シカゴポジション(CME)384
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2023年5月2日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週締日までの4通貨は、従来のシカゴ相場観通りに積み上げたのは、豪ドルとユーロでした。NZドルはポジション調整、円は横這いとなりました。その1週間の相場はオセアニア通貨高、円安、ユーロ横這いになっています。
まずは豪ドルですが、豪ドルショート(ネット5,500枚)を積み上げ、昨年11月8日週以来のネットショートになっています。その前後は5万枚が最大となり、6万枚以上に乗せたのは昨年8月まで遡ります。直近の相場は4月28日に0.6572の底値を付け、3月10日底値の0.6564との2回目の底値トライ後は少し戻っています。先週締日の5月2日は豪州中銀が予想外の利上げを実施し、豪ドル高になりましたので戻り売りを行い、豪ドル先安観を強めていると思われます。NZドルは3月21日以降、6週連続でNZドルショートのポジション調整しており、ほぼ完全にスクエアと言えます。但し総枚数を見ると、その3月21日がショート積み上げ時で最小枚数となり、その後は両建てにしてポジション調整しているので、動き始めが近いと思われます。オセアニア通貨の括りで言えば、再度NZドルショートを積み上げてくる可能性の方が高いと思われますが、逆ならば、豪ドルショートも手仕舞いしてくる可能性がでてきます。今後2〜3週間で動き始めると思います。
円は相場水準が4月25日締日に133円76銭、5月2日締日が136円55銭になり、水準が大きく変わりましたが、ネットポジションがほとんど変わっていないので、先週同様136円はまだ通過点の相場観が変わっていないと思います。FOMC後に133円台まで下落したので、明日の締日で最低でも同じポジションか、円ショート増なら、ドル高の相場観継続は間違いないと思います。ユーロは僅かですが、ユーロロングを積み上げてきているので、長い間続いている1.09〜1.11レンジはいずれ上抜けてユーロ高入りの相場観を強めています。このままネットのショート枚数を維持し、20万枚方向になりそうです。
チャートの青の棒グラフみると、ここ2ヶ月程度の豪ドルショート残から、一段高いショートポジションを積み増してきました。終値ベースのチャートではまだ緩やかな黒の豪ドル高トレンドライン(0.6360〜0.7100)を継続しています。このレンジ間で1月31日高値0.7054からの緑の抵抗線が0.6650付近にあり、1ヶ月以上に亘り、この緑の線に絡んで推移しています。しかしながら、現状のスポットはこの緑ラインを越えているので、明日の締日でも越える可能性が高く、その場合は0.7100方向まで上値余地が広がります。
さて、実際の相場は、先週「…3月10日底値の0.6564との2回目トライになりました。昨年11月21日の底値が0.6585でしたので、これで3回目トライとも見做せます。今週は0.6550未満の日足終値を確認してからの豪ドル一段安を見ておいた方がリスク少なくなります。上値は先週までのサポート0.6640が今日は0.6655まで上がっているので、今週は0.6540〜0.6660(金曜日で0.6675付近)レンジのどちらにブレークするかをみます」としましたが、0.6550未満の終値はなく、逆に0.6660レンジの上限を越えました。そして4月14日高値からの抵抗線0.6700も越えているので、3月10日底値から始まった豪ドル高トレンドライン(0.6670〜0.6860レンジ)に回帰しています。現状では豪ドルが強い状況になっています。週足では昨年4月4日週高値からの抵抗線が今週は0.6990にあるので、もし0.70越えることになれば、豪ドルは一段高狙いとなり、底値0.6550付近はダブルボトムだったことになります。日足の抵抗線は0.6780〜90、0.6820、0.6860の順にあります。下値はトレンドライン下限の0.6670が重要になり、次いで0.6550サポートになります。(1豪ドル=0.6743米ドル、5月8日10:00)
シカゴ豪ドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
オーダー/ポジション状況
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