『約8カ月ぶり高値圏から急反落。冴えないファンダメンタルズがランドを抑制』
〇今週の南ア円、週初8.07まで上昇後、週後半にかけ7.58まで急落、7.70付近で越週
〇南ア指標の不冴えと米金利上昇、金プラチナ価格の反落が重石に
〇南ア円、主要テクニカルポイント下抜け、買いシグナルも消失、テクニカルの地合い悪化
〇南ア、中国の経済の先行き不透明感等も重石に
〇南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.50ー7.85
今週のレビュー(7/31−8/4)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初8.00円で寄り付いた後、早々に週間高値8.07円(昨年11/30以来、約8カ月ぶり高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(1)急ピッチな上昇に対する反動売りや、(2)南ア6月貿易収支(結果35.2億ランド赤字、予想118.5億ランド黒字)の市場予想を大幅に下回る結果、(3)中国7月Caixin製造業PMI(結果49.2、予想50.3)の市場予想を下回る結果、(4)南ア7月製造業PMI(結果47.3、前回47.6)の冴えない結果、
(5)南ア7月Naamsa自動車販売(結果+1.3%、前回+14.0%)の冴えない結果、(6)米国債の格下げに端を発した世界的なリスク回避ムード(南ア株急落→南アランド急落)、(7)南ア7月スタンダード銀行PMI(結果48.2、前回48.7)の冴えない結果、(8)米長期金利の急上昇(米10年債利回りは昨年11/7以来の高水準となる4.22%へ急上昇)、(9)金・プラチナ価格の急反落(南アフリカの交易条件悪化懸念)が重石となり、週後半にかけて、週間安値7.58円(7/12以来、約3週間ぶり安値圏)まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/5午前1時00分現在)では、7.70円前後で推移しております。
来週の見通し(8/7−8/11)
南アランドの対円相場は、7/31に記録した約8カ月ぶり高値8.07円(昨年11/30以来の高値圏)をトップに反落に転じると、週後半にかけて、約3週間ぶり安値となる7.58円(7/12以来の安値圏)まで急落しました。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線、基準線、ボリンジャーミッドバンド、21日移動平均線)を下抜けした他、遅行線の26日前ローソク足接触を経て強い買いシグナルを示唆する「三役好転」も消失するなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を印象付けるチャート形状となりつつあります。
これまでは、南アフリカ国内で広がるインフレ鈍化期待や、それに伴う南アランドの実質金利急上昇、中国経済の回復期待が南アランドの下値を支えてきましたが、足元では、(1)南ア経済の先行き不透明感(今週発表された南ア経済指標は軒並み悪化)や、(2)中国経済の先行き不透明感(今週発表された中国経済指標の冴えない結果→中国と経済的な結びつきの強い南アフリカの景気下押し要因)、(3)米金利上昇とそれに伴う新興国からの資金流出圧力、(4)金・プラチナ価格の軟調推移(南アフリカの交易条件悪化懸念)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では、南アランド円相場の続落を来週のメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南ア7月SACCI景況感指数や、南ア6月製造業生産以外に目立った南ア経済イベントが予定されていないため、米長期金利や米主要株価指数に振らされる神経質な展開となりそうです。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.50ー7.85
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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