オーストラリアドル週報(2023年4月第3週)

豪ドルは対米ドルでやや弱含みの展開ですが、対円では日銀による金融緩和策継続や日本の貿易赤字が過去最大となったことなどが円売り材料となり、堅調に推移しています。

オーストラリアドル週報(2023年4月第3週)

豪ドル/円、上値抵抗を抜けられない状態。中期は“豪ドル弱気”。

4月18日に公表された豪中銀議事録(4/4開催分)では「利上げの効果を評価するために、今回の会合で利上げを停止し追加引き締めの必要性を再評価するとの見解で一致」とありますが、移民急増による人口増加と公共部門の賃金上昇が物価を押し上げる要因となっており、今後の状況如何では追加利上げの可能性を残しています。国内の銀行システムについては「強固であり、政策にブレーキをかけることにはならない」と言明しています。豪ドルは対米ドルでやや弱含みの展開ですが、対円では日銀による金融緩和策継続や日本の貿易赤字が過去最大となったことなどが円売り材料となり、堅調に推移しています。

チャートを見ると、日足は2/21につけた93.01を戻り高値とする短期的なレジスタンスラインを上抜けた位置をキープしており、上値トライの可能性に繋げていますが、昨年9月につけた98.60を基点として上値を切り下げる流れからは上抜けておらず下値リスクを残した状態です。この日足の上値抵抗は91.00-10にあります。またこれを上抜けた場合でも週足ベースで見た強い上値抵抗が91.80-90にあり、92円台に乗せて越週するまでは下値リスクを残します。日足の上値抵抗は90.50-60,91.00-10に、下値抵抗は89.50-60,89.00-10,88.00-10にあります。89円割れで終えた場合は下値リスクが点灯、88円台を割り込んで終えた場合は新たな下落リスクが生じます。21日移動平均線は88.91に位置しており下値を支えていますが、120日、200日線は90.97と92.37に位置しており、中期トレンドは弱いままです。

一方直近の週足は陽線で切り返して上値トライの可能性に繋げています。下値を切り上げる流れを維持していますが、昨年12月につけた87.03を基点とするサポートラインの下に入り込んだ状態にあることや、昨年9月につけた98.60を基点とするレジスタンスラインの下で推移しており、下値リスクにより警戒が必要です。週足ベースで見た上値抵抗は91.00-10,91.80-90にありますが、92.00超えで終えれば下値リスクが後退して一段の上昇に繋がり易くなります。下値抵抗は89.00-10,88.00-10にありますが、88円を割り込んで越週した場合は、新たな下げトレンド入りの可能性が高くなり、85〜86円方向への下落リスクが生じます。31週、62週移動平均線は91.32と91.67に位置しており、中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに変わりありません。

豪ドル/円、上値抵抗を抜けられない状態。中期は“豪ドル弱気”。

4/20現在、31週移動平均線は91.32に、62週線は91.67にあり、両者を下抜けて中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れにある。

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