南アランド週報:『テクニカル的な強さが継続もファンダメンタルズの弱さがランドの重石』(4/29朝)

南アランドの対円相場は、週央に記録した安値7.21円をボトムに反発に転じると、週末にかけて、7.44円(4/21以来の高値圏)まで急伸しました。

南アランド週報:『テクニカル的な強さが継続もファンダメンタルズの弱さがランドの重石』(4/29朝)

『テクニカル的な強さが継続もファンダメンタルズの弱さがランドの重石』

〇今週の南ア円、週央にかけ週間安値7.21まで急落後、週末にかけ7.45まで急伸
〇直近安値7.17を背景とした南ア買い、日銀金融政策決定会合後の円売り等が背景
〇南ア円主要テクニカルポイントを上抜け、買いシグナルも点灯、テクニカルの地合い好転
〇一方ファンダメンタルズは南ア経済、政局先行き不透明感強く、格下げ懸念、インフレ再加速懸念も重石
〇引き続き、南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.25ー7.55

今週のレビュー(4/24−4/28)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.41円で寄り付いた後、(1)一目均衡表雲上限をバックにした戻り売り圧力の高まりや、(2)南ア2月景気先行指数(結果120.1、前回120.9)の冴えない結果、(3)米ファーストリパブリック銀行の大規模預金流出とそれに伴う金融システム不安の再燃(リスク回避の新興国通貨売り)、(4)南アフリカ中銀による金融政策レビューでの「コアインフレ率は依然上昇しており、先行き見通しに上昇圧力がかかっている」「計画停電が成長の重石で2023年の成長率に対する押し下げ効果は最大2%ポイント」とのスタグフレーション(景気後退下でのインフレ昂進)を滲ませる見解発表が重石となり、週央にかけて、週間安値7.21円まで急落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)4/6に記録した直近安値7.17円を背にした押し目買い圧力や、(5)日銀金融政策決定会合での緩和修正見送り決定、(6)対主要通貨での円売り再開(ドル円・クロス円急伸→南アランド円連れ高)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値7.45円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/29午前5時00分現在)では、7.44円前後で推移しております。尚、今週発表された南ア3月生産者物価指数(結果+10.6%、予想+11.3%)は市場予想を下回る結果となりました。

来週の見通し(5/1−5/5)

南アランドの対円相場は、週央に記録した安値7.21円をボトムに反発に転じると、週末にかけて、7.44円(4/21以来の高値圏)まで急伸しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線、一目均衡表基準線、一目均衡表雲上下限、21日移動平均線、ボリンジャーミッドバンド)を上抜けしていることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」が点灯したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いの好転が意識されます。但し、ファンダメンタルズ的に見ると、(1)南アフリカ経済の先行き不透明感(深刻な電力不足の継続→国内で広がるスタグフレーション懸念→IMFは4/11に南アフリカの2023年経済成長率見通しを前回1月時点の+1.2%から+0.1%へ大幅下方修正)や、(2)南アフリカ国内の政局不透明感(与党アフリカ民族会議の支持率低下)、(3)南アフリカ国債の根強い格下げ懸念、

(4)南アフリカにおけるインフレ再加速懸念(先週発表された南ア3月消費者物価指数は市場予想を上回る結果→南ア中銀がインフレ抑制を優先して追加利上げに踏み切れば、南ア経済にもう一段下押し圧力が加わる恐れ)、(5)米FRBによる年内利下げ観測の後退(今週発表された米1ー3月期雇用コスト指数や米3月PCEコアデフレーターが予想比上振れ→米金利上昇・米ドル高は南アランドの下押し要因)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻む展開)。尚、来週は南ア国内の経済指標が予定されていないため、米FOMCや中国の4月製造業・サービス業PMIに注目が集まります。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.25ー7.55

注:ポイント要約は編集部

『テクニカル的な強さが継続もファンダメンタルズの弱さがランドの重石』

南アランド円日足

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