東京市場のドルは年初来高値更新、今晩は介入警戒高く乱高下の予感
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、じりじりと上昇し、10月31日につけた年初来高値151円76銭を上回った。
先週末の海外時間では、ミシガン大消費者信頼感指数が市場予想を下回った一方、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁とボスティック・アトランタ連銀総裁から、インフレが目標値に達する確信がまだなく追加利上げの可能性も除外しないという発言があったため、利上げ終了観測が後退。米10年債利回りが4.65%台まで上昇したことから、ドルはじり高となった。
東京時間でもドルはじりじりと上昇。政府・日銀による為替介入実施への警戒感は極めて高まっているものの、10年物の日米金利差は3.8%ほどとやや拡大。ドルはおっかなびっくりのなか、10月31日につけた年初来高値151円76銭を突破。2022年10月以来の151円80銭まで上昇した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:151円48銭
高値:151円80銭
安値:151円44銭
終値:151円79銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:161円88銭
高値:162円21銭
安値:161円87銭
終値:162円19銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:96円34銭
高値:96円61銭
安値:96円28銭
終値:96円58銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:185円22銭
高値:185円66銭
安値:185円21銭
終値:185円62銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32818円15銭
高値:32913円31銭
安値:32499円28銭
終値:32585円11銭(前日比+17円00銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
22時50分、米、クックFRB理事がFRB主催会議にて挨拶
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強いままである。下を警戒するムードが感じられない地合いのなか、ボリンジャーバンドの2σに沿ったじりじりとしたドル買いが続いている。
ドルが年初来高値を更新し、昨年10月高値151円96銭に接近したほか、ユーロも買われており、2008年8月以来となる162円台に乗せている。ドル・インデックスは106手前と目立った動きは観測されないことから、ドル独歩高の地合いではない。円キャリートレード(低金利の円を売るor借りて、高金利の通貨に換えて運用する)の活発化に伴う円売りが、対主要通貨で発生しているとの見方だ。
10年物の日米国債利回り差は、3.8%ほどと4.0%超だった10月と比べると縮小しているが、短期の2年物の日米国債利回り差は、日本の2年債利回りが0.1%に届かないことから、常に5.0%前後の開きがある。
単純に考えて、1年間で円が5%買われない限り、金利分で勝てるという勝負だ。年ベースでみれば、それだけ動くことは容易にありそうだが、円安トレンドが強まっていることから、円キャリートレードの魅力が増しているようだ。
一方、ドルが151円80銭台に乗せたことから、政府・日銀による為替介入への警戒感は非常に高まっている。11月1日に神田財務官が「スタンバイ」と表現した水準を上回ったことから、文字通り、いつでも為替介入を実施することが可能な状況に入ったとみるべきだろう。
仮に介入が行われた際は、昨年9月22日と10月21日、24日の合計3回の状況を見る限り、5円前後はドル安・円高が進行するだろう。となれば、152円水準で実施されると、下値は147円水準となる。ロスカットも巻き込んだ強烈な動きとなることは間違いない。今晩は、目立った米経済指標などの売買材料が予定されていないが、ポジション管理には注意したい。上値メドは152円10銭、下値メドは147円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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