南アランド週報:『来週は南ア中間予算がメインイベント。一巡後の反落に要警戒』(10/28朝)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週末にかけて、週間高値7.98円まで急伸しました

南アランド週報:『来週は南ア中間予算がメインイベント。一巡後の反落に要警戒』(10/28朝)

『来週は南ア中間予算がメインイベント。一巡後の反落に要警戒』

〇今週の南ア円、中東情勢緊迫化、米金利上昇に週後半にかけ、週間安値7.80まで下落
〇その後は南ア指標の好調、米PCEコアの大幅低下からの米金利低下に7.98まで急伸
〇南ア円、主要テクニカルポイントの上で推移、強い買いシグナルも継続、地合い強い
〇来週は南ア中間予算に市場参加者の関心集まる
〇南アランド円相場の一巡後の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.75ー8.05

今週のレビュー(10/23−10/27)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.88円で寄り付いた後、(1)中東情勢緊迫化(イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの大規模衝突)に端を発した地政学的リスクの長期化懸念や、(2)米10月製造業PMI速報値(結果50.0、予想49.5)および米10月非製造業PMI速報値(結果51.0、予想49.9)の市場予想を上回る結果、(3)上記2を背景とした米長期金利の急上昇(南アフリカから米国への資金流出懸念)が重石となり、週後半にかけて、週間安値7.80円まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)南ア9月生産者物価指数(結果5.1%、予想4.9%)の市場予想を上回る結果(南ア中銀による追加利上げ観測再燃)や、(5)米7ー9月期PCEコアデフレータ(結果2.4%、予想2.6%)の伸び率鈍化(米10年債利回りが急低下→南アフリカから米国への資金流出懸念後退)、(6)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)、(7)中東を巡る地政学的リスクの緩和期待(イスラエル・ハマスの停戦期待)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値7.98円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/28午前1時00分現在)では、7.95円前後で推移しております。尚、今週発表された南ア8月景気先行指数(結果110.9、前回110.4)は良好な結果となりましたが、市場の反応は限られました。

来週の見通し(10/30−11/3)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は、10/5に記録した安値7.58円をボトムに反発に転じると、10/18に、約2カ月半ぶり高値となる8.00円まで急伸しました(現在も7.95円近辺での底堅い動きが継続中)。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。但し、ファンダメンタルズ的に見ると、(1)南アフリカ経済の先行き不透明感や、(2)米FRBによる金融引き締め長期化観測(南アフリカから米国への資金流出懸念の残存)、(3)中東情勢を巡る地政学的リスク(一部通信社より「イスラエルはハマスが求めた長期停戦に応じなかった」との報道あり)など、南アランド円相場の反落を連想させる材料が揃っています。

こうした中、来週は11/1に予定されている南アフリカの中間予算に市場参加者の関心が集まっています。南ア中銀のハニャホ総裁は先月、「財政基盤の悪化でカントリーリスク・プレミアムが上昇し、金融政策が制約的かどうかを判断する金利水準が引き上がる」と発言しました(中銀が財政リスクへの懸念を示唆→南ア中銀の金融政策を予測する上で中間予算への注目度が上昇)。中間予算で財政リスクが強まる場合(来年の選挙を意識して緊縮財政を弱める場合)には、南ア国債利回り急上昇→南ア株急落の経路で、南アランド円相場に強い下押し圧力が加わる恐れもあるため、当方では引き続き、南アランド円相場の一巡後の下落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.75ー8.05

注:ポイント要約は編集部

『来週は南ア中間予算がメインイベント。一巡後の反落に要警戒』

南アランド円日足

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