シカゴポジション(CME)389
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2023年6月6日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。
ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週締日までの4通貨は、シカゴの相場観通りに積み増したのは豪ドルと円、ユーロはポジション調整、NZは引き続き様子見になりました。
まずは豪ドルですが、前回と同じ総枚数だった3年前と、1週目のパターンが同じになりました。総枚数を減らして、その内訳でも豪ドルロングを14,440枚も減少させ、結果ロングを積み上げています。やはり最大総枚数18万枚からはリスク減にしています。
前回は次週に豪ドルショートを手仕舞いしており、その締日終値が0.5995、翌週の0.5959が底値になり、3週目からは豪ドルが大きく反発しています。同じパターンなら短期的な豪ドルの底値付近にいることになります。
今週の豪ドルをウォッチします。NZドルは全く相場観なしなので、オセアニア通貨一段安の見方に追随していないので、可能性としてはオセアニア通貨の戻りもあり得ますが、3年前の同時期にNZドルは2万枚のネットショートでしたので、NZドルからのオセアニア通貨買い戻しは期待できません。
円は遂にネット10万枚ショートになりましたが、目安のネット8〜11万枚内なので、一段の円安を見ているものの、総枚数ではリスク減に撤しており、12万枚を越え15万枚まで積み上げるのかをみます。
前回も書きましたが、昨年10月21日に151円95銭の高値を付けた週の締日がネット102,618枚の円ショート最大で、3週後には65,000枚まで手仕舞いしています。因みに12万枚越えは2018年1月まで遡る必要があり、この時点は2017年初の118円から2018年3月の105円割れまでショートをキープしています。過去のパターンからすると分岐点になる可能性もあります。
今週のFOMCで7月以降の金融政策を示唆する内容は重要になりそうです。
ユーロはポジション調整の2週間になっています。流石にユーロが低迷しているので、リスク減にしていますが、FOMCとECBを前にしてもネット15万枚のユーロロングはキープしていますので、両者の金融政策動向次第になります。
(2)シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
シカゴはネットショートが700枚ですので、前週同様全く変わらず、引き続き相場観なしとなっています。今週も豪ドルの流れに付いていくと思います。
下図のチャートを見ると、黒のNZドル安トレンドラインが0.5610〜0.6330にあり、このレンジ内での推移が継続しています。3月7日終値(0.6106)と4月25日締日終値(0.6136)を結んだ赤の抵抗線が0.6170付近にあり、まずは明日のシカゴ締日で越えられるか否かを確認します。
さて実際の相場は、先週「…まだNZドルは弱いですが、一段安にはまず日足終値で0.60未満が2日連続で欲しいところです。この場合には0.5940〜50、0.5890〜0.5900狙いに入れます。一方、上値はこれまでのサポート0.6130を越えて終わらない限り、ここが当面の上値になります。今週は0.6000〜0.6130レンジを見ておき、どちらに抜けるかを確認します」としましたが、先週のレンジは0.6031〜0.6141(終値は0.6125)でしたので、まだ括弧内のレンジ0.6000〜0.6130内でどちらに抜けるかを探る状態にいます。
豪ドルがやや強いので、これに連れてのNZドル堅調推移になっているので、今週は上抜けのリスクが高く、その場合はNZドル安下での戻りを確認することになります。
0.6130を終値で越えた場合は0.6150〜60、0.6180、0.6210〜20、0.6260〜70の順に抵抗線があります。また、週足では4月4日週高値からの抵抗線が0.6330にあるので、この辺りまでの上値余地を見ておきます。一方で上抜き切れない場合は、0.6090、0.6050〜60、0.6030、0.6000の順にサポートがあり、再度2日連続での0.60未満の終値を確認してからの一段安狙いになります。
(1NZドル=0.6119米ドル、6月12日11:05)
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。
棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)
折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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