ユーロ 上昇チャンネル内での動きを継続中(週報11月第2週)

先週のユーロドルは週間レンジが99pipsに留まり、今年3番目に値幅の狭い一週間となりました。

ユーロ 上昇チャンネル内での動きを継続中(週報11月第2週)

上昇チャンネル内での動きを継続中

〇先週のユーロドル、週初に下げて以降は1.0690レベルを中心にごく狭いレンジでのもみあいに終始
〇今週はレーンECB理事をはじめ講演相次ぐ予定、これまでと見方に変化が無いのか注意
〇1.0610レベルをサポートに、1.0760レベルをレジスタンスとする流れを見る

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは週間レンジが99pipsに留まり、今年3番目に値幅の狭い一週間となりました。ドル円は一貫してドル高となりましたが、ユーロドルは週初に下げて以降は1.0690レベルを中心としてごく狭いレンジでのもみあいに終始しましたが、米金利の上下によるドルの動きとドル円に引っ張られてのユーロ円の動きとでユーロドル自体の方向性ははっきりしないままの一週間となりました。

今週も経済指標では目立ったものがありませんが、ラガルドECB総裁以下、多くのECB関係者の講演が連日行われ、これまでと見方に変化が無いのかを確認する週となります。その中でもエコノミストであるレーンECB理事(火曜)とラガルド総裁(木曜・金曜)、デギンドス副総裁(月曜)の3名の講演の注目度が高いと言えます。現時点のコンセンサスはインフレに対する懸念は残るものの、ターミナルレートに既に到達し、現在の水準を長く維持することでインフレを抑えるという方向です。仮にこの見方に影響を与えるような発言が出てくるとすると影響があるというところでしょう。

上昇チャンネル内での動きを継続中

このチャートは青のラインがドイツ10年債から米国10年債を引いた利回り(ユーロドルと方向を揃えています)、オレンジのラインがユーロドルレートでどちらも日足です。底打ちのタイミングに多少のずれはあるものの、大きな方向性はだいたい一致していると見てよいでしょう。

またテクニカルな動きも一層影響が大きくなってくると見られます。日足チャートをご覧ください。

上昇チャンネル内での動きを継続中 2枚目の画像

先週初に下げたことで、10月安値からの平行上昇チャンネル(ピンク)の中での上昇トレンドを継続しやすい流れにあります。現在サポートラインが1.0575レベルから上昇中、上側のラインは1.0750レベルから上昇中です。また、7月高値と10月安値の38.2%戻しが1.0763となっていることを考えると、上値の目途は同水準が妥当です。

これらを併せて考えると、今週は1.0610レベルをサポートに、1.0760レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

今週のコラム

今週はユーロの月足チャートを見てみます。

上昇チャンネル内での動きを継続中 3枚目の画像

2008年8月以来の高値となっていますが、ここから上の目立ったターゲットは170円の大台しかありません。ただ、細かく上昇N波動から100%エクスパンションのターゲットを計算すると、2022年安値を起点にすると161.38で既に達成、2012年安値を起点にすると166.49となっていて、今後大台の165円、そしてこの166円台半ばをターゲットとしやすい展開が予想されます。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

11月13日(月)
17:15 デギンドスECB副総裁講演 ☆

11月14日(火)
16:00 英国10月失業率
17:00 レーンECB理事講演 ☆
19:00 ユーロ圏7〜9月期GDP改定値 ☆
19:00 ドイツ11月ZEW景況感
19:00 ユーロ圏11月ZEW景況感
22:30 米国10月CPI ☆

11月15日(水)
16:00 英国10月CPI ☆
16:45 フランス10月CPI
19:00 ユーロ圏9月鉱工業生産、貿易収支

11月16日(木)
20:30 ラガルドECB総裁講演 ☆
20:45 オランダ中銀総裁講演
21:10 スペイン中銀総裁講演

11月17日(金)
16:00 英国10月小売売上高
17:00 フランス中銀総裁講演 ☆
17:30 ラガルドECB総裁講演 ☆
18:00 オーストリア中銀総裁講演
19:00 ユーロ圏10月CPI
22:00 ドイツ連銀総裁講演 ☆
22:15 ベルギー中銀総裁講演
24:00 チポローネECB理事講演 ☆

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時−NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

11月6日(月)
ユーロドルは東京市場ではドル円とともにユーロ円の買いが出ていたことでやや底固い動きとなり、欧州市場前場に1.0756レベルの高値をつけました。その後は米金利上昇の動きによるドル買い・ユーロ売りからNY引け間際には1.0717レベルの安値をつけ安値引けとなりました。

11月7日(火)
ユーロドルは基本的にドル円同様のドルの動きを見せ、NY市場までユーロ売り、その後ユーロ買戻しという動きになりました。ユーロ円は欧州市場前場にいったん下押しする場面も見られましたが、その後は買い戻され高値圏でのもみあいが続いています。

11月8日(水)
ユーロドルは欧州市場前場まではドル円と歩調を揃えてドル買い(ユーロ売り)の動きとなりましたが、米金利が低下する動きとともにユーロドルでは素直にドル売り(ユーロ買い)となり、海外市場で東京朝方の高値を上抜け前日高値圏での引けとなりました。

11月9日(木)
ユーロドルは欧州市場で多少の上下は見られたものの米金利上昇によるドル買い・ユーロ売りから1.0660レベルまで下押しして安値引けとなりました。一方ユーロ円は高値を更新し161.80レベルまで上伸後に引けにかけては50銭ほど調整が入りました。

11月10日(金)
ユーロドルの金曜のレンジはわずか37pipsとドル円同様に鈍い値動きとなりました。ドル円とともにユーロ円も上昇し161.95レベルへと高値を切り上げたことから、ユーロドルも基本的に底固い動きとなっていました。


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