドル)
17:30 (独) 2月 製造業PMI・速報値 (1月 45.5、予想 46.0)
17:30 (独) 2月 サービス業PMI・速報値 (1月 47.7、予想 48.0)
18:00 (欧) 2月 製造業PMI・速報値 (1月 46.6、予想 47.0)
18:00 (欧) 2月 サービス業PMI・速報値 (1月 48.4、予想 48.8)
18:30 (英) 2月 製造業PMI・速報値 (1月 47.0、予想 47.5)
18:30 (英) 2月 サービス業PMI・速報値 (1月 54.3、予想 54.5)
19:00 (欧) 1月 HICP(消費者物価指数)・改定値 前年同月比 (速報 2.9%、予想 2.8%)
19:00 (欧) 1月 コアHICP・改定値 前年同月比 (速報 3.3% 、予想 3.3%)
21:30 (欧) 欧州中銀理事会議事要旨

22:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 21.2万件、予想 21.8万件)
22:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 189.5万人、予想 187.8万人)
23:45 (米) 2月 製造業PMI・速報値 (1月 50.7、予想 50.4)
23:45 (米) 2月 サービス業PMI・速報値 (1月 52.5、予想 52.1)
24:00 (米) 1月 中古住宅販売件数・年率換算 (12月 378万件、予想 397万件)
24:00 (米) 1月 中古住宅販売件数 前月比 (12月 -1.0%、予想 4.9%)
24:00 (米) ジェファーソンFRB副議長、講演
25:00 (米) EIA週間石油在庫統計
27:00 (米) ボウマンFRB理事、講演
27:00 (米) 財務省30年インフレ連動債入札
28:00 (米) ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、講演



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