NZ中銀の金融政策結果
本日10日、NZ中銀はキャッシュレートを0.25%下げ1.75%にすることを決定しました。
利下げはエコノミスト予想通りの結果となります。要旨内容では現状までのNZドル高の悪影響を強い文言で述べています。国内経済が移民流入中心に強い形を維持しているにも関わらず、自国為替高により貿易品のディスインフレが色濃くでていることを指摘しています。先々もまだ緩和基調継続で、為替次第では来年以降も追加緩和あり得る内容になっています。
NZドル/米ドルは発表前に0.7290米ドル付近で推移していましたが、予想通りの利下げで0.7360米ドル付近までショートカバーとなりましたが、中銀コメントのNZドル高懸念内容に0.7265米ドル付近まで急反落し、現在0.7290〜95米ドル付近で推移しています。現在の水準は最初のサポートライン(0.7270〜80米ドル)で、ここを切ってくると0.7220米ドル、0.7160米ドル、0.7050〜60米ドルの順にサポートあります。押し目はNZドル買いになりますが、中銀の強いニュアンスから勘案すると、まだNZドル下押しの中にいます。(11月10日12:34、1NZドル=0.7293米ドル)
中銀の要旨は以下となっています。
(中銀声明要旨)
理事会は本日、キャッシュレートを25ベーシス下げ、1.75%にした。
幾つかの国で経済指標の改善がみられるものの、過剰資本(流動性)はまだ世界中に存在している。世界的インフレは弱いままで、商品価格も低迷している。政治的不透明感は高く、市場のボラティリティも上昇している。
弱い世界経済とNZと比較して相対的に低い国の金利によりNZドル高への圧力が高まったままである。この為替レートは、均衡取れた経済成長を下支えする以上に、NZドル高となっている。これは貿易ベースで、インフレをマイナス方向に導く。為替レートの下落が必要とされる。
国内成長は人口増加、建設業、観光業、緩和気味の金融政策により支えられている。最近の日用品関連の市場は上向きになってきた。しかし、まだ先行きの不透明感が残っている。海外からの移民流入は依然強く、労働力供給に役立っているが、賃金上昇圧力を限定している。
住宅価格インフレは過熱感が残っている。オークランドにおける住宅価格インフレは緩やかになっているけれども、これが不均衡続く需給バランスを支えていくかは不透明である。
インフレは依然として目標を下回ったままである。これは貿易関連でのマイナス(物価下落)が影響している。年率ベースでのインフレも9月末期で低下した。これは原油価格の下落や課税減税などの影響による。年率ベースでのインフレは12月末期からは上昇していくと期待している。これは緩和効果、強い内需などから予想している。
金融政策は引き続き緩和基調を維持していくだろう。我々の現状下での先行き見通しは、今日の緩和を含めて、中期にはインフレ目標レンジの近くには十分になるほどの強い成長を見ている。とりわけ、世界経済見通しの観点から数多の不確実性は残るけれども、この政策が次第に調整してくれると思われる。
(要旨は以上)
(注)NZ中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
次回の金融政策は2017年2月9日に予定されています。
(NZ政策金利)
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