南アランド週報:『重要イベント通過で年初来高値を更新。約11カ月ぶり高値圏へ』(11/4朝)

南アランドの対円相場は、10/5に記録した安値7.58円をボトムに反発に転じると、今週後半にかけて、年初来高値8.20円まで急伸しました。

南アランド週報:『重要イベント通過で年初来高値を更新。約11カ月ぶり高値圏へ』(11/4朝)

今週のレビュー(10/30−11/3)

〇今週の南ア円、南ア貿易収支改善、米長期金利低下等に週後半にかけ年初来高値8.20まで急伸
〇テクニカルには主要テクニカルポイントを軒並み上抜け、強い買いシグナルも成立、地合い強い
〇ファンダメンタルズも南ア政府による財政健全化措置提出等がサポート
〇南アランド「ベア見通し」を改め「ブル見通し」へと変更
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.00ー8.30

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.92円で寄り付いた後、(1)南ア9月財政収支(結果146億ZAR赤字、予想121億ZAR赤字)の市場予想を上回る赤字幅や、(2)重要イベント(日米金融政策イベント+南アフリカの中期財政計画)を控えたポジション調整が重石となり、週明け早々に、週間安値7.89円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)ドル円相場の急上昇(日銀金融政策決定会合の無難通過+展望リポートのコアコア見通しの慎重な水準設定+植田日銀総裁によるハト派的な発言+外国為替平衡操作の実施状況における「介入実績ゼロ」報告→ドル円が149円台前半から151円台後半へと急上昇→南アランド円連れ高)や、

(4)南ア9月貿易収支(結果131億ZAR黒字、予想80億ZAR黒字)の市場予想を上回る黒字幅、(5)南ア政府による中間予算見直しの議会提出(ゴドングワナ財務相は「2024ー2025年度の歳入を追加で150億ZAR増やすための税制措置を提案する」と発言)、(6)米FOMCのハト派的な結果(政策金利の据え置き決定+パウエルFRB議長のハト派的な発言)、(7)上記6を切掛けとした米長期金利の急低下(株高・リスクアセット上昇→市場心理改善→南アフリカから米国への資金流出圧力後退)が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値8.20円(昨年11/30以来、約11カ月ぶり高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/4午前0時15分現在)では、8.18円前後で推移しております。

来週の見通し(11/6−11/10)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は、10/5に記録した安値7.58円をボトムに反発に転じると、今週後半にかけて、年初来高値8.20円(昨年11/30以来、約11カ月ぶり高値圏)まで急伸しました。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイントを軒並み上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による金融緩和の長期化観測(南アランドの対円相場に上昇圧力)や、(2)米FRBによる年内追加利上げ観測の大幅後退(南アランドの対ドル相場に上昇圧力)、(3)南アフリカ政府による財政健全化措置の議会提出(規律的な財政健全化策を市場が好感)、(4)米金利低下に端を発した世界的なリスクオン再開(新興国通貨を含むリスクアセットに上昇圧力)など、南アランド円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。南アフリカ経済を巡る先行き懸念(今週発表された南ア10月製造業PMIおよび、南ア10月スタンダード銀行PMIはいずれも冴えない結果)は未だ拭えないものの、目先は上記1から4で記した4つのファンダメンタルズ要因を材料に堅調さを取り戻すシナリオが有力視されるため、当方ではこれまで掲げてきた「ベア見通し」を改め、南アランド円相場のメインシナリオを「ブル見通し」へと変更いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):8.00ー8.30

今週のレビュー(10/30−11/3)

南アフリカランド円日足

注:ポイント要約は編集部

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