ユーロドルは緩やかな下げを継続
〇先週のユーロドル、FOMC発表前に1.08台後半へと上昇するも、発表後はドル買いの動きから反落
〇2/1の英中銀MPCを受けてポンドが急騰、ユーロも連れ高の動きを見せる
〇週末は米雇用統計の強い結果にドル全面高・ユーロ下落、週間ではドル高・ユーロ安がやや目立った週
〇現時点では、FRBは5/1に緩和転換の可能性高く、ECBは状況次第では3月利下げの可能性という見方
〇テクニカルにも、ユーロドルは当面は緩やかなユーロ安の流れを継続か
〇今週は1.0700レベルをサポートに、1.0830レベルをレジスタンスと、下降トレンド継続の流れを見る
今週の週間見通しと予想レンジ
先週のユーロドルは週前半には1.08台前半でイベント前のもみあいを続けていましたが、FOMC当日は発表前には買いが強まり1.08台後半へと上昇していたものの、FOMCの結果がややタカ派的と取られドル買いの動きから反落。しかし、木曜には英中銀MPCで現状維持とはなったものの利上げに賛成した委員が2人いたことからポンド急騰、ユーロも連れ高の動きを見せました。
そして、雇用統計では強すぎる結果にドル全面高、ユーロは前日安値圏に並ぶ水準まで下げ、一週間終わってみると高値安値とも拡大する、難しい動きのもみあいとなり、週間通してみると、FOMCと雇用統計によるドル高・ユーロ安がやや目立った週となりました。
先週は金融政策ウィーク後半でFOMCと英中銀MPCがありましたが、どちらも予想通り現状維持ではあったものの、FRBはインフレが収まったと確信が持てるまでは緩和に転じないという声明であり、英中銀にいたっては利上げに票を投じた委員が2人もいたことで、最近のインフレは抑えられているものの、懸念は感じているといった様子を伺わせました。
そうは言っても長期的な緩和方向への転換という道筋も間違いなく、あとはタイミングということになりますが、FRBは5月1日に緩和に転じる可能性がかなり高く、ECBは状況次第では3月利下げもあり得るというのが現時点での見方となっています。そうなるとECBが先に動くということでユーロ売り・ドル買いのバイアスがかかりやすいということになりますが、英中銀の一部委員が示したインフレ懸念は一部のECB理事も共有する意見であることを考えると、次回の会合までの各種経済指標を見ながら、3月は不確か、5月時点では両者とも緩和に動いているという見方で良さそうです。
ユーロドルに関しては、当面は緩やかなユーロ安の流れを継続すると考えられ、テクニカルにもその見方を支持しているというチャートになっています。いつもの日足チャートをご覧ください。
先週だけで見ると上下に振れた難しい相場となっていましたが、日足で見ると今年に入ってから、多少上下のヒゲで試している日はあるもののピンクの平行下降チャンネルの中で緩やかな下降トレンドを継続していると見てよさそうです。金曜安値がほぼ木曜安値と並んで下げ止まる動きを見せたものの、現状は12月安値の1.0723レベルを試しやすい流れにあると言えるでしょう。
今週は1.0700レベルをサポートに、1.0830レベルをレジスタンスと引き続き下降トレンドの流れを見ておきます。
今週のコラム
今週はポンドドルの日足チャートを見て行きます。
英中銀MPCで利上げ票に賛成した委員がいたということはサプライズで一時的にポンドは大きく上昇しましたが、その後米国雇用統計後のドル全面高で行って来い、改めて年初来安値をトライする流れになってきました。
チャートで見ても11月末以降、高値圏でのもみあいを続けつつ、反転パターンを形成中の動きになっています。1月安値を明確に下抜けると、思いの外ポンドドルは下げる動きが強まると考えられるため、今週前半の動きには注意が必要でしょう。
今週の予定
今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
2月5日(月)
16:00 ドイツ12月貿易収支
17:50 フランス1月サービス業PMI
17:55 ドイツ1月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏1月サービス業PMI
18:30 英国1月サービス業PMI
19:00 ユーロ圏12月PPI ☆
2月6日(火)
09:01 英国1月小売売上高
16:00 ドイツ12月製造業新規受注
18:30 英国1月建設業PMI
19:00 ユーロ圏12月小売売上高
2月7日(水)
16:00 ドイツ12月鉱工業生産
16:45 フランス12月貿易収支
17:40 英中銀副総裁講演 ☆
2月8日(木)
09:01 英国1月住宅価格
24:30 レーンECB理事講演 ☆
2月9日(金)
16:00 ドイツ1月CPI
前週のユーロレンジ
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
1月29日(月)
ユーロドルは東京市場では動かず、欧州市場に入ってからは米金利とともにドイツ金利も低下する動きから売りが強まり、ユーロは対ドル、対円ともに売りが広がる結果となりました。ユーロドルは金曜安値を下抜け1.0796レベル、ユーロ円も159.42レベルまで水準を下げ、引けにかけてはやや戻しました。
1月30日(火)
FOMCを前にユーロドルは東京時間は売りが先行、海外市場で買い戻しという動きとなりました。しかし、終日のレンジは45pipsに留まり、FOMCを控えての様子見姿勢が強まりました。
1月31日(水)
FOMCを前にユーロドルは買い戻しが目立ち1.0888レベルまで上伸していましたが、FOMC後は1.0795レベルまで下げる動きを挟んで、引けにかけては1.08台に乗せました。
2月1日(木)
ユーロドルは前日NY市場の下げを続け、欧州市場序盤に前日安値を割り込むと一時1.0780レベルの安値をつけました。しかし、その後は英中銀MPC後に買いが入ったポンドに引っ張られて上昇、NY市場ではドル売りの動きから一段高と1.0875レベルまで上昇し高値引けとなりました。
2月2日(金)
米国雇用統計を控えてユーロドルはNY市場までは小動きも若干底堅い動きとなっていましたが、ユーロ円の買いも入り1.0898レベルと週間高値を更新していました。しかし、NY市場では強すぎる雇用統計を受けて急反落、1.0780レベルと前日安値圏へと押し安値引けとなりました。
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