『テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも続落リスクに要警戒』
〇今週の南ア円、週明け早々に週間高値8.00まで上昇
〇その後は中国の経済指標不冴え、南ア経済の先行き不透明感等に週後半にかけ7.79まで急落
〇テクニカルには主要テクニカルポイント下抜け地合い悪化
〇ファンダメンタルズも南アランド円相場の下落を連想させる材料増える
〇南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.70ー8.00
今週のレビュー(11/27−12/1)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.93円で寄り付いた後、早々に週間高値8.00円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(1)中国11月製造業PMI(結果49.4、予想49.6)および、中国11月非製造業PMI(結果50.2、予想51.0)の市場予想を下回る結果や、(2)上記1を背景とした南アフリカ経済の先行き不透明感(経済的な結びつきの強い中国経済の減速懸念)、(3)南ア10月生産者物価指数(結果1.0%、予想1.2%)の市場予想を下回る結果、(4)南ア10月貿易収支(結果127億ランド赤字、予想80億ランド黒字)の赤字転落、(5)テクニカル的な地合いの悪化(日足ローソク足が90日移動平均線および一目均衡表雲上限を下方ブレイク→ロング勢のロスカット誘発)が重石となり、週後半にかけて、週間安値7.79円(10/26以来、約1カ月ぶり安値圏)まで急落しました。
もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(6)南ア11月製造業PMI(結果48.2、予想45.0)の市場予想を上回る結果や、(7)米金利低下に伴うドル売り圧力、(8)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間12/2午前1時30分現在)では、7.90円前後まで持ち直す動きとなっております。
来週の見通し(12/4−12/8)
南アランドの対円相場(ZARJPY)は、11/16に記録した年初来高値8.33円(昨年9/13以来、約1年2ヵ月ぶり高値圏)をトップに反落に転じると、今週後半にかけて、一時7.79円(10/26以来、約1カ月ぶり安値圏)まで急落しました。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線、基準線、雲上限、21日移動平均線、90日移動平均線、ボリンジャーミッドバンド)を下抜けした他、4時間足ベースで強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を印象付けるチャート形状となりつつあります。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南アフリカ経済の先行き不透明感(慢性的な電力不足)や、(2)中国経済の先行き不透明感(経済的な結びつきの強い中国経済の減速は南アフリカ経済の間接的な下押し要因)、(3)南ア中銀による金融引き締め終了の思惑(南アフリカ中銀は11/23に3会合連続となる政策金利の据え置きを決定→市場では早くも来年早々の利下げ開始を織り込む動き)、(4)財政健全化を巡る先行き不透明感(南ア政府は11/1に中期財政計画を発表するも、市場参加者は財政健全化の実現性に疑念)、(5)南アフリカを巡る政局不透明感(来年実施予定の総選挙における下院の過半数割れリスク)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南ア11月SACCI景況感指数や、南ア第3四半期GDP、南ア第4四半期BER消費者信頼感指数、南ア第3四半期経常収支などに注目が集まります。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.70ー8.00
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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