東京市場のドルは148円82銭まで上昇、ISM非製造業景気指数のハードルは高め(24/2/5)

東京時間のドル・円は、実需筋の買い観測を背景に148円82銭と1月戻り高値と同じ水準まで買われたが、その後は148円台半ばでのもみ合いとなった。

東京市場のドルは148円82銭まで上昇、ISM非製造業景気指数のハードルは高め(24/2/5)

東京市場のドルは148円82銭まで上昇、ISM非製造業景気指数のハードルは高め

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、実需筋の買い観測を背景に148円82銭と1月戻り高値と同じ水準まで買われたが、その後は148円台半ばでのもみ合いとなった。

先週末の海外時間では、米1月雇用統計で失業率が予想を下回り、非農業部門雇用者数が12月からの鈍化予想に反して拡大。伸びが1年ぶり最大を記録したほか、平均時給の伸びも予想を上回るなど、労働市場の強さが証明されたことで、ドル買いが強まる地合いに。

また、ミシガン大消費者信頼感指数では消費の底堅さが確認できたほか、米連邦準備制度理事会(FRB)が注目している同指数の長期期待インフレ率が予想を上回ったため、早期利下げ観測が大幅に後退。米10年債利回りは3.9%手前から一気に4.05%まで急上昇、ドル買いが加速し148円台まで上昇した。

東京時間では、朝方に企業のドル買い需要など実需筋の買いが入ったとの観測から、148円82銭と1月19日の戻り高値に面合わせする場面が見られたが、10時以降は積極的なドル買いは入らず、148円台半ばでのもみ合いとなった。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:148円49銭
高値:148円82銭
安値:148円31銭
終値:148円34銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:160円09銭
高値:160円28銭
安値:159円86銭
終値:159円94銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:96円65銭
高値:96円69銭
安値:96円42銭
終値:96円66銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:187円55銭
高値:187円64銭
安値:187円03銭
終値:187円07銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:36419円34銭
高値:36452円62銭
安値:36213円00銭
終値:36354円16銭(前日比+196円14銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

17時50分、欧、フランスの1月非製造業PMI(確報)、前回:45.0、市場予想:45.0
17時55分、欧、ドイツの1月非製造業PMI(確報値)、前回:47.6、市場予想:47.6
18時00分、欧、ユーロ圏の1月非製造業PMI(確報値)、前回:48.4、市場予想:48.4
18時30分、英、1月サービス業PMI(確報値)、前回:53.8、市場予想:53.8
19時00分、OECD中間経済見通し
23時45分、米、1月の非製造業PMI(確報値)、前回:52.9、市場予想:52.9
23時45分、米、1月のコンポジットPMI(確報値)、前回:52.3、市場予想:52.3
24時00分、米、1月ISM非製造業景気指数、前回:50.5、市場予想:52.2
24時00分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁がTV出演
26時30分、英、ピル英中銀チーフエコノミストが質疑応答に応じる
28時00分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁がイベント開会挨拶

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円は、100日移動平均線を割り込んでいたこともあって、日足の一目均衡表の雲下限を意識するような下向きを警戒した形状だったが、一変。米雇用統計発表後は、1月戻り高値突破を試す展開を迎えている。

1月戻り高値148円82銭をクリアしてくると、いよいよ昨年11月以来となる150円台を意識した展開を想定する必要がある。一方、ドルの上値を抑える要因もある。先週指摘した通り、米地銀の信用不安だ。

話題の米地銀ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)の株価は、昨年3月以来の6ドル水準で下げ渋っている。市場では、NYCBのように商業用不動産ローンに対するエクスポージャーが大きいバレー・ナショナル・バンクコープへの警戒感も強めており、引き続き予断を許さない状況が継続。ドルの一定の重しになると想定する。

なお、市場では、少額投資非課税制度(NISA)による外国投資信託の買いがドル買いの需給に影響を与えているという話がある。一部証券リサーチ会社のデータによると、1月の公募株式投信への資金流入額のうち、世界株に投資する指数連動柄投信は約1兆円に達したとのことだ。

9割超が米ドル建て投信と仮定すると、月間9000億円のドル買い需要という計算だ。営業日で計算すると一日500億円ほどのドル買い需要となる。

この500億円ほどのドル買い需要はどの程度のインパクトがあるのだろうか。国際決済銀行(BIS)の2022年4月データでは、一日平均のドル円の取引額は約145兆円ある。500億円ほどのドル買い需要のインパクトは限定的と考えた方が良さそうだ。

ただ、この買い需要が一時的なものに留まらず、断続的なドル買い需要となることは一定のインパクトを与えると考える。株式市場での下落局面での日銀による上場投資信託(ETF)買い入れに近いイメージを持つ。つまりドルの上値を追うような強いインパクトではなく、一定の下支えという意味合いがあるという整理だ。こうした断続的なドル買い需要が足元の為替市場に入り続けるということは意識しておきたい。

今晩の海外時間では、1月のISM非製造業景気指数に注目となるが、市場予想が前月より強い数値となっていることからハードルは高めか。今晩の上値メドは148円80銭、下値メドは147円80銭とする。

東京市場のドルは148円82銭まで上昇、ISM非製造業景気指数のハードルは高め

ドル円日足

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