トルコリラ円見通し ドル円の上昇一服感とドル高リラ安継続で上値重い(24/2/13)

2月12日は概ね4.88円から4.84円の取引レンジ、13日早朝の終値は4.85円で前日終値からは0.01円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円の上昇一服感とドル高リラ安継続で上値重い(24/2/13)

トルコリラ円見通し ドル円の上昇一服感とドル高リラ安継続で上値重い

〇トルコリラ円、2/9朝高値4.89をつけた後は軟調推移、2/12朝安値4.84をつけた後は安値更新を回避
〇ドル円が2/13未明へ戻したところで4.86を付けたものの、その後は伸びず
〇米1月CPI・小売売上高を通過してドル円が一段高へ進めばトルコリラ円も4.90台回復へ向かう可能性も
〇対ドル、2/12は概ね30.76から30.45の取引レンジ、終値ベースでは2/8終値30.57を超えて最安値更新
〇2/9と2/12に発表されたトルコ経済指標は、改善傾向を示したものの市場の反応は鈍い
〇4.84割れからは、4.82、4.80を順次試して行く下落を想定する
〇4.87超えからは、4.89試しとする

【概況】

トルコリラ円の2月9日は概ね4.94円から4.84円の取引レンジ、10日早朝の終値は4.86円で前日終値の4.87円から0.01円の円高リラ安だった。週間では2月2日終値4.85円から0.01円の円安リラ高だった。
2月12日は概ね4.88円から4.84円の取引レンジ、13日早朝の終値は4.85円で前日終値からは0.01円の円高リラ安だった。

ドル円は2月2日夜の米雇用統計が予想以上に堅調だったことと2月8日の内田日銀副総裁発言がハト派的と受け止められたことで2月2日未明安値145.89円から2月9日夕高値149.57円まで上昇したが、150円手前で上昇一服感が出ており、トルコリラ円への押し上げ力も鈍っている。2月12日は夜に148.90円まで下げてから13日未明に149.47円まで戻しており、先週末からは149円台前半を中心とした持ち合いの様相だ。
トルコリラ円は2月2日午前の一時的安値で4.76円を付けたところから2月3日早朝高値4.89円まで上昇したが、ドル円がその後に高値を切り上げた局面では高値更新へ進めず、2月9日朝高値で4.89円の同値とした後は軟調推移となっている。2月12日は朝に一時的な安値で4.84円をつけた後は安値更新を回避し、ドル円が13日未明へ戻したところで4.86円を付けたもののその後は伸びずにいる。

【2月以降の底上げ基調を維持できるか試される】

トルコリラ円は2月2日午前安値4.76円から2月8日午前安値4.82円へ底上げしているため、底上げ基調を維持するうちは4.89円の抵抗を突破して4.90円台序盤へ進む可能性も開けると思われるが、底上げ基調が崩れると上値の重さを意識されて2月2日午前安値を再び試しに向かう可能性が優勢になってゆくのではないかと思われる。
今週は2月13日夜の米1月CPI、15日夜の米1月小売売上高に市場の関心が集まっているが、それらを通過してドル円が一段高へ進めばトルコリラ円も4.90円台回復へ向かう可能性が開けるが、それらを通過してドル円が下落する場合はドル高リラ安の継続とともにトルコリラ円も底上げ基調から転落する可能性がある。

【ドル/トルコリラは9週連続のリラ安、3週連続で史上最安値更新】

ドル/トルコリラの2月9日は概ね30.77リラから30.13リラの取引レンジ、10日早朝の終値は30.56リラで前日終値の30.57リラからは0.01リラのドル安リラ高だった。週間では2月2日終値の30.40リラから0.16リラのドル高リラ安となり、12月中盤からは9週連続のドル高リラ安。2月6日に30.83リラを付けて3週連続で取引時間中の史上最安値を更新した。
2月12日は概ね30.76リラから30.45リラの取引レンジ、13日早朝の終値は30.64リラで先週末終値からは0.08リラのドル高リラ安で終値ベースでは2月8日終値30.57リラを超えて最安値を更新した。

1月25日にトルコ中銀が2.5%追加利上げで政策金利を45.0%としたもののインフレ抑制のための利上げ終了を宣言したこと、2月2日にトルコ中銀のエルカン総裁が突然辞任したこと、2月5日のトルコ1月消費者物価指数上昇率が全体の前月比が6.7%となり12月の2.93%から伸びが加速して前年比も64.86%へと12月の64.77%を上回ったことによるインフレ継続感、各種調査による今年のドル/トルコリラの年末見通しが1ドル34リラから36リラや最悪の場合は40リラへ向かうとの指摘などがリラ売りの流れを助長してきた。
トルコ中銀はエルカン総裁辞任を受けてカラハン新総裁(NY連銀元エコノミスト)が2月3日に就任、2月8日に就任後初めとなる会見において今後のインフレ見通しが悪化した場合には従来の決定を再評価するとしたものの、「現時点では追加の利上げが必要だとは考えていない」と述べており、新総裁会見後もリラ安基調は変わっていない印象だ。

2月9日と12日のトルコ経済指標は改善傾向を示したものの市場の反応は鈍かった。
2月9日に発表されたトルコの12月鉱工業生産は前月比8.2%増で11月の2.8%減から改善し、前年比は1.60%増で11月の0.10%増を上回った。また2月12日に発表されたトルコの12月失業率は8.8%となり11月の8.9%(速報の9.0%から下方修正)を下回り改善傾向を示した。本日は12月のトルコ経常収支、12月小売売上高の発表がある。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、2月9日朝への上昇で強気転換目安とした4.86円を超えて4.89円まで高値を伸ばしたため、9日午前時点では8日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとし、トップ形成期を8日から10日早朝にかけての間として4.84円割れからは8日午前安値(4.82円)試しとした。
しかし、2月9日朝高値の後はジリ安の推移が続いているため、9日朝高値を上抜く場合は新たな強気サイクル入りとするのを妥当とみて9日朝高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。ボトム形成期は13日午前から15日午前にかけての間とするが、9日朝高値を超える場合は強気サイクル入りとして14日朝から16日朝にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では2月9日朝高値からややジリ安基調にあるため遅行スパンは実線と交錯し、先行スパン内を中心にもみ合いの様相となっている。先行スパンからの転落状態が続く場合は下向きとして遅行スパン悪化中の安値試し優先とするが、4.87円超えからは上昇再開の可能性ありとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は2月8日深夜に70ポイントを超えたがその後の反落で12日午前には30ポイントまで低下し、13日未明への上昇時に60ポイントに迫ってから再び50ポイントを割り込んでいる。方向感に欠けるところだが、55ポイント超えから上向きとし、60ポイント超えからは70ポイントを目指す上昇を想定するが、45ポイント割れを下向きとし、40ポイント割れからは下落期入りとみて20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.84円を下値支持線、4.89円を上値抵抗線とする。
(2)4.87円以下での推移中は下向きとして4.84円試しとし、4.84円割れからは4.82円、4.80円を順次試して行く下落を想定する。4.82円以下は反騰注意とするが、4.85円以下での推移なら14日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.87円超えからは4.89円試しとする。4.89円手前は反落注意とするが、4.87円を上回っての推移なら14日も高値試しへ向かいやすく、4.89円超えからは4.90円台序盤への上昇期に入るとみる。

【当面の主な予定】

2月13日
 16:00 12月 経常収支 (11月 -27.22億ドル)
 16:00 12月 小売売上高 前月比 (11月 0.2%)
 16:00 12月 小売売上高 前年同月比 (11月 12.8%)
2月15日
 17:00 1月 財政収支 (12月 -8425.3億リラ)
 20:30 週次 外貨準備高 2月9日時点 グロス (2月2日時点 865.4億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 2月9日時点 ネット (2月2日時点 280.4億ドル)
2月20日
 23:30 1月 中央政府債務残高 (12月 6兆7230億リラ)
2月21日
 16:00 2月 消費者信頼感指数 (1月 80.4)


注:ポイント要約は編集部

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