ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円は「7.55レベルをサポートに、7.80レベルをレジスタンス」としました。実際のレンジは、安値が7.34レベル、高値が7.98レベルと、予想レンジよりも上下に20銭ほど大きく振れる展開となりました。
安値も高値もどちらも米国大統領選の開票段階に付けたもので、開票直後のクリントン候補期待による買いと、その後のトランプ候補優勢の売りとで、これはイベントによる乱高下ということとなります。その後、翌日にかけてはトランプ新大統領に対する政策期待(これまでのトランプリスクは何だったのか?)によるリスクオン相場となり、ランド円もドル円の円安の動きに引っ張られる形で7.94レベルまで戻しましたが、週末にかけては再び売りが強まり、安値にほぼ並ぶ7.35レベルまで押し、週末クローズにかけてやや戻しての引けとなりました。
このランド安の動きですが、原因としては2つあります。ひとつはトランプリスクで避難資産として買われていた金に一斉に売りが出たことから、金相場との相関が高いランドもまた売られたという点です。もうひとつは、ランドだけでなく新興国通貨全般に言えることですが、トランプ新大統領の政策が米国の金利上昇を招き(週報にも書いた通りです)、結果として新興国から米国へと資金が還流する可能性があることです。
ランドの場合、金の下げと米国への資金還流懸念とがダブルで影響して大きく売られることとなりました。特に対ドルでのランド安の動きが目立っていて、日足チャートでも見てもドル安水準からの急反騰というポジション調整の動きもあったと思いますが、大きくドル高の動きとなっています。
ドル/ランド日足
現状の動きを見ると10月高値14.4948は既にほぼ並んでいますので、9月高値14.7519をターゲットにするドル高の流れにあると考えられます。チャートの形状も8月以降でトリプルボトムのパターンを示していて、仮に9月高値を上抜ける動きを見せた場合にはレジスタンスラインを引いてある15.6688、あるいはさらに上の15.9820といった15台後半をトライする展開につながる可能性も考えておくべきかと思います。
南アフリカの政治が落ち着いたところで、トランプ新大統領のドル高の動きが思わぬ加速を見せたのがランドということになります。このことを前提として次にランド円のチャートを見てみます。
ランド円四時間足
こちらは4時間足ですが、先週の大統領選の日でもってそれまでのサポートライン(ピンク)を下抜け、いったん買い戻しが入ったものの再び下げている動きが見て取れます。安値圏が7.14から7.98までの上げに対する78.6%(61.8%の平方根)押しと、ほぼ下げ止まりの限界点にはあるものの流れとしては、7.14に向かいやすいことはドルランドのチャートからも見て取れます。
今週は、一段安の可能性を考え7.20レベルをサポートに7.70レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。引き続き上下に振れる動きには注意しましょう。
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ランド円ショートコメント(2016年11月21日)
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