トルコリラ週報:『来週はトルコのCPI・PPIに注目。利上げ催促のリラ売り再開に警戒』(2/3朝)

トルコリラの対円相場(TRYJPY)は、1/23に記録した年初来高値4.95円をトップに反落に転じると、週末にかけて、一時4.75円まで下落しました

トルコリラ週報:『来週はトルコのCPI・PPIに注目。利上げ催促のリラ売り再開に警戒』(2/3朝)

『来週はトルコのCPI・PPIに注目。利上げ催促のリラ売り再開に警戒』

〇今週のトルコ円、週末にかけ週間安値4.75(1/3以来の安値圏)まで下落
〇売り一巡後はドル円相場の急反発に、4.87前後まで持ち直す動き
〇トルコ円、主要テクニカルポイントの下側に位置し、強い売りシグナルも継続、地合い弱い
〇ファンダメンタルズもトルコ経済先行き不透明感、インフレ昂進懸念、米利下げ後ずれ観測等が重石
〇引き続き、トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):4.70ー4.95

今週のレビュー(1/29−2/2)

今週のトルコリラ円相場(TRYJPY)は、週初4.89円で寄り付いた後、早々に週間高値4.90円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(1)米FOMCのタカ派的な結果(声明文への「2%の物価目標達成に向けてより確かな自信を得るまで利下げは適切ではない」との文言追加や、パウエル議長による「3月利下げの可能性が高いとは考えていない」との慎重発言)や、(2)上記1を背景とした米FRBによる利下げ開始時の後ずれ観測(トルコから米国への資金流出圧力)、(3)トルコ中銀に対する利上げ催促のリラ売り圧力(トルコ中銀は先週開催された金融政策決定会合で利上げサイクルの終了を示唆するも、インフレ抑制に繋がっていない現状に鑑み、市場ではトルコ中銀が利上げサイクルを終了できないとの見方が根強く残存)が重石となり、週末にかけて、週間安値4.75円(1/3以来の安値圏)まで下落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(4)ドル円相場の急反発(ドル円上昇→トルコリラ円連れ高)が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間2/3午前2時10分現在)では、4.87円前後まで持ち直す動きとなっております。尚、今週発表されたトルコ1月製造業PMI(結果49.2、前回47.4)は前月を上回る良好な結果となりましたが、リラ買いでの反応は限定的となりました。

来週の見通し(2/5−2/9)

トルコリラの対円相場(TRYJPY)は、1/23に記録した年初来高値4.95円をトップに反落に転じると、週末にかけて、一時4.75円まで下落しました(1/3に記録した史上最安値4.73円に迫る動き)。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの下側に位置していることや、強い売りシグナルを示唆する「弱気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の下落トレンド」が継続点灯していること、来週中に強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転の再点灯が見込まれていること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)トルコ経済の先行き不透明感(今週発表されたトルコ1月製造業PMIは前月の結果を上回ったものの、依然として好不況の分岐点50を下回る状態)や、(2)トルコ国内のインフレ高進リスク(実質金利のマイナスに着目した構造的なリラ売り圧力)、(3)利上げ催促のリラ売り圧力(トルコ中銀は先週開催されたトルコ中銀会合で利上げサイクルの終了を示唆→利上げ催促のリラ売り要因)、(4)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(トルコから米国への資金流出圧力)など、トルコリラ円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

こうした中、来週は上記2、3を見極める目的で2/5に発表されるトルコ1月消費者物価指数と、トルコ1月生産者物価指数に注目が集まります。トルコ国内のインフレ指標(CPI・PPI)が市場予想を上回る場合には、「実質金利のマイナス幅拡大懸念→トルコ中銀に対する利上げ催促のリラ売り活発化」の経路で、トルコリラが一段と売り込まれるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(TRYJPY):4.70ー4.95

注:ポイント要約は編集部

『来週はトルコのCPI・PPIに注目。利上げ催促のリラ売り再開に警戒』

トルコリラ円日足

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