米7月消費者物価指数(CPI)の予想(23/8/10)

2023年8月10日21時30分に発表予定です。

米7月消費者物価指数(CPI)の予想(23/8/10)

米7月消費者物価指数(CPI)の予想

本日(10日)は米国7月消費者物価指数(CPI)が発表されます。また翌11日には7月卸売物価指数(PPI)が発表されます。前回6月はCPI、PPI共に予想を下回り、米金利が緩んだことからドル売りになりました。
前回のCPI前には139円50銭付近で推移していたドル円は138円16銭まで売られ138円50銭で引けました。翌日のPPIでは一時138円割れまでドルが下落しました。

今回の予想(前年比)をみると、CPIは全体がやや上向き、コアがやや軟化で、共にインフレ高止まりの状況です。図(A)を見ると、オレンジ色の移動平均線(3〜5月は0.27%、6月は0.28%、7月予想+0.23%)ですのでかなり安定してきており、2017年〜19年当時の水準近くになっています。ポイントは図(B)になります。6月時のFRB予想ではPCEコアが2023年12月に3.9%となりました。6月のPCEコアは+4.1%でしたので、緩やかながらも今回のCPI(青)が予想通り軟化すると、このまま達成できる可能性が高くなります。この予想時にはドットプロットで年内2回利上げの想定でしたので、既に7月利上げ実施に伴い、年内に残り1回の利上げをするか否かの判断になります。従い、今回予想通りの結果かそれ以下になると、最後の利上げは8月のCPI数値を見てから、11月か12月のFOMCでも遅くないような気がします。9月FOMCでは3ヶ月毎の経済・金利見直しもあるので、ここで最後の利上げがあるかを判断することになりそうです。

消費者物価指数

消費者物価指数

2023年8月10日7時30分現在予想

(A)米国消費者物価指数全体(CPI)前月比ベース推移

(A)米国消費者物価指数全体(CPI)前月比ベース推移

青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ

下記チャート(B)はコアインフレを示しています。青のCPIコアは昨年9月に6.6%の高値を付けてから、6月は4.8%(予想+5.0%)まで下がり、今回は小幅軟化の+4.7%予想です。オレンジ色のPCEコアは昨年2月に5.3%の高値を付け、6月は4.1%(予想+4.2%)でした。PCEコア高値時のCPI−PCEコアは1.1%、CPI高値時の同差額は1.4%もありました。今年になって暫くオレンジのPCEコアは5.5前後で横這っており、今年5月にはCPI−PCEコアの差が0.7%まで縮まっていましたが、オレンジ色もやっと軟化の傾向を見せ始めています。

(B)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移

(B)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移

赤はFRBのインフレ目標値2%
緑は2023年6月時にFRBの2023年末PCEコア予想3.9%
青の矢印は今回予想値


明日発表のPPIは以下の予想になっています。(直近の数値を再確認お願いします)
注目はPPIの前年比の数値です。昨年3月のPPI全体は前年比+11.7%から今回予想の+0.7%まで急激にインフレが低下しています。今回の0.7%は昨年7月に9.7%と前月(6月)の11.2%から急減した影響で小反発です。コアでも2.3%まで下がる予想ですので、CPIコア更にPCEコアまでインフレ低下の見込みが期待できる流れになっています。

卸売物価指数

卸売物価指数

2023年8月10日7時30分現在予想

(C)CPIとPPI(全体の推移)(オレンジ色の矢印が今回予想値)

(C)CPIとPPI(全体の推移)(オレンジ色の矢印が今回予想値)

下図はドル円の週足チャートです。昨年9月20日週底値からのサポートA(=132円70銭)でドル高を支えています。上値は昨年10月17日週高値からの抵抗線B(=144円60銭)があり、3角保合いの収斂となっています。
直近は今年1月16日週底値からのサポートC(=135円45銭)でドル高を支え、そこから平行に上げたD(=144円60銭)とE(=146円70銭)が目安となる上値になっています。
このDは今週丁度Bと顔を合わせているので、仮にBとDを上抜けると目先はE狙いになりますが、高値からの抵抗線B抜けていることでドルは一段高狙いに入れます。また、先週足は上ヒゲ長い小幅陽線でしたが、先週の高値143円89銭が目前にきており、今週末でこの143円89銭〜144円60銭間をどの様にこなせるかとなります。来週以降もドル高継続となるなら少なくとも週足終値で先週のヒゲ上限である143円90銭以上の終値を確認したいところです。

現状では年初からの3角保合いであるCとBでレンジを狭めた形になっていますが、この間には3月20日週底値からのサポートF(=139円45銭)があります。日足では今日142円60銭(明日は143円付近まで上がります)に強いサポートあるので、ここを維持できないとF方向に流れ易くなります。
尚、下値はAを切ると昨年5月23日週底値からのサポートG(=128円10銭)がありますが、Aを切れたことでドルの下押しが深くなりそうです。

(C)CPIとPPI(全体の推移)(オレンジ色の矢印が今回予想値) 2枚目の画像

(8月10日9:45 1ドル=143円80銭)

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