米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について(23/7/26)

日本時間2023年7月27日木曜日未明に発表予定です。

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について(23/7/26)

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について

NY時間7月26日14時(水曜日)にFOMC会合後の記者発表声明文が公表され、その後パウエルFRB議長の定例記者会見が予定(同14時半)されています。
今回の市場予想は以下の通りになっています。

(1)政策金利(7月26日7時30分現在の予想)

現在のFFレート「5.00〜5.25%」⇒0.25%利上げし5.25〜5.50%へ
レンジは下限5.00〜5.25%{上限5.25〜5.50%}で、ごく一部で据え置き、大半が0.25%の利上げ予想。

エコノミスト予想は中央値で0.25%の利上げになり、レンジは0.00%〜+0.25%です。
@ 市場は今回のFOMCで0.25%の利上げを織り込んでいます。前回のドットプロットで年内2回の利上げ見込みでしたので、注目は年内に最後の利上げがいつあるかとなります。そして前回のドットプロットを見る限り、一部の委員を除いて大半はそれ以降の利上げの打ち止め見込みになります。
A (3)のCME Fedwatchを見ると、今回は前回より大きく内容が変わっています。今回の利上げ後は年内の利下げ予想がほとんどなくなり、僅かに12月に5〜5.25%への利下げ予想(4.7%の割合)になっています。また今回利上げすると年内は現状維持が多数派を占め、残り1回の利上げ(された状態の)予想が9月21%、11月34%、12月32%ですので、年内最後に利上げがあるかの見方となっています。

B 従いまして、前回の記者発表要旨内にあった「…インフレ率を時間経過で2%に戻すため、適切となる追加的な政策引き締めの範囲を決定する際に、委員会は金融政策の累積的引き締めや、その金融政策が経済活動やインフレに与える影響のラグ(遅効性)、あるいは経済や金融の進展度合いを考慮する」との記述が、今回のFOMCでどの様に変化したかが焦点になりそうです。
C そのため今月12日のCPIと13日のPPIへの評価が問題になります。先行きのインフレ見通しが前者の高止まりを指摘するか、大きく軟化したPPIを優先した内容になるかとなります。
D また(4)のFRB委員の発言内容はまだ利上げ派が圧倒的に多いですが、一部に据え置き派が出てきています。
E サプライズとしては今回も据え置きとし、議事内容に引き締め文言を残すことでしょうか。
以上が予想される項目と思われます。

(2)6月14日FOMC会合後の記者発表要旨

(2)6月14日FOMC会合後の記者発表要旨

.

(2)6月14日FOMC会合後の記者発表要旨 2枚目の画像

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

(3)CME Fedwatch

CME Fedwatchは今回の利上げ予想を見ると、前回6月時に比べて金利据え置き乃至利上げの割合が増えています。FOMC後のCME Fedwatchの変化が注目されます。

6月14日時点:前回

6月14日時点:前回

赤は7月時に無くなった予想

7月25日時点:今回

7月25日時点:今回

6月FOMCでドットプロットが年内2回利上げを示唆してから1ヶ月半後の動き
青は6月時に無かった予想

(4)最近のFRB関係者の主な発言(最近1・2週間分程度)

7月14日
ウォラーFRB理事「今年は0.25%の利上げがあと2回必要」「7月利上げに賛成」
7月14日
デイリー・SF連銀総裁「金利を制限領域まで引き上げる必要がある」
7月12日
バーキン・リッチモンド連銀総裁「手を引くのが早過ぎれば、後に更なる行動が必要になるだろう」
7月11日
ボスティック・アトランタ連銀総裁「現在の政策は明らかに制限的領域にある」「雇用の伸び鈍化やインフレ低下の兆しと共に経済は減速し始めている」
7月11日
メスター・クリーブランド連銀総裁「経済は予想以上に好調であることが判明」「インフレ率を引き下げるには追加の引き締めが必要」

7月10日
バーFRB副議長「インフレは高過ぎる」
7月8日
グールビー・シカゴ連銀総裁「今年はあと1〜2回の利上げの可能性」
7月7日
ローガン・ダラス連銀総裁 「インフレ引き下げに向け、好調な経済を減速させるには一段の利上げが必要」
7月6日
ウィリアムズNY連銀総裁「インフレが依然として過度に高水準であることに不満」
6月29日
FRB議長「理事会の大半が年末までに2回かそれ以上の利上げ実施を予想」
6月28日
FRB議長「連続利上げの可能性を選択肢から排除せず」
6月21日
クックFRB理事「インフレの高止まりが米経済への深刻な脅威」

下図はドル円の週足チャートです。
2021年9月13日週底値からのサポートA(=131円00銭)と2022年3月7日週底値からのサポートB(=134円40銭)でドル高トレンドを支えています。
現在は昨年10月17日週高値からの抵抗線C(=144円60銭)があり、BとCの3角保合いを形成しています。
直近をみるとドル高からの調整入り後に反発の形となっていますが、先週までの底値がどのように規定されたのかを探ると、3月6日週高値と6月26日週高値を結んだ抵抗線D(=147円20銭)から平行に下したE(=138円30銭)とでドル高トレンドの下限にあったことが解ります。従いまして、3角保合いを更に狭めるとEとCになります。

今日から始まるFOMCやECB、あるいは米国の第2四半期GDP速報値などで、8月の相場展開が示されると思います。今週の重要イベントが終わると8月は商いが薄くなることが予想されますので、このまま3角保合いの収斂が継続するのか、どちらかに抜けるかを探ることになります。仮にCを上抜けばD方向、Eを下抜けばB→Aの順番になります。但し、Eの下抜けはD・Eのドル高フォーメーション割れになるので、下値リスクが高まってきます。

(4)最近のFRB関係者の主な発言(最近1・2週間分程度)

2023年7月26日9:00、1ドル=140円93銭

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る