ユーロ圏7月消費者物価指数(HICP)速報値の予想
ユーロ圏HICP
(2023年7月31日9時30分現在予想)
本日、ユーロ圏の7月消費者物価指数が発表されます。前回6月はほぼ予想通りの結果になりました。先週金曜日に発表された仏・独の7月CPIが年率でそれぞれ4.3%(予想4.3%)、6.2%(予想6.2%)となり、予想通りの結果でしたので、今日のHICPも予想に近い数値になりそうです。高止まりの様相ですが、市場の反応がどうなるかをみます。
下図を見ると、全体(青)では大きなインフレ低下を見せていますが、コア(オレンジ)は横這っています。2020年からコロナ発生後の世界的な財政拡大策で、青のインフレは2021年になると一本調子に上昇し、オレンジが追随するパターンでした。その後、世界各国の中銀利上げにより、インフレの沈静化がみられ、今回予想通りになるとユーロ圏では久しぶりのオレンジ>青の逆転現象になります。
今後は
@このまま、いずれオレンジも青に追随し下落していくとみるのか。
AHICPはECBの年末予想をクリアしますが、コアはまだ上回っているので、時間経過で下がるとみるか、高止まり継続とみるか、になります。
先週のECBは、6月時に7月会合での利上げを示唆し、その通りに利上げを実施しました。7月会合では、次回以降の金融政策はデータ次第としているので、特にAの高止まりに重点置くなら、9月以降の追加利上げも想定する必要がでてきますので、まずは債券市場の反応、今週からの欧州各国中銀総裁発言が重要になります。
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移
黒い線より右側は今回の予想値
ECBの6月時インフレ予想:
赤はHICP 2023年予想5.4%、緑はHICPコア 2023年予想5.1%
また同時刻にユーロ圏2Q・GDP速報値が公表されます。先週、2Q・GDPも仏・独が先行発表され、仏が前期比+0.5%(予想+0.1%)、独が前期比0.0%(予想+0.1%)となり、特に域内最大の独があまり芳しい結果ではありませんでした。レンジ下限まではみておく必要がありそうです。
因みに6月時のECB見通しでは2023年GDPは前年比+0.9%(3月時の+1.0%から下方修正)で、今回予想通りにならないと下半期はかなり厳しくなりそうです。
ユーロ圏第2四半期GDP速報値
(2023年7月31日9時30分現在予想)
下図はユーロドルの日足チャートです。3月15日底値からのサポートA(=1.0740)とそこから平行に上げたB(=1.1250)でユーロ高トレンド形成しています。途中7月14日、17日、18日にBを上抜けていますが、実体で完全に上抜けた陽線が立たずに、B内に大きく引き戻されています。目先はユーロが弱い状態で、5月31日底値からのサポートC(=1.0885)と6月7日底値からのサポートD(=1.0960)があり、先週の金曜日は下ヒゲでDまで届きました。ただ終値では1.10台を回復し、陽線になりました。まだユーロは弱いですが、まずはD、そしてCのサポートが守られるかをみます。上値は7月18日高値からの抵抗線E(=1.1135)があり上値を抑え込んでいますので、これを越えて行かない限りA〜Bラインの流れでBトライにはなれません。
(7月31日11:10 1ユーロ=1.1015ドル)
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.12.14
南アランド円週報:『良好な南ア経済指標を背景に約1ヵ月ぶり高値圏へと急上昇』(12/14朝)
南アランドの対円相場は、12/2に記録した約2ヵ月半ぶり安値8.18円をボトムに反発に転じると、今週後半にかけて、一時8.65円(11/11以来の高値圏)まで急伸しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.12.14
トルコリラ円週報:『安値圏から持ち直すも戻りは鈍い。ドル円とのシンクロ相場が続く見通し』(12/14朝)
トルコリラの対円相場は、12/3に記録した約2ヵ月ぶり安値4.27円(10/4以来の安値圏)をボトムに切り返すと、今週末にかけて、一時4.39円まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.12.14
来週の為替相場見通し:『ドル円は153円台半ばへ急伸。来週は日米金融政策イベントに注目』(12/14朝)
ドル円は12/3に記録した約2カ月ぶり安値148.64(10/11以来の安値圏)をボトムに反発に転じると、今週末にかけて、一時153.69(11/26以来の高値圏)まで急伸しました。
-
ユーロ(EUR)の記事
Edited by:山中 康司
2023.07.31
ユーロ ユーロは対ドル対円ともテクニカルが効いている(週報7月第5週)
先週はユーロ円のレンジが6円を超える大きな動きを示しましたが特に週後半の片道5円の行って来いは印象的な動きだったと思います。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。