トルコ円 FOMC後のドル円動向に注目、その後は21日夜のトルコ中銀MPCへ向かう(23/9/20)

トルコリラ円の9月19日は概ね5.52円から5.46円の取引レンジ、20日早朝の終値は5.46円、前日と変わらずだが先週末から終値は5.46円が続いている。

トルコ円 FOMC後のドル円動向に注目、その後は21日夜のトルコ中銀MPCへ向かう(23/9/20)

FOMC後のドル円動向に注目、その後は21日夜のトルコ中銀MPCへ向かう

〇トルコリラ円、9/19は5.46近辺を買われつつ5.47台では売られる狭いレンジでの推移
〇対ドル、9/19は概ね27.14から26.61の取引レンジ、8/24以降の安値更新を試す状況続く
〇ドル高リラ安に圧されつつも円安に支えられているトルコ円、FOMC通過後のドル円に注目
〇148円を超え一段高へ進めば円安による押し上げでトルコ円も上昇再開、8/24高値5.77目指す可能性も
〇9/21トルコ中銀の利上げが市場の期待を超えるか、予想に満たないか、秋冬相場に向けた重要曲面
〇5.45を上回るうちは上昇余地あり、5.53超えからは5.55前後への上昇を想定する
〇5.45割れからは5.42、5.40を順次試す下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の9月19日は概ね5.52円から5.46円の取引レンジ、20日早朝の終値は5.46円、前日と変わらずだが先週末から終値は5.46円が続いている。
9月19日は午前のドル/トルコリラにおける一時的なリラ買いを反映して5.52円へ上昇する場面がみられたが早々に元の水準へ押し返され、その後はドル円が147円台後半でややジリ高推移となる一方、ドル/トルコリラにおけるリラ安基調に上値を抑えられたために小動きとなり、5.46円近辺を買われつつ5.47円台では売られる狭いレンジでの推移となった。
8月24日にトルコ中銀の超大幅利上げにより対ドルでリラが急伸したために当日安値5.28円から5.77円へ急伸したが、その後はリラ安基調は継続するとみて揺れ返しのドル高リラ安となり8月24日の急騰幅がほぼ解消される動きとなる一方で、ドル円が148円手前での抵抗感が強く上昇が頭打ちとなったことで円安による押し上げが効かず、トルコリラ円は一時的な高安レートの提示で跳ね上がる場面も多々見られるものの、いずれも長続きせずに揉み合いの様相となっている。

【8月24日急騰幅を解消するリラ安続く】

ドル/トルコリラの9月19日は概ね27.14リラから26.61リラの取引レンジ、20日早朝の終値は26.94リラで前日終値の27.01リラからは0.07リラのドル安リラ高だった。
8月24日のトルコ中銀による超大幅利上げをきっけとしたリラ買いで当日安値27.27リラから高値25.02リラへ急騰したが、高インフレと高金利、増税と成長鈍化、貿易収支や経常収支および財政収支の悪化等によるリラの先安懸念は払しょくできないとして8月25日からドル高リラ安が再燃しており、9月14日に安値で27.14リラを付けて8月24日安値に迫り、終値ベースでは9月18日終値で27.01リラを付けて8月24日以降の安値を更新してきた。19日は14日と同値の安値を付けたものの終値ではマイナス圏としたが、20日午前は8時台までの間に27.03リラから26.94リラのレンジで推移しており、8月24日以降の安値更新を試す状況を続けている。

【FOMC通過後のドル円に追従し、その後にトルコ中銀の利上げ姿勢を見定める】

米FRBによるFOMC(連邦公開市場委員会=金融政策決定会合)が始まっており、21日03時に政策金利と声明文の発表、3時半からパウエルFRB議長の会見がある。21日夜にはトルコ中銀MPC(金融政策委員会)、22日には日銀金融政策決定会合と続く。
今回のFOMCでは追加利上げが見送られると予想されており、市場の関心はFOMC参加者による金利予想が6月時点のドット・プロットから変化するのかどうかという点に尽きる。
原油相場の高騰を踏まえればFOMCは7月会合やパウエル議長のジャクソンホール講演で示してきた「追加利上げ余地がある」との姿勢は変わらないとみられているが、2023年末と2024年末の予想金利水準により、利上げの長期化懸念が強まるのか緩むのかによりドル円の強弱も決まってくるのだろうと思われる。

トルコリラ円は8月24日の急騰一巡で下げた後は5円台半ばで揉み合いの様相であり、ドル高リラ安に圧されつつも円安に支えられているところだが、FOMCを通過してドル円が148円を超えて一段高へ進めば、円安による押し上げでトルコリラ円も上昇再開に入り、8月24日高値5.77円を目指す可能性が出てくる。さらに21日にトルコ中銀が市場の期待以上に利上げを行い、9月22日の日銀金融政策決定会合で年末への金融緩和継続姿勢が再確認されればドル円の上昇も勢いを増し、トルコリラ円への押し上げも強まると思われる。

逆にFOMCを通過してドル円が急落する場合にはトルコリラ円は支えを失い、21日夜にトルコ中銀が市場予想に満たない利上げでお茶を濁し、日銀金融政策決定会合が円安けん制の意味も含めてマイナス金利解除へ向けた姿勢を示すなら、ドル円の下落とリラ安が弱気のスパイラルを招くことも考えられる。
ドル円が上昇基調を継続した場合でも、トルコ中銀への失望によるリラ売りが勢い付けば円安では支えられずにトルコリラが8月24日以降の安値を更新して再び史上最安値を試しに向かう可能性も出てくると思われる。いずれにせよ、秋冬相場を決定付けるかもしれない重要曲面と注目したい。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、9月14日午後安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとしていたが、9月18日午前に一時的に急伸してから反落したために19日午前時点ではすでにサイクルトップを付けて弱気サイクル入りしたと仮定して19日午後から21日午後にかけての間への下落を想定した。また一時的な急伸を除いて連続的に5.53円を超える場合は強気サイクル入りとした。
9月19日午前の一時的な急伸と反落を除けばほぼ横ばいの揉み合いで推移しているため、引き続き連続的に5.53円を超える上昇へ進めないうちは20日の日中から21日午後にかけての間への一段安余地ありとするが、連続的に5.53円を超える場合は強気サイクル入りとして21日午前から25日午前にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では遅行スパンは実線と交錯を繰り返して方向感に欠け、横ばい推移がつづいたことで先行スパンから転落している。先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパン悪化中の安値試し優先とするが、先行スパンを上抜き返す場合は上昇再開とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は50ポイントを中心に60ポイント弱から40ポイント強での小動きが続いているので、60ポイント超えからは上昇が勢い付くとみて70ポイントを試す上昇を想定するが、40ポイント割れからは下落期入りとみて20ポイント台への低下を伴う下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、5.45円を下値支持線、5.53円を上値抵抗線とする。
(2)5.45円を上回るうちは上昇余地ありとし、5.53円超えからは5.55円前後への上昇を想定する。一時的な高値提示に終わる可能性があるとみて5.55円以上は反落注意とするが、5.45円以上を維持するなら21日も高値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)5.45円割れからは5.42円、5.40円を順次試す下落を想定する。5.40円以下は反騰注意とするが、5.45円以下での推移なら21日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

9月20日
 23:30 8月 トルコ中央政府債務 (7月 5兆8230億リラ)
9月21日 
 16:00 9月 消費者信頼感指数 (8月 68)
 20:00 トルコ中銀金融政策委員会 政策金利 (現行 25.00%、予想 30.0%)
     翌日物貸出金利(現行 26.50%)
     翌日物借入金利(現行 23.50%)
  後期流動性貸出金利(現行 29.50%)
 20:30 週次 外貨準備高 9月15日時点 グロス (9月8日時点 792.7億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 9月15日時点 ネット (9月8日時点 162.8億ドル)
9月22日
 17:00 8月 海外観光客数 前年同月比 (7月 7.25%)
9月25日
 16:00 9月 製造業信頼感指数 (8月 105)
 16:00 9月 設備稼働率 (8月 76.1%)



注:ポイント要約は編集部

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