NZ中銀のタカ派姿勢を受けて、15年4月以来の92円台が射程に
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、ニュージーランド準備銀行(NZ中銀)のタカ派姿勢が確認できたことから上昇基調が継続、昨年12月高値を上回る強い動きが見られた。
NZ中銀のオア総裁は、12 日の議会委員会で、「インフレ(昨年10−12月期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比+4.7%)は依然として高すぎる」と指摘。インフレ問題への取り組みはまだ終わっておらず、「制約的な金融政策」スタンスを維持する姿勢を示した。
NZ中銀のタカ派姿勢が確認されたことからNZドルは12日に91円89銭まで上昇。その後は上げ一服となったが、14日に発表された1月の食料品価格が前月比0.9%増と前回の−0.1%を大幅に上回ったことなどから売りは限定的。高水準の政策金利が当面維持されるとの見方から、NZ ドルは昨年12月高値91円54銭を上回って推移した。
NZドル・円(東京時間:2月12日―16日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値:91円79銭
高値:91円89銭
安値:90円89銭
終値:91円54銭
【今週と来週の重要指標】
※時間は東京時間
2月13日
11時00分、第1四半期2年インフレ予想、前回:2.76%、結果:2.50%
2月14日
6時45分、1月食料品価格(前月比)、前回:−0.1%、結果:0.9%
2月21日
6時45分、第4四半期生産者物価指数(前期比)、前回:0.8%
2月22日
6時45分、1月貿易収支、前回:−3.23億NZドル
2月23日
6時45分、第4四半期小売売上高(前期比)、前回:0.0%
※予定は変更することがございます。
【来週の見通し】
来週のNZドルは、NZ中銀のタカ派姿勢を背景に上を意識した地合いが続くと考える。
隣国のオーストラリア経済や、経済的なつながりが強い中国経済などを考慮する必要はあるが、今週は自国の材料をきっかけに、昨年12月高値を上回っていることからトレンドは強い。
テクニカルでは100日移動平均線を上放れており、昨年12月高値を起点とした上値抵抗線を上抜いている。日足の一目均衡表でも雲上限より上で推移しており、遅行スパンも実線をクリア。転換線も基準線を上回っていることから「三役好転」が示現。短期的なトレンドは非常に強い。
雲下限では下影(下ヒゲ)を残し、下値を切り上げていることから底堅い地合いが継続している点は豪ドルと同じだが、昨年12月高値を上回っていることから相対的にNZドルの方が強い。
現在、2015年4月の92円43銭が目先のターゲットとなっている。
来週は生産者物価指数や貿易収支、小売売上高など重要な経済指標の発表を控えている。モメンタムが上向きとなっていることから、自国経済の強い数字に対しては素直なNZドル買いの反応を示すと想定する。
2024年一回目のNZ中銀の政策金利(現在、5.5%と約15年ぶりの高水準)発表は2月28日に行われる。日米欧など先進国の中銀会合のスケジュールでは最も遅く、各国のスタンスや自国経済指標を確認する時間は十分ある。
今週の「タカ派」姿勢を受けて、足元のニュージーランド経済指標が強ければ、「追加の利上げ検討」の色合いが強まる可能性もある。トレンド面だけではなく、金融政策の観点でもNZドル高の展開は続くかもしれない。
NZドル円日足
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